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どこだ...?

 ピチャン。

 水の滴る音で俺は目を覚ました。


「ここは...?」


 頭がぼうっとするが、ゆっくりと身を起こしてあたりを確認する。

 あたりは薄暗くて、よく見えない。

 目を闇になじませていき、だんだんと見えるようになってきた。

 ある程度広い空間だが、少し肌寒い、水着のままなのがいけないのだろうが。

 一度くしゃみをしたのでアイテム欄を開こうとすると、「ロックされいます」という表示がされていた。


「なんだ?」


 今まで旅をしてきたユウリにさえわからない、新しい呪文もしくはアイテムがあるのだろうか?

 アイテム欄を無理に触ると、電流が飛び散り身を焦がす。


「痛ってーな!、なんなんだよ...」


 アイテムを使えないのならスキルは?

 俺はスキル欄を表示させる。

 使用不可になっているものもあるが、常時スキルは発動している。

 女体化したままなので、全ての効果を打ち消してはいないようだ。


「どうせならこの女体化スキルを使用不可にしてくれよ...」


 余裕そうな態度をとるが実際のところ緊張している。

 精神を落ち着かせるために息を大きく吸って吐く。

 一度状況を整理する。

 俺は確か...、レスカと一緒に夜の散歩をしていたんだよな。

 そして、チャラい男に眠らされて...。

 思い出した時に体は動いていた。


(レスカ...、待ってろよ!)


 数歩動いた時に違和感に気づく。

 柔らかい壁のような物にぶつかり、前に進めない。

 透明で見えない壁だ。

 弾力がありブニョブニョしているのがわかる。


「なんだこれ!?」


 腕をめり込ませても最終的には弾かれてしまう。

 弾かれた反動で尻餅をついた拍子に、下に何かあることに気がついた。

 地面が柔らかかったので、恐る恐る下を見てみると。

 何人か人が倒れているのがわかった。


「大丈夫か!」


 俺はそっと一人に駆け寄って声をかけてみるが、疲れ切っているような表情のまま眠っている。

 全員同じような表情のまま眠っているのが不気味だ。


「一体何が起きているんだ?」


 考えても答えは出てこない。

 どうにかして、この場所から抜け出す方法を考える。

 しばらくすると、先ほどの透明の壁の向こう側に見覚えのあるチャラい男が立っていた。

 チャラい男が俺の方にやってくると、先ほどの透明の壁をすり抜けるようにやってくる。


「君の番だ、早くこっちへきて遊ぼう...」


 俺の方を見ておいでおいでと手を動かしている。


「わかった...、でも気に入らなかったらすぐに帰るからな」


 ここは男の言う通りにしようと思う、ここから出られればどうにでもなると考えていたからだ。

 男はニヤリと笑う。

 男の後をついていくと、先ほどの壁はなぜかなかったかのように進める。

 不思議な壁だ...、何か発生する条件があるのか?

 男にそのままついて行く。

 炎のような光が見えてくると、レスカの声が聞こえてきた。

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