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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第五編・編末オマケ短編
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リダ会長、冒険者見習いになる【2】

「お~! ここが、ぼーけんしゃきょーかいなんだお~? ちっちゃい建物なんだお~」


 これこれアリンちゃんや、軽くディスるのは止めなさい。


 今回、私とアリンの二人が向かった先は、協会傘下にある冒険者の組合ギルドでもある。

 ここらに関しては少し複雑な内容になってしまうので、シンプルに内容を説明すると……各職業組合とは別に、冒険者協会に加入している冒険者のギルドも存在している。


 こちらは、他の組合と同じ扱いではあるのだが……協会直営の傘下でもあるので、他の職業組合と比較すると協会からの優遇処置をされている面もあり、ほんの少しばかり立場も強い側面もあるので……まぁ、言い方としては正しくはないのだが、職業組合の上位組織みたいな所でもある。


 要は冒険者協会の完全な下位互換の組織で、名前が違うだけの直営店みたいな場所だ。

 冒険者協会も、組合も、そこまでの違いはないと言う訳だな?


 何はともあれ。


「トウキは地価が高いからな……そこまで大きな建物を建てる事が出来ないって言うか……これでも頑張った方だと、私は思うぞ」


 私はギルドのフォローをする形で、アリンへと口を開いた。


 直下の直営組織と言っても、下位の組織である組合だけに……その予算は協会から比較するとかなり少ない。

 しかも、今回私とアリンが向かったのは、その組合でも支部に値する場所だ。

 当然、支部にそこまでの予算が回って来る事はない訳で……。


 そう考えれば、十分に立派な建物な気がして来た。


 アリンは小さいと言っていたが……冒険者組合の名誉の為に述べると、十階建てビル相当の大きさがある建物だ。

 もっとも、持ちビルと言う訳ではなくテナントと言う形で入っているんだろうが。

 

 …………。


 い、いや……私まで組合をディスるつもりはないぞ? やっぱりトウキは地価が高いし、これでも十二分に頑張っている方だと思う。


 さっきも言ったが、建物は十階程度のビルだ。

 私が子供時代にはなかった高層建築ではあったのだが、昨今は様々な技術の進歩によって、十階を越える高層建築物もかなり増えて来た。


 その内、私が昔生きて来た世界の様に、五十階建てビルの様な超高層ビルの様な物が、ここトウキにもお目見えする事になるのかも知れないが、それはまだ先の話しになりそうだな。


 ……そこはさて置き。


 組合が借りているのは、ビルの一階から五階までの模様で……冒険者組合の入り口は、そのままビルの玄関口にあった。


 ふぅむ。

 玄関口がそのまま入り口であるのは助かるな。

 初めて来た場所だから、分かりやすい場所にあってくれた方が助かると言う物だ。


「よし、アリン。取り敢えず行ってみようか?」


「お? お~! 美味しいのがあるといいおね~?」


 今日は、そう言うのが目的じゃないから!


 アリンはしれっと、予想の斜め上にある期待を込めて口を動かしていた。

 全く……アリンの食い意地には困ったものだ。


 ビルの一階にある、冒険者組合の出入り口に入って間もなく、多数の学生らしき存在がワラワラとたむろしていた事に、少しばかり面食らい……そして納得した。


 ああ、そう言えば……今日だけでも結構な数の研修生が、この組合にやって来るんだったな?


「お? か~たま? 人が一杯いるお~? 狭い建物なのに、人が一杯いるお~? やっぱり大きくしたほーが良いお~?」


 これこれ、アリンちゃんや。

 ナチュラルに組合の建物をディスるのは止めなさい。


「今日は特別なのさ。普段はこんなに人が集まる事はないから、大丈夫なんだよ」


「ふぅ~ん? じゃ、いつもは人が少ないから、狭くても良いんだね~?」


 これこれ、アリンちゃんや……。


 もう、次から次へと組合の建物の狭さを言葉に絡めてくる愛娘。

 組合の名誉の為に二度言うが、決してそこまで小さい建物ではない。

 坪的に言うと三百坪程度はあるんじゃないだろうか?

 

 今いるフロアだって、人でごった返しているから狭く感じているだけであって、実際には五十坪はあると思う。


 フロントの広さだけで五十坪もあれば、十分なスペースと言えるだろう。


 ただ、思ったよりも参加者が多いな……。

 軽く見回す限り、フロントに居る連中の大多数が、我が学園の生徒であり、冒険者としての研修をしにやって来た研修生であると思えた。

 

 ほとんどの面々が私服だったので、本当の所はどうなのか知らないが……その格好が、これから冒険をしに行くと言うよりもハイキングや軽い登山にでも行くかの様な超軽装だったので、私の予測は間違っていないだろう。


 つか、モンスターが出る場所に行くんだから、せめて護身に武器ぐらいは装備しとけよ……全員が素手で戦う集団なのか? おまえらは?

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