会長、勇者の導きにより合コンに参加する【7】
衝動的に、瞬殺しそうになりはしたが、今回はモンスターではない。
例え相手が悪党の類いでも人間だろう。
故に、うっかり超炎熱爆破魔法やりそうな所を、初級魔法の爆破魔法に切り替えて放つ。
......ふん!
この程度で済んで良かったと思え!
爆発したショタ君は、そのまま数メートルは吹き飛んで気絶する。
本当、顔だけ見ると可愛い子なんだけどねぇ......。
男はやっぱり顔ではないのかねぇ。
溜め息混じりにそんな事を考えつつ、私は気絶したショタを、
バシバシッ!
......と、少し荒めに平手打ちで叩き起こす。
間もなく意識が回復した所で、今回のオチを発表して貰う事にした。
「さて、ショタ君。君達は何者なのかな?」
「......まだ分からないのかい? はは、良いご身分だね!」
ドスッ!
腹を殴ってやった。
「誰が悪態を吐けと言った。御託しか並べられないのなら、今度はあの世に旅立つか?」
「くっ!」
ショタ君は、未だ互いの実力差が分かってないらしく、私に襲い掛かろうとして見せた。
全く......さっきので分からないのか?
速攻で立ち上がり、ナイフを手にすると、私目掛けて突き刺そうとして見せた。
当然の様に軽く避け、
ゴンッ!
軽くショタの顔面にカウンターを入れてやった。
「ぶぼぁわっ!」
顔面カウンターを受けたショタ君は、鼻血を出しながらなぎ倒される様に後頭部を床にぶつけて倒れた。
「まだ分からないのかい? アンタと私とでは、格が違う。殺す気ならとっくに死んでるんだよ、アンタは」
いい加減頭に来ていた私。
もうね、なんかね......毎回、こんなのばっかでね......ちょっとうんざりしてた訳だよ!
「あわわわ......」
ようやく、自分の立場に気付いたショタ君は、顔面を蒼白にして身体をガタガタ震わせていた。
ああ、なんだろう。
本気で怯える顔も可愛いのが、なんかもう、どうしよう。
あたしゃ、ちょっと違う世界に目覚めそうで怖い。
「そろそろ、言う気になった? アンタ達は何者だい?」
「そ、そのぅ......実は性奴隷の人身売買を......」
ああ、なるほど。
そう言う事ね。
つまり、こいつらは近くにある有名貴族の学生ではなく、ただの野盗って訳だ。
しかも、女子を上手く騙し、今回の合コンの様に連れて来ては......拉致って奴隷商人に売り飛ばす事を生業としてる下衆野郎の集団って事になる。
これで納得が行ったよ。
どうして、今回の合コン相手がこんなにもイケメン揃いであったのか?
一人、謎のモンスターがいるのだけが、地味に謎ではあるんだけど、もしかしたら、この組織の頭目とかそう言うのかも知れない。
まぁ、本当の所は知らないけど。
ともかく、だ。
あのキモオタがなんであれ、こいつらが女の子を拉致って奴隷商人に売ってる悪党だって事だけは分かった。
「そうか、分かった。つまりお前らは、私にここで殺されても文句は言えない輩って事だな」
「す、すすすすっすいません! そ、その! こんな事を言う立場ではない事は分かってますが、命だけはっ!」
ショタがとうとう、自分の置かれた立場って言う物に気付いて土下座して来た。
ああ、どうしよう。
スゴくゾクゾクして来るっ!
本当に、危険な世界に旅立ってしまいそうな気持ちが、私の精神から湯水の様に溢れ出て来る。
い、いや待てっ!
こんな所でのうのうとSの衝撃に目覚めてどうするんだアタシ!
今は、他のメンバーが危ない!
ま、フラウは大丈夫だろうけど。
相手はあのキモオタだし、何か間違いが起きるとか宝くじが当たる確率より低いだろう。
それに、天然のルミ姫なら、いかなイケメンであっても靡くとは思えないなぁ。
......あれ?
もしかして......大丈夫なんじゃ?
ユニクスはユニクスで、クラスメートと普通に会話しているだけだった。
この裏側には、合コン相手が奴隷商人に売り飛ばす野盗だと言う真実を最初から知っていたから。
つまるに、騙されるも何もない。
囮役を引き受けただけに過ぎないのだろう。
そう考えると、トモヨさんとやらも一癖ある人間である可能性も?
まぁ、ここは分からないんだがな。
どっちにしても、周囲に危険が全く無い訳ではなかった。
ともかく下の連中を何とかしないとな。
土下座してるショタは......うーむ。
まぁ、その私好みのショタ顔に免じて、私は許してやろう。
私は......な?
その後の衛兵に捕まった後までは責任持てないが、
「ともかく、寝とけ。後は私一人でやる」
言うなり、私はショタ君に睡眠魔法を発動させる。
同時に四つん這いになっていたショタ君は、そのまま微睡みの世界に入って行った。
これで、しばらくショタ君はこのままだろう。
......よし。
「私らを奴隷商人に売り飛ばそうとした罰、しっかり受けて貰うからな」
私は激しい憤りを顔に浮かべながら、独りごちたのだった。




