喜んで欲しかった...
サブタイトルの割に、内容がひでぇ!
「お〜い!」
私は二人を見つけて駆け出した。
二人は私を見つけると、急いで近づいてくる。
先程手に入れた木の実を見せびらかして、自慢げにひらひらさせる。
「どうどう、すごいでしょ〜、この木の実とっても美味しそう!」
木の実を見せているが、二人はそんなことを聞いていない様子だった。
特にレスカの表情が安堵したような顔で、さっきまでの海水浴を楽しんでいるものではなかった。
「レスカ、どうしたの?」
気になったのでレスカに聞いてみると、代わりにユウリが話し始める。
「...、マオよ、レスカは本気で心配してたんだ」
「え!?、でもあんまり時間たってないよね?」
レスカを見ながら、人差し指を顎の前において考えてみるが、心配する理由が見つからない。
私が悩んでいると、おもむろにレスカが抱きしめてきた。
急なことなので少しびっくりする。
海水に濡れたレスカの肌は冷たくも柔らかかった。
レスカに抱きしめられていると、なんだか本当に子供に戻ったような気さえしてしまう。
不意に冷たい雫のようなものが頰を伝ったので体がピクンと反応した。
冷たい雫の正体はレスカの涙だった。
突然レスカの瞳から流れ出たので、慌てて目にある涙を指で拭いてあげた。
すると、彼女は静かにこう告げてきた。
「マオちゃん...、あなたはまだ子供なんです...、私かユウリから絶対離れたらダメですよ...、もしものことがあったら私...、マオちゃんの両親に顔向けできません!」
こう言われてようやく自分の立ち位置を理解した。
自分では魔王のままのつもりでも、彼女にとっては子供のようなものなのだと。
自分に親はいない。
いたのかもしれないけれど、私は覚えていない。
でも、今はレスカとユウリがいる。
そのことが嬉しくて、私は感謝の印に何かあげたくなったのだ。
それがこの木の実だった。
だけど、それが原因で迷惑をかけたのなら、私の行動は意味のないものとなってしまったと思う。
「ごめんなさい...、余は二人に喜んで欲しくて...」
そこまで言いかけると、レスカは私の頰に手を当てた。
「私もユウリも、マオちゃんがいるだけで嬉しいですよ」
短くて簡単な言葉だが、私の胸には突き刺さる。
うっうっと泣き声をあげながら、私はレスカの胸の中に沈んだ。
...。
(ちょっと迷子になった子を探しただけで、何でこんなに感動してるんだ?)
正直いうとユウリには、レスカのノリがわからないでいた。
どう考えても魔王であることを知っているのと知っていないのでは相当な障壁はあるだろうけれども、それにしてもレスカのマオに対する執着は計り知れない。
俺はハハハと笑いながら盛り上がる二人を見ていた。
...最後のユウリの心理描写でこの話が台無しになる!
...終・わ・り♡
ルルラ〜。
俺はなんだか満足そうな顔であとがきに立っていた。
ユウリ「あ...うん、なんかもうどうでもいいや...」
鼻歌を歌いながら夕日が映る海面を見て感傷に浸る。
(俺の恋人やっぱりどこか変だよな!、言っちゃ悪いけども!)
言えないことを後書きに殴り書いてストレス発散するユウリであった...。
〜完〜




