金がない!
あれから三日ほど遊んだころ、ユウリはあることに気がついた。
「しまった!、もう金がない!」
「タコ討伐の報酬は〜?」
口をモゴモゴさせてイカ焼きを食べながら、気軽そうに話してくるマオに少し腹を立てながら、俺は財布の中の財産を数える。
タコの討伐で貰った1万ゴールドなどすぐに使ってしまった。
ひーふーみー、約5000ゴールドほどか...、しばらくは大丈夫だが、遊ぶほどの余裕はない。
「仕事に行くぞ」
俺がそう言い切ると、マオが嫌そうな顔で食べ終えたイカ焼きの棒を舐めている。
「ええ〜、もうちょっと遊んでいたいな〜」
さっきよりもやる気のなさそうな顔で俺をジト目で見てくる。
「そんなこと言ってるとマオだけ飯抜きだぞ」
「それは...、困るな...」
渋々承諾するマオを見て、レスカが話に割って入る。
「まあまあマオちゃん、この大陸に来てから初めての仕事ですし、簡単そうなのを選んで来ましたからすぐ終わりますよ」
笑顔のレスカを見て気が和んだのか、さっきまでの渋々顔は消えていた。
「レスカがそう言うなら...、まあいっか」
(安い子供...、いや魔王だな...)
俺は苦笑いしながらも、マオの安っぽい笑顔に笑みを向ける。
(なんだかんだで働く意思はあるんだよなこいつにも)
マオはマオのやり方で俺たちの役に立とうと努力しているのは認めている、現に役に立たないと思っていた遊戯のスキルで2日前に、一儲けさせてもらった。
それを踏まえた上で余裕があったから、3日間も遊べたのだ。
まあ、カードのシャッフルが上手くなるスキルがまさかの手品にも使えるとは思わなかったのだが...。
”遊戯”のスキル、もしかしたら遊戯のスキルには俺の知らないすごい力が隠されているのかもしれない。
マオの能力を見ていると、バカにするだけのスキルではないことがわかってきた。
目から光が出るだけのスキルも、もしかしたら使い道があるのかもしれない...、いやないか。
あんな馬鹿みたいなスキルの活用法を真剣に考えてるなんてどうかしてるな俺も...。
自分で自分を笑いながら、レスカの受けて来た仕事の内容を見る。
これなら今の俺たちでも簡単にこなせそうだ。
「行くぞマオ、レスカ、今日からレベル上げ兼金稼ぎだ」
俺たちはこの大陸に来てからの、最初の仕事に取りかかった!
ようやく火の大陸編が、本腰入れてスタート!
いつものノリで書いていきたいと思います!
作者のやる気で1日に1話あげるか2話あげるかが変わるので、お盆休み中に火の大陸編が終わる気がしないですね。
流れは大体はできてるんですけど、この作品は特殊で、どんな方向に急に向かい出すか作者もわからないのでヤヴァイです。
しかも結構長いので、気長にお待ちくださいね〜。




