門
疲れているので文章がおかしいかも。
勇者達は門の前まで足を進めていたが、ここで足を止めてしまった。
ガッチリと閉じられた町の外へと出る為の門は、勇者達の脱出を防いでいるように見えた。
「衛兵が多くて避けては通れそうにないな...」
遠くから衛兵の人数とレベルを見ていく勇者を見て魔王は不思議に思った。
「なんで勇者には皆のレベルがわかるんだ?」
魔王の問いにレスカが答える。
「勇者のスキルの一つに見切りというスキルがあるのですが、それを習得すると、他人の潜在能力がパラメータとして見れるようになるのですよ」
「なんでレスカがそんなことを知っているんだ?」
「私も昔は勇者に憧れていたので、勇者のことをある程度は理解しているつもりです!」
レスカの勇者に対する情熱のような物は本物だろうと魔王は思った。
「あれ?、でも勇者のレベルは1だよね...、なんでそのスキルは使えるの?」
魔王が何度も聞いて来るので一度勇者は答えることにした。
「別にレベルが落ちたからって全部の技を忘れたわけじゃない、お前だってデススザク使おうとしてたろ」
「なるほど!、確かに余のスキル欄にはデススザクがまだあるな!、MP足りなくて使えないけど...」
そう、レベルが落ちたからといって全ての技を忘れたわけではなかった。
たしかに使えなくなってしまった技も多々あるが、またレベルを上げれば使える可能性の方が高いのだ。
ただ、魔王が弱すぎて、再び同じレベルまで上げるのに苦労しているのだが...。
「馬鹿正直に正面突破は無理そうだな...、レスカ、さっきの変化の呪文もう一度使えないか?」
レスカは首を横に振る。
3人分の体を変化させるのは結構な魔法力を消費するらしい。
さっきので今日の魔法力はほぼ空になってしまったらしい。
俺は考えを張り巡らせ考える。
アイテム欄を確認しながら使えるものをチョイスしていく。
「あのくらいの人数ならこれで何とかなるな、やっぱレベリングは大事だよな、魔物を狩り続けたアイテム達でこの戦法を成立させれるんだからな」
魔王もチラチラと衛兵の人数を数える
今見えているのは5人程度だが、今の自分たちでは太刀打ちできる相手ではないのだろう。
「で、どうすればいいんだ勇者よ」
勇者は魔王に目線を向けながら不敵な笑みを浮かべている。
「え...えっと....その顔は何かな?」
魔王は嫌な雰囲気を感じながらも勇者の提案に耳を傾けた。
〜門の前〜
「うぇ〜ん、ママ〜!!」
白髪の少女が門の前で泣いているのが見えたので衛兵は少女に近づいてなだめ始める。
「どうしたんだい?、母さんとはぐれたのか?」
それでも強面の衛兵の顔では泣き止むはずもなくずっと泣き続けている。
1人ではどうしようもないので、仲間の中に子供がいるやつを呼んできてどうにかしてもらおうとしているが、どうにも上手くいっていないようだ。
衛兵達が1人、また1人と違和感に気づいて集まっていく。
その時を狙い、勇者とレスカは行動を開始した。
作戦ってほどのことでもない。
魔王と言っても今はただの少女でしかない。
そんな子が門の前で泣いていれば衛兵達はどうする?。
さっき見たいな金目的の衛兵はおそらく城の中にしかいないだろう。
門の見張りなどには真面目な人を人選していると思ったが、外の衛兵達の動きを見る限りでは善良そうな行動をとっている。
ローケンの衛兵もそうだが、どこの国でも大抵上層部は腐っている国が多かった。
俺が勇者として世界を渡り歩いている時に思ったことだが、上が腐っていればそのうちその国は衰退していく。
そして一番被害にあうのは、それについていく民衆だった。
ここ王都ローケンも同じだ。
勇者がやるのは魔物の討伐それだけだ。
基本的の国の事情には関わらないでいる勇者達の方が多い。
中には国と同盟のようなものを結び甘い汁を吸う者もいたな...。
ローケン、たしかに街並みは綺麗だしいい町だと思えるだろう...。
だが、俺達はここで捕まるわけには行かない、男に戻りレスカと幸せな生活を手に入れるまでは誰にも邪魔されたくはない。
(せっかく魔王を無力化したんだ、こんなところで豚箱行きになってたまるか!)
有望な衛兵達には悪いが、ここは逃げさせてもらう。
爆発音が別のところでし始める。
煙の上がる方へと衛兵達は駆け出す。
無人となった門の前へと勇者達が現れる。
「よう、チビ!、よくやったな!」
「全く余にこんな役をやらせるとは...、勇者も鬼だな...」
「名演技でしたよマオちゃん!」
勇者とレスカは魔王を褒めている。
魔王が泣いて衛兵達の気を引いている間に爆弾ゴーレムの欠片を一箇所に出来るだけ仕込んだ。
分厚い壁ではなく、薄い門を狙う為にここで魔王には時間を稼いでもらう必要があったのだ。
勇者が爆弾ゴーレムの欠片で爆発を起こす。
終盤の魔物達には効果が薄かったアイテムだが、序盤の薄い門くらいなら吹き飛ばすには充分。
一箇所に大量に置かれた欠片は凄まじい爆発と共に門に風穴を開けた。
「衛兵達が来る前に行くぞ!」
勇者は叫んで2人に呼びかける。
ようやく出られた外の空気に触れた時、勇者はようやく自由手にいれられたと思った。
早速瞬間移動の呪文を唱えようとするが、選択欄が魔王城と王都ローケンと始まりの町の3つしか存在していなかった。
仕方ないので始まりの街に飛ぶ。
これからどうするかはあっちで考えよう、今日は疲れた...。