表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第五編・編末オマケ短編
634/1397

リダ会長、冒険者見習いになる【29】

 余りに丁寧な態度を無駄に作ってくれるシャムジ先生の態度に、自分の素性がバレないかで少しヒヤヒヤした物だが……まぁ、バレる様子はなかった。


 受付のお姉さんが鈍感な人で本当に良かった。


 こうして、私とアリンの冒険者実習は終わりを遂げて行くのだった。




 さて、最後に少しだけ後日談を付け加えて置こう。


 身体測定の段階で極めて能力が高い研修生と判断され、特別枠としてレベルの高いクエストを受注していたフラウ・ルミ・ルゥの三人は……以後、三日ばかり学園に顔を出す事がなかった。


 後から知った話なのだが、どうやら受注していたワイバーンの個体レベルが下位クラスではなく上位相当の能力を持つ極めて強力なモンスターであった為、目的となる撃退にかなりの時間を必要とした模様だ。


 ……まぁ、ここらは組合の手違いもあったんだろう。

 ワイバーンの個体差は外見からは予測する事が不可能に近いからな?

 大方、このワイバーンが行った被害状況から予測して、個体能力はそこまで高くないモンスターであると考えたのだろう。


 ……とは言え、こう言った物も、冒険者にとっては一つの醍醐味でもある。

 組合で調査した結果と実際の結果に差異が生まれる事は決して珍しい事じゃないしな?

 こう言った思わぬ手違いに上手く対応する事が出来るか? 出来ないかは、冒険者にとって腕の見せ所でもある。


 つまり、私的に言うのなら、フラウ達は冒険者としてとても貴重な体験をしたと言う事にもなるな。


 ただ、個体レベル上位のワイバーンは死ぬ程キツかったらしく?


『私……しばらく、飛竜を見たくないかも』


 ……なんぞと、根性なしな台詞を言うルミや、


『もし、私の半生を描く書物を書く時が来たら……ワイバーンと言う生物が如何に恐ろしいモンスターであるかを如実に書き記す事が出来る自信があります!』


 そんな自信があっても、あなたの生活になんの役に立つの? と言いたくなってしまう様な台詞を誇らしく語るルゥがいた。


 ただ、ルゥに至ってはこの実習をしてから以降、他のクラスメートとも単独で会話する事が出来るメンタルを手にした模様なので、一応は私生活に役立っていたのかも知れない。


 ……うむ、何があったのか知らないけど、ルゥは一つ成長したみたいだな。

 これまでのルゥは、ルミが居ないと隣の席に座っている生徒にすらまともに話をする事も出来なかったからな?

 それが、今では周囲のクラスメートとしっかりと会話する事が出来ている。

 そう考えるのなら、ルゥにとっても良い実習になったと述べて良いだろう。


 最後にフラウなのだが、


『上位魔導師でもある私に掛かれば、例え上位ワイバーンであったとしても圧倒的な魔力でけちょんけちょんにしてやれたんだけど、今回はちょっと苦戦しちゃったかな? けど、次はもっと華麗に格好良く、ちゃちゃ~っと倒してやるんだから!……でも、残念? 私は学生だし? 今すぐは無理かな? そうだね?……来年? いや、二年後くらいには再挑戦してやろうかな!』


 大見得を切っている様で、実際には弱気な発言を高飛車に言い放っては、ない胸を張っていた。

 つまり、相変わらずだ。


 まぁ、これがフラウのアイデンティティーでもあるからな?

 こう言うのが無くなったら、もうフラウではなくなってしまう。

 ない胸を張って威張る所までが、フラウの標準装備と述べて良いだろう。


 そして、私は三人から『どうしてアンタは違うクエを受けてんの? バカなのっ!?』って感じの非難を思いきり受けていたけど、聞かなかった事にして置いた。


 ハッキリ言うのなら、私が何を受けようと個人の自由だったからだ。

 そもそも、私は特別枠の中には入っていなかったのだから、最初からお前らのクエストを一緒に受ける権利すらなかったんだよ。


 私としても、仕方ない事だと思ったんだ!

 フラウやルミ、ルゥの三人が別のクエストを受注していたのを知った時、これでアリンとだけ一緒にクエストを受ける事が出来ると喜んでなんていないぞ? 残念だと思う気持ちもあったんだぞ?


 ……ちょっとだけ!


 …………。


 閑話休題それはさておき


 こんな感じで、それぞれの研修が終わりを迎えていた。


 個人差は色々あるかも知れないが、この経験が今後の自分達に多少でもプラスになる事がいずれ訪れる事だろう。


 そう考えれば、クエストクリアに三日も掛けてしまい、学校も欠席扱いになってしまった実習も……いずれ笑い話へと昇華されるに違いない。


 良くも悪くも、良い経験。

 きっと、そう思える日が来る……そんな気がするぞ?


 特にアリンには、そうあってくれたら嬉しいかな? 親としてさ?


 ああ、そう言えば、あの時に母と一緒にオーク退治を受けたっけなー?……なんて、過去を振り返る時が来てくれたのなら、私はこれ以上の幸せはない。


 そして、過去を振り返っている時のアリンは、立派な冒険者になっていてくれたら……もう、私は何も言う事はないな!


 いつか、そんな日が来る事を願って。


 私は、今日も元気にアリンの成長する姿を見守りながらも、元気に一日を過ごして行くのだった。






   編末オマケ短編-了-



 これにて編末オマケ短編は終了となります。

 やっぱり少し長いと言いますか……短編ではない量になってしまいました。

 毎度少しは短編らしく、もう少し短くしようと考えてはいるんですけどね……気付くと長くなってしまいます。悪い癖ですね。


 次回からは新編に変わります。

 次のお話は、主にイリがメインとなる三位一体の小説となるので、リダはちょっとばかり脇役チックな立ち位置になってしまうのですが、ここはリダ本編なので、このお話ではしっかりとリダが主人公と言う形で書いて行く予定なので、気長に目を通して頂けると幸いです。


 評価・感想はいつでもお待ちしております。


 最近、最高評価を取り消されて大きく評価が下がり……ああ、こう言う方法で書き手のモチベーションを奪う方法があるのかぁ……やるな! 小説家になろうさん! とか、新しい世界を見つける事が出来ました。

 正直、ここで小説を書いてて励まされた記憶が皆無に等しいと言う寂しい物書きではありますが……その、良かったら励ましのコメント待ってます。

 喜んで返事しますんで……あ、返事要らない人は最後の文に『返事は要りません』と書いてくださいね? もれなく私がへこみます。


 それでは、良かったら次のお話も見て頂けたら幸いです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ