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ザークの生態③

やべぇ、ちょっとザーク編長くて本編進まないので、一旦ここで止めます。

気になる方はちょっと待っててね。

 ザークはなにやら魔王城謁見の間で呟いていた。

 魔王の玉座に座って不気味に佇んでいる。

 彼女の幼い姿は、強大な魔王として生まれるための仮の姿のように見えるようだった。

 両手を広げて黒い炎を無数に生み出す。


「デスビャッコ、デスセイリュウ、デスゲンブ、デススザク...、ワレ二ツカエヨ...」


 黒い炎の中から4匹の獣が現れる。

 その獣達は黒い炎を纏っており、この世のものと思えない姿形をしている。

 炎の獣達を見たメイシス様はパチパチと手を叩きながらザークに近づく。


「流石ですな、ザーク様、貴方様は兄上をも超えて魔界の王となるお方」


 メイシスはお辞儀をしたままザークに告げる。

 四獣を控えさせたザークはメイシスの方を向いて


「メイシス...、ホントウニワタシヲオウニシテクレルノ?」


 疑ぐり深く注意するザーク。

 子供なりにメイシスのやり方が気にくわない様子だった。


「ええ、それはもちろん」


 淡々というメイシスの言動が信用できないザーク。


「...、デモアオノクンレンハヤリスギダトオモウ、カノジョハタタカイ二ムイテイナイ」


「ザーク様に仕える者は最低限の力が必要です」


 速攻で切り返される言葉に反論する。


「アオハヤサシイコ、ワタシハアナタヨリモアオノコトヲシッテイマス、ソレニツカエルダケナラバ、ツヨサハカンケイナイデショウ?」


 出来るだけアオの良いところを伝えた上で強さは関係ないと主張するが、メイシスは苦笑する。


「アレはザーク様の身の回りの世話をするだけの者です、ザーク様から名前をいただくのももったいないほどの存在ですよ...、それに力がなくては魔王の側近は務まりませんからな」


 あまりにもアオを馬鹿にしたような発言が気に入らない。


「デモアオハワタシノコトヲ...」


「おっと、これ以上ザーク様のお時間を取るわけには行きませんな、くれぐれもアレとは極力接触しないこと、ザーク様の成長に関係ありませんからな...」


 メイシスはそれだけ言うと謁見の間を後にした。

 誰もいなくなった部屋を見回しながらザークは一人考え事をしていた。


 〜廊下〜

 メイシスは機嫌が悪そうに歩いている。

 怒りに任せて壁を殴りつける。

 パラパラと殴られたところから出る破片が床に落ちる。


「アレになぜそこまでの視線を送る、私には何もないというのに...」


 一度大きく息をして気分を落ち着かせたメイシスはアオを呼ぶ。


「おい!これを片付けておけ!」


 メイシスが叫ぶとアオが急いでやってきて、破片を片付け始める。

 アオが片付けていると、メイシスが汚れた物を見るような目で見下してきた。


「なぜお前なんかが、この失敗作品が...」


 この短い言葉にアオはハッとしたようにメイシスを見る。

 あまりにも短いその言葉は、アオの心を深く(えぐ)った。

 メイシスは鼻で笑うとその場を去った。


(失敗作品?)


 アオにはメイシスの従者になるまでの記憶がない。

 それになぜメイシスの従者になったのかさえ思い出せない。

 自分の過去さえわからない気持ち悪さに身震いしながら片付けを続ける。

 失敗作品という言葉が頭をめぐり続ける。


「私は失敗作品...」


 その言葉が脳内に焼き付いていく。

 失敗作品、失敗作品、失敗作品、失敗作品、失敗作品、失敗作品、失敗作品、失敗作品、失敗作品。


「アオ!?」


 私は不意に頰を触れられて我に帰った。


「ザーク様?」


 心配そうに私に触れるザーク様が瞳に映る。

 床を見るとさっきよりも汚れている。

 床が片付け前よりも散らかっていたのだ。

 私は気がついた、さっきまでの私はまともな状態ではなかったことに。


「すみませんザーク様、今すぐ片付けに取り掛かります」


 私が慌てて片付けを始めると、ザーク様も欠片に手を出すのでやめさせようと声をかける。


「いけませんザーク様!、手が汚れてしまいます!」


 ザークは不思議そうな顔でアオを見る。


「ナンデ?、ワタシガテツダイタクテテツダッテルダケダヨ?」


 そういうと欠片を集め始める。

 それを見た私はふふっと笑う。

 ザーク様の行動を見ていると真剣に考える自分が馬鹿に思えてくる。


(この人はきっと、いや絶対に私が弱くても従者にしてくれるだろう、この人は力で人を見ていないのだから...)


 そう思うと少し心が落ち着いた。

 だが、自分が弱いことを良いとは思わないのも事実だった。

少しでも彼女に近づく、そう誓いを立てる私がそこには確かに存在した。

 二人は笑いながら一緒に片付けを続ける。

 それを遠くで見張る影があった。

 それは拳を握りしめて歯を噛み締めていた。

シリアス要素が強すぎるのでそろそろ本編に戻します。

作者もザーク編の続きが気になっているので、そのうち書き進めます。

これギャグ作品なんだけどね。

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