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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第五編・最終章
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助け合える明日へ【18】

 意味不明な事をしれっと言うユニクスがいた頃、


「ふははははっ! これが真実と言う物だユニクス! 貴様はリダ様に嫌われているのだ! そして、リダ様の忠臣は……このバアル様を他に置いて考えられぬと言う事だっ!」


 高飛車な笑い声を甲高く上げたバアルが、物凄い居丈高にふんぞり反っては勝ち誇った台詞を言い放っていた。


 右手でびしぃっ! とユニクスを指差し、左手には私っぽい人形を握っていた。


「悪いが、私は人形マニアを忠臣にした記憶はないな?」


「な、なんとぉぉぉぉっ!?」


 苦い顔で答えた私の言葉に、バアルは物凄いオーバーリアクションで嘆いていた。

 ……コイツの寸劇は、どうしてここまで大仰な物になるんだろうか?


 何とも素朴な疑問を思考の片隅辺りで曖昧に考えていた頃、


「はははははっっっ! ざまぁないな? バアルッ! 貴様は所詮、ハエの王に過ぎん! 気高くも美しい……崇高美の集大成とも呼べるリダ様の右腕を名乗るなど、百年早い!……いや、百億光年早い! 遠い銀河の果てから出直して来るんだなっ!?」


 お前、何言ってるの? 的な台詞を悠然とほざくユニクスがいた。

 言葉の流れとしても意味不明な事を、臆面もなくほざくユニクス。

 つまり、いつものユニクスだ。


 当然ながら、ここで出て来る私の言葉も、やっぱりいつも通りと言う。


「もちろん、レズも嫌だぞ?」


「んなっ!? そこは同調しましょうよぉぉぉぉっ!」


 ユニクスは、瞳から大量の涙を流して、必死に言い寄って来た。

 そこから再びバアルが台頭して来る。

 

「ふははははっ! 馬鹿めっ! 貴様ごとき下級悪魔が、リダ様と肩を並べるなど……」


 ドォォォォォォォンッッ!


「ばぶろばぁぁぁっ!」


 面倒だから爆破した。


「はぐぉわぁぁぁっ!」


 ついでにユニクスも爆破して置いた。


 きっと、バアルだけ爆破すると、確実にユニクスがおかしな勘違いをして来るからな。

 こう言うのは一蓮托生と、相場では決まっているのだ。


「お~? か~たま? ユニクスは良いけど、バアル学園長も爆破したら、ど~やって帰るお?」


 はうわっ! しまった!


 爆破されて、真っ黒焦げのまま倒れた二人を見て、アリンが近くの小枝を拾い始めながらも私に尋ねて来た。


 どうでも良いけど、いい加減小枝で突つくのはやめなさい。

 トウキの街中に戻ったら、小枝なんて落ちてないのだから。


 果たして、そう言う問題なのか? と、妙なツッコミが入りそうな中、私はバアルにだけ治療魔法を発動させた。

  

 同時にバアルが完全復活を遂げる。


「おおおおっ! リダ様が自分に……自分に、治療をををっ! こ、これはもはや、私を忠臣であると認めてくれた事に他ならない……あ、すいません、図に乗りました。ええ、もちろんジョークですよ、ジョーク! だから、その右手だけは……右手だけは向けないで下さいぃぃぃっ!」


 そして案の定、調子の良い事をほざいて来たので、再び右手をロックオンしてやった。

 本当に……コイツは。


「お~? か~たま? ユニクスもダメっぽいお~?」


 そこでアリンが、ユニクスを小枝で突つきながら言う。

 

「そっちは、アリンに任せる」


「お?……まぁ、良いけど」


 面倒だったので、そうとだけ口にするとアリンは治療魔法を発動させようとするが、


「ま……まて……はぁはぁ……」


 ユニクスが、アリンを必死で止めた。

 肩で息を吸うまでに苦しい状態だと言うのに、どうしてユニクスはアリンの回復魔法を拒んだのか?

 

 そこには、大きな理由が隠されて……


「私は……はぁはぁ……バアルと同じく、リダ様に……はぁはぁ……リダ様に癒されたいのだっ!」


 ……なかった。


「アリン。どうやらユニクスのヤツは、このまま自然治癒を望んでいる見たいだ。ここは本人の意思を尊重してやれ」

 

「お? 分かったお~」


「ちょっ!……ち、違いますって! バアルはリダ様に治療されているのに、私だけアリンって、おかしいじゃないですかっ!? 確実に理不尽ですよねっ!? もう、こうなったらリダ様が私に回復魔法を使わない限り、この場を離れま……ああああっ! ちょっと! みんな、何処に行くんですかっ!? 私を置いて行くとっ!? ま、待ちなさい! 話は終わってませんからぁぁぁっ!」


 その後、ユニクスはわんわん泣きながら、私達の後について来た。

 いつの間にか、爆破のダメージも回復していた。

 相変わらずタフなヤツである。


 魔導師組合の出入り口になるだろう正面の門へと向かうと、そこには沢山の面々が私達の見送りしようと待っていてくれた。


 しかし、卵マニアの姿はなかった……チッ!

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