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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第五編・最終章
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助け合える明日へ【19】

 私の報復を恐れた、一部の卵マニアを抜かせば全員が正門で待っていた。


 良く見ればカワ子のヤツまでいるな?

 つか、族長精霊までいるぞ……人間不信だってのに、良くここに来れたな……。


 特徴的と言うか、少し印象に残ったのは互いに等身大であった事だろうか?

 多分、能力的に強くなっている状態をカワ子も族長精霊も維持している為、今の体格を維持する事を可能にしていたのだろうが、特にそのサイズでいる必要もないんじゃ……?


 ともすれば、周囲のサイズが大きいので、その大きさに合わせていたのかも知れないが。


 ……と、私がカワ子や族長精霊の大きさの事を考えていた頃、ルミとルゥの二人が魔導師組合の偉い人に対してお礼を言っていた。


「センター長。この度は素晴らしい宿泊機関を利用させて頂き、ありがとうございました。機会があれば、また遊びに来ようと思います」


 答えたルミは、ペコリと頭を下げていた。

 そして、ここの偉い人はセンター長と言う事を初めて知った。


 そ、そうか……センター長だったのか。

 そして、ここはなんとかセンター……って名前だったんだなぁ……う~ん。

 初めて知った。


 普通は、遅くてもこの宿舎に着いた時に覚える物かも知れないけど……ま、まぁ、ほら! もう帰るし! 取り敢えずよしとして置こう!


 ルミが賛辞を兼ねた謝意をセンター長だかの人に伝えると、間もなくルゥも頭を下げてお礼を言う。


 二人の姫にお礼の言葉を貰っていたセンター長は、誰から見ても分かるレベルのホクホク顔になっていた。

 まぁ、ここは仕方ない。

 魔導大国ニイガの姫が、こぞってここをめて来たのだ。

 きっと、これ以上のほまれはなかったのだろう。


 もしかしたら、今後の自分の出世に大きく関わるかも知れない!……なんて事まで考えていた様な顔をしていた。


 まぁ、出世出来るかどうかは知らないけど、喜んでいるみたいだから良しとする。


 視点を変えると……フラウが、ルインやメイスの二人と別れを惜しむかの様に会話をしていた。


「わざわざ待っててくれたの? 先に帰ってても良かったのに……ありがとうね」


 少しはにかむ仕草を見せて答えたフラウに、ルインとメイスの二人は穏やかな微笑みを向けなから声を返した。


「フラウやリダさんとは色々あったし……同じ日に上位魔導師になった同期でもあるからね? やっぱりこれからも仲良くして行きたいじゃない?」

  

 微笑みそのままにルインが答えると、


「そうだよ、フラウちゃん! 俺の場合は魔導騎士を目指してる訳だけど……この縁はきっと俺にとっても有意義な物だと思うし、その逆もあると信じてる。困った事があったら言ってくれよ? 俺やルインはフラウちゃんの味方でありたい……って、本気で思ってるんだからさ!」


 メイスもルインの言葉に深く同調し、グッジョブして見せた。


「うん……ありがとう」


 フラウはコクンと素直に相づちを打つ。


 どうやら、前回の最終試験で色々と打ち解け合う事が出来た模様だ。

 三人の中に確かな友情が芽生えているのが良く分かるシーンでもある。


 こうやって、友好の和と言う物は広がって行くのだろう。

 

 他方、視点を更に変えると……山神様とセツナさんが、アリンへと何かを手渡しているのが分かった。


 ……あれは、魔導師組合の販売ブースで売ってる饅頭か?

 てか、山神様って、人間の通貨を持ってたんだな。


 もしかしたら、山の幸を売って通貨に変更したか、魔導師組合に言って物々交換をしたのかも知れないが……その真意はともかく。


「おっ!? おおおおおおっっ! こ、これ、あの、美味しいヤツだおね! 貰っても良いおっ!?」


 アリンは、テンションを最高潮にして瞳をキラキラと輝かせる。


 色気より食い気の三歳児。

 ……冷静に考えたら、三歳で色気付いている方がおかしいのかも知れない。

 だけど、食い意地が張り過ぎている気がするのは、私だけであろうか?


「ええ、もちろん! 皆さんで食べて頂ける様に、箱で取り寄せました。喜んで頂けたら嬉しいですね」


 答えたのは、貴婦人の様な格好をしている山神様。


 後で分かったと言うか……ああ、そう言う事かと納得した事でもあるのだが、現在の山神様が見せている姿は、魔狼とは別の身体……つまり、もしもの時を想定したスペアの身体らしい。


 フラウ達が社を防衛する為に残っていたのは知ってると思うが、その時に守った山神様の半身が、今の山神様と言う事になる。


 姿を変えているのかと思ったけど、実はそもそも違う身体だった事には少し驚きだ。


 話を戻そう。


 山神様と、その隣に立っていたセツナさんの二人は、ハイテンションで喜んでいるアリンの姿を見て、満足そうに笑みを作っていた。

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