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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第五編・編末オマケ短編
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リダ会長、冒険者見習いになる【5】

 以後は、冒険者の証とも言える冒険者カードがすぐに発行されて、本人へと手渡される事になるのだが、この冒険者カードが持ち主の測定をリアルタイムで行い、その人物の能力をより詳しく、正確に測定されて行く仕組みになっている。


 つまるに、一番最初の測定って言うのは、飽くまでも一番最初のクエストを開始する上で、ちゃんとクエストを安全にクリアする事が出来るかどうかの確認みたいな物でもある。

 だから、身体測定と言っても軽い物しかやらないし、最初のクエストなんて大体の人間がお使い程度の超簡単な物しからやらないから、念の為にやっているだけの測定とも言える。


 けど、これをないがしろにしたせいで、最初のクエストでゴブリンに喰われたり、冒険者の感覚で言えばやられる方がおかしなモンスターを相手にしても殺されてしまった……なんて案件もあるので、面倒臭がらずにやる必要はあるのだ。


 冒険者は命をベットにした仕事なのだから、石橋を叩いて渡る程度の慎重さを持ってるぐらいで丁度良い。

 RPGのゲームとは違い、死ねばそこで終わってしまうのだから。


 ……と、なんだか話が妙に講釈臭くなってしまったな。

  

 話を戻そうか。


 先程も述べた通り、測定は実にシンプルな物。


 主に基礎的な物ばかりを測定し……その測定値を元に、最初のクエストが組合から推奨される。


 まぁ、よっぽど高くない限り、どんな冒険者も最初は野草を取って来い!……とか、そんなのしか推奨されないんだけどな?


「か~たま? 順番が来たお~?」

 

 測定する研修生の列に並び、待つ事数分で自分達の番がやって来る。

 

「そうだな。それじゃあやって見ようか」


「やるお~! でも、やり方が良くわかんないお~?」


「そこは、係員の人に聞きながらやって見ようか?」


「お? か~たまは教えてくれないお? ケチんぼなんだお?」


 違うからねっ!


「か~たまに教えて貰うのも良いけど、ここは研修生として来てるんだから、か~たまじゃなくて係員の人にアリンが聞いて見るのが良いと思うんだよ」


 三歳児のアリンにとって、色々な人から話を聞くと言う行動も、れっきとした社会勉強だ。

 こう言った部分も含めて、今回の研修に来ている側面もあるからな。

 きっと、いつもの面々がいたら、私が単純に意地悪でやっていると勘違いして、全員で私の嫌味とか言い出すに決まってる。

 よって、今回はアリンと私だけなのだ。


 そこはともかく。


「か~たまが知ってるなら、か~たまが教えてくれれば良いと思うお……やっぱり、ちょっとケチなんだお~」


 グチグチと文句を漏らしつつも、アリンは係員の元へと向かう。

 本来なら、私も近くまで連れ添う形を取りたい所ではあるんだが……さっきも述べた通り、これはアリンの社会勉強を主目的としている。

 よって、なるべく一人でやらせたい親心もあるのだ。


 はてさて。


 今回、アリンが測定するのは魔力だ。


 この測定器は、いつぞやの特待生が測定したヤツと同じ原理の測定器で…………ん? ま、まてっ!?


「ま、待った! アリン! そ、その測定器でアリンの魔力なんか計ったら……」


 ドォォォォォンッッッ!


 私が叫んで間もなく、測定器が爆発した。

 もう、笑ってしまうぐらい、盛大に大爆発した。


「…………」


 私は無言になる。


 ……ふ。

 バカだ私!


「ああああああっ! リダじゃないっ!? 研修には参加しないとか言ってたのに、やっぱり来てたんじゃないのっっ!?」


 直後、某・胸のない上位魔導師アークウィザードが、眉を思いきり釣り上げてから喚き声を上げる。


 …………ああ、そうなるよね~?

 こんだけ、派手に爆発しちゃ……ねぇ~?


「ああ、やっぱりリダも来てた~! あはは! 分かってたよ~? 信じてたよ~? リダなら、絶対に嘘を吐いて、この研修に参加するって!」

 

 程なくして、某・天然ボケ姫様の声がやって来た。

 信用しているとかのたまっていたけど、私の嘘を信じない時点で信用していない気がする。


 果たして。


「結局、こうなるんだよな……」


 私は、フラウやルミ……そしてルゥに見付かり、全員で研修をして行く事になって行くのだった。


 そんな中、


「ケホケホ……お、お姉さんっ! この測定器、おかしいおおぉぉぉぉっ! か~たまの魔法みたいに爆発したおぉぉぉっっ!」


 一人、手をかざしただけで爆発してしまった事で、猛烈な理不尽を抱く、怒りの三歳児が係員に向かって怒鳴り声を放った。


「え、えぇと……その……ごめんなさいね! わ、私も……その、こんなの初めてだったからっ!」


 係員のお姉さんは、オロオロしながらアリンに謝っていた。

 そりゃそうだろう。


 普通の人間は、測定器が爆発する様な魔力なんて、持ち合わせていないのだから。 

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