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誠実さを試す試練だが、真の虚言者は……【8】

 シズ1000の謎行動はさて置き。


 私達は、呼吸する事も可能と言う水の中へと入って行き、更に続く通路を進んで行く。


 十分程度は歩いたろうか?

 細長い通路の様な状況が終わり、ようやく周囲の視界が広がる。


「すげぇ……」


 答えたのはういういさんだ。


 思わず口から漏れたのだろう。

 私もやっぱり壮観だと思えた。


 そこにはあたかも海中の世界。

 ……否、その物と述べても差し支えの光景がパノラマで広がっていた。


 こんな状況を、呼吸が可能な状態で見る事が出来る時点で、なんだか物凄い不可思議な気持ちにさえなってしまう。

 

「本当に、ここは観光名所になっても良いんでねべが?」


 ういういさんの隣にいたいよかんさんも、やっぱり驚きと感動をあわせ持つ声を出していた。

 

「およ~。びっくりです~。まるで海底を泳ぐ魚にでもなった気分ですねぇ~」


 そして、みかんも同じ感じで驚いている。

 だけど……なんてか、まぁ……みかんの場合はある程度までは予測していたのか? そこまでの驚きがある様にはみえないな?


 私の場合も、少しばかり予測と言うか……もしかしたらそう言う光景があるのかも知れない……程度の事を、曖昧ながら考えてはいたんだけど、それでもかなり驚いてはいる。


 うむ、普通に驚けるレベルだぞ?


 だって、当たり前の様に魚とか泳いでるし。

 珊瑚とかもあって……まんま海の中って感じなんだよな。


 だからだろう。

 この光景を見たユニクスも驚きのまま、しばらくは周囲をただただ見ていた。


 思わず唖然となってしまう情景に、言葉も出ないと言うのが正直な所なんだろう。

 うむ、分からないでもないな?

 私も結構、そんな感じだったからさ。


 他方のみかん達……と言うか、主にいよかんさんが無駄にはしゃいでいたりもする。

 見事なスキューバダイビング状態で、キャッキャッ♪ と楽しそうに泳いでいた。

 近くにいたみかんが、私達を意識してか? 物凄く恥ずかしそうな顔になってた。  

 ……まぁ、こんな体験なんて滅多に出来ないしさ? 少しは羽目を外しても良いとは思うぞ? 私はな?


 閑話休題それはさておき


 少し時間を置いてから、ダンジョン攻略に本腰を入れて行く。


 例によって、シズ1000のアンテナによるナビゲーションを頼りに行動を開始しようとしていたんだが……どうやら、サテライト・システムに問題が発生していて、上手く情報を掴む事が出来ないらしい。


 ……って、サテライトってなんだよ。


 何でお前は、衛星と受信する事が出来るんだ? つか、そもそもどうして衛星があるんだ?


 しかも、軽くツッコミを入れたら『スーパー・ファミカン・モードで、サテライトビューが可能になっているから』とか言う、謎の返答までして来た始末。

 もはや、どこからツッコミを入れるべきかで悩みたくなったね!


 何にせよ、シズ1000のナビが正常に発動しない以上、自分達の足で何とかするしかない。


 結果、私達はそれぞれ東西南北に別れる形で周囲の探索を始める事になった。


 現状六人いるので、三つの方位は二人一組と言う条件で探索をする事が可能ではあるんだが……そうなると、残ったひとつの方角には誰が行くのか? って事になってしまう。


 ここには、色々な意見が飛び交ったりもしたのだが、最終的にはみかんの友達だかのレイスが担当する事になった。


 悪霊レイスと述べているが、厳密に言うと元・悪霊だったりもする。

 まぁ、ここらについては……みかん本編を見てくれたら幸いだ。


 何にせよ、これで東西南北の担当が決まったな。


 厳正なる話し合いの結果、私はアリンと二人で東側の探索を担当する事になった。


「リダ様? あの、私はリダ様以外の方と組みたくはないのですが?」


 話し合いは滞りなく行われ、満場一致で決定された。


「その、リダ様? さっきから、普通に無視されている気がするのですが? いや、だからリダ様? どうして耳を塞いでいるのです? ちょっと、リダ様っ!?」


 一部、謎の空耳が聞こえて来た気がしたのだが、私としては些末な事と認識している。

 うむ、全く以て、問題はないな!


「リダ様ぁっ!? 完全に私を無視してますよねっ!? 少しは何か申して頂けませんかっっ!?」


 以下、みかんとユニクスが西を、いよかんさんとういういさんの二人が南を、みかんの友人らしいレイス達が北を担当する形で、それぞれの方角を探索して行く。


 よし! これでやる事は決まった!


「リダ様! せめて少し……そう、少しだけで良いので、私の話を聞いては貰えませんかっ!? 私にだって発言する権利程度はあると思う……って、リダ様? 何処に行くつもりです? ちょっ……リダ様ぁっ!」


 かくして、三層目のダンジョン攻略は始まりを迎えるのだった。

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