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始まりの町②

 俺たちはどうにか王の魔の手を逃れて始まりの町へと戻ってこれた。


「ふい〜、ようやく戻ってこれたよ〜」


「本当に疲れました...」


 疲れきった2人を見ながらも、俺は深刻に考えていた。

 流石にこの大陸にずっといるわけには行かない。

 ずっとここにいればいずれはこの場所も知られてしまうだろう。

 そう考えたユウリは2人に提案する。


「チビにレスカ、俺から提案があるんだが、他の大陸に渡らないか?」


「あー!、またチビっていった〜!!」


 魔王が指をさしてユウリを睨んでいる。

 そんな魔王を無視してレスカに提案の後押しを求める視線を送る。


「私は、ユウリの意見に賛成です、王様を殴ってしまったのは事実ですし、この大陸にいてはいずれ捕まってしまうでしょう」


 レスカからウィンクを貰い、ユウリは少し微笑んだ。

 魔王の意見を求めずに話を進める。


「疲れているとは思うが、皆もう少し頑張ってくれ」


 ユウリが歩き出すと魔王が駄々っ子のようにその場でジタバタし始める。


「やだ〜、余はもう疲れた!、今日だけはもう休もう勇者よ〜」


 まるで子供のような魔王の姿にユウリは呆れる。

 ここらで一度、立場というものをわからせた方がいいかと思いユウリが厳しい言葉を投げかけようとした時。

 レスカが横から話に割って入る。


「ユウリ、私がマオちゃんをおぶって進みます、それなら今からでも動けるでしょ?」


「そういうことを言いたいんじゃない、俺は...」


 ユウリが言葉を発しようとした直後に魔王は少し考えるような素振りを見せ始めた。


「う〜ん、レスカも勇者も疲れているよな...、どうしても今動かないとダメか?」


 ユウリは静かに首を縦に振る。

 魔王は頭を掻いて数秒考えてから嫌々ながら答えを出した。


「分かったよ!もう!、もう少しだけ余も頑張る!」


 魔王のやる気のある目を見るとユウリはフッと笑った。


「始めてお前のそういう顔を見たな...」


「それどういう意味?」


「言ったままの意味だ、マオが頑張ろうとする表情を見たことがなかったからな...」


「え!?、今名前で呼んだ!?」


 ユウリはハッとして言葉を訂正する。


「いや、チビだチビ!」


「いや、言った、絶対言った!、ようやく勇者も余のことを名前で呼んでくれるとは、感慨ぶかい...」


 涙を流しながら佇む魔王を見てユウリはなんとなく悪い気分にはならなかった。


「まあ、どっちでもいいか、そんなことより、早く街をでて王都と逆方向に向かって行くぞ」


 こうして勇者と魔王の旅が始まるのだった。

 これから先には何が待ち受けているのだろうか?。

 それは神のみぞ知る。


少し真面目っぽい話だったかな?。

基本ギャグで行きたいが、こういう成長回も必要だよね。

マオちゃんが少し成長しました、気づいていないかもしれませんがユウリも...。

これからも勇者と魔王の成長を見守ってくださいね!。

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