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百貨店、爆発する【4】

 し、仕方ないなぁ……。


「分かったよ……まぁ、私もアリンの服とか買って上げたかったし……他にも色々と見て回りたい気もするからな……」


 不承不承ながら答えた私。

 くそ……初めて出来た百貨店が、バアル絡みじゃなかったのなら、私だって素直に行きたいと言えたのにな!


「おおっ! 良いよ? 良いね! リダ! 今日のリダはノリが良いよっ! いつもその調子でお願い!」


 直後、ルミの顔がぱぁぁぁっ! っと明るくなる。

 純粋に楽しみなんだろう。

 まるで少女の様な喜び方だ。


「素直に許諾して頂いてありがとございます。やっぱりリダさんが来てくれないと、うちのマムも元気が出ないので」


 近くにいたルゥも、やんわりと微笑みを作って私へとお礼を口にしていた。

 こっちもこっちで喜びを表現しているみたいではあるんだが……少女の見た目に反して、かなり大人びた反応をするんだよな?


 本当……ルミとルゥは、外見と中身が反比例している様な気がして仕方ないな。


「よし! それじゃあ、明日はみんなでデパート散策に決まり! みんな、遅刻は厳禁だからね!」


 程なくして、ハイテンションのまま話をまとめて来たフラウ。

 珍しく私が肯定的な言葉を口にしたせいなのか? まとめると言うよりは畳み掛ける感じで言って来た。


 こうして、私達は近所に出来たらしい百貨店へとみんなで向かう事になって行くのだった。




        ○●◎●○




 翌日。

 

「おーっ! スゴいお! でっかいおっ! こんなに大きなお店屋さんなんて初めて見たおぉぉぉっっ!」


 なんぞと、瞳をキラキラさせて素直に驚いているアリンを含めた私達は、近所に出来た百貨店へとやって来た。


 組合の雑居ビルの時は『小さいお~』とか言ってたけど、百貨店は大きいと驚いてた模様だ。


 ……まぁ、建物の高さ的には一緒でも、横に広いからな。

 しかも、商業用であるだけに豪奢で派手な佇まいと言うか、見た目的にもインパクトのある建物だったりもする。


 私的に言うのなら、デパートと言うよりも豪華なホテルみたいな感じだった。

 庶民気質のある私からすると……むしろ、絢爛さの度合いが強すぎて入りにくい感じだったりもする。


「うわぁ……素敵過ぎるよこの店! なんて言うか、愛着が湧きそうそうな雰囲気が良いよね!」


 他方、ルミは親近感を抱く感じの台詞を口にしていた。

 ……ここに、庶民と王族とのギャップがさりげなぁ~く存在していた事に気付かされた。

 くそ……私も、ナチュラルにそんな台詞を言いたいんだけどな……けど、やっぱり庶民根性が全思考のあらゆる部分にこびりついて離れないから無理。


 なんて言うか、もっと地味な方が落ち着くと思う。


 これだけゴージャスな店構えだとさ? 絶対に思うんだよ、


「な、なんかスゴく立派な所だね……え、えぇと……やっぱり高い物しか売ってないのかな?」


 こんな感じの事を、さ?

 ちなみに、こう答えたのは私と同列に存在する庶民派のフラウだ。


 存外身近な所に同志がいたな? 何と言うかフラウに妙な親近感を受けてしまったぞ。

 そもそも、フラウとは色々と気が合うと言うか類似点の様な物がある気もするなぁ?……胸以外は大体似てるんじゃないのか?


「キラキラしてるお! 綺麗なんだお! きっと、美味しいのも一杯あって、それもキラキラしてるんだお!」


 いや、流石に食べ物までキラキラしているのはどうだろう?

 私的には思わず苦笑してしまう部分もあるのだが、子供の創造力は豊かだから、きっと私の予想もしない様なゴージャスな食べ物を想像しているに違いない。


 ……いや、そんな高いのはか~たまの貧弱な財布では耐える事が出来ないぞ?

 おまけに、アリンは信じられない勢いで食べ物を口に入れて行くし。


「じゃあ、どこから行く? 一応ね? フロア案内のパンフレットみたいなのをあらかじめ貰っていたりはするんだけどさ?」

 

 少しばかり私の中で自前の経済危機を危惧していた所で、フラウがポケットから百貨店のフロア一覧が書かれている紙を私の前に広げてみせた。

 

 フロア案内の一覧を見る限りでは……ふむ、一般的なデパートって感じの内容だったな。


 一覧を見る限り、地下一階から八階までが小売り関連の売り場になっている模様だ。

 少し目が行ったのは五階だろうか? 一つの階層が丸々書店になっているな? これは何気に私としては興味を引く内容だ。


 しかし、私としては注意すべき階層がある。


 地下一階の食品売り場と、四階のオモチャ売り場だっ!


 ハッキリ言って、この二つの階層は危険だ!

 主に私の財布が悲鳴を上げてしまう、デンジャラスな階層だ!

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