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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第五編・最終章
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助け合える明日へ【17】




       ○◎●◎○




 この物語を、長く読んでくれた有り難い方であるのなら、もうご存じかも知れないが、各編末にはエピローグが存在しない。

 

 これは、物語が本当の意味で終わる訳ではない為、敢えてエピローグを書かないと言う形を取っているのだが……まぁ、下らないこだわり程度に考えてくれたのなら幸いだ。


 よって、毎回の事ではあるのだが……エピローグの代わりになる文節を使用している。

 

 つまり、何が言いたいのかと言うのなら……ここが、まさにそのエピローグ的な部分であると言いたい訳だ。


 妙に説明チックになって来た所で、話を本文に戻そうか。





 授与式も終わり、上位魔導師・フラウが誕生した事で祝賀ムードと一色となった。

 ……その夜は人間と精霊と魔狼と……ついでに大猪まで混ざる、大パーティーが開催されたが……いやまぁ、なんと言うかカオスだったよ。


 そもそも、大猪のクサイまで乱入して来るとは思ってもいなかったし、その仲間までやって来た物だから、私は目を白黒させた物だ。


 しかし、魔狼が良くて大猪がダメって話はないし……こんな所で、変な確執を残したいとも思わなかった私は、魔導師組合の面々に無理を言う形でお願いする。


 すると、魔導師組合の面々は、私の予想以上に良い返事を即座に出して来た。


 ……何故か?


 実を言うと、大猪達は群れを作って魔導師組合の敷地を守ったらしい。


 簡素に言うと、社を守ったフラウ達と同じ要領で、クサイ達が魔導師組合の宿舎を防衛する為に一役買ったのだ。


 魔導師組合の宿舎には、ルミ姫とルゥ姫の二大VIPが宿泊していた。

 ……そうなれば、魔導師組合とて魔狼の危機に対し、総力を結集する訳にも行かない。

 

 そこで、魔導師組合を全力で守る大猪達の活躍が大きな脚光を浴びた。


 結果的に、魔導師組合は大猪達を信じ……そして、大猪も魔導師組合の面々に応えた為、最後は魔狼達の救助と治療に専念する事が可能になったのだ。


 こう言った、見えない裏方の部分でクサイ達は活躍していたのである。

 

 そして、この功績あってのパーティー出席でもあった。


 結果、風変わりも風変わりな……異色を通り越して異端なパーティーへと変化して行くのだが、それはそれで大盛り上がりを見せ……終わってみれば、猪と人間との友好をも築く結果となってしまうのだった。


 まぁ、結果オーライと言う事で。


 そんな、異色でカオスでド派手な祝賀パーティーから一夜明け。


「今回も色々あった気がするよ……全く」


 地味に疲れた顔をしつつ、ぼやき文句もそこそこの状態で魔導師組合の出入り口に当たる正門へと向かう私がいた。


 周囲には、試験と言う名の旅行を楽しんだ面々が、帰り支度を済ませて私と一緒に歩いていた。


「楽しかったお~! 美味しいのも一杯食べれたお! また来たいお~っ!」


 私の隣を歩くアリンは、花丸笑顔で私へと答える。

 これには、私も不意に顔をほころばせた。


 そこから、アリンの頭をやんわりと撫でて、


「そうか~。良かったなぁ~? まぁ、か~たまもここにはまた来たいと思ってるぞ~? 色々と『お礼』をしたい相手もいるからなぁ~?」


 穏和に語る私。


 ……そう。

 今にして思えば、私にはお礼参りをしなければならない相手がいた!


 誰かって?

 そんなの決まっている!

 あのふざけたコンビ名を命名しやがった卵マニアの試験官だ!


 今、このタイミングで……あの卵マニアを爆破してやろうと、試験中は何回考えていたか分からない。


 しかし、あの卵マニアとてバカではない。

 身の危険を感じてか? 祝賀パーティーの辺りで雲隠れをし……以後は全く姿を現さない!


 ……くそ……ここで爆破してやる事に勘づいたか……勘の良いヤツめぇぇぇぇっ!


 正直、忌々しい思いの丈を、胸一杯の憎悪と共に、あらんかぎり爆破へと転換させてやりたい私がいたのだが……本人が居ないのだから、こればかりは仕方ない。


 今回に限って言うのなら、諦めて帰宅してやろうと思う。

 だが……次に会った時は……絶対に爆破してやるからなっ!?


「お? か~たま? 顔がユニクスになってるお? また、悪い事を考えていたお~?」


 直後、アリンが眉をよじって私を注意して来た。

 顔がユニクスになるって言う表現で、悪巧みの顔になると言うのが、何とも的を得ていて面白い。


「誰の顔になると、悪い事を考える様になるんだ? アリン?」


 直後、近くにいたユニクスが額に怒りマークを作ってアリンへと口を開く。


 ……何だよ? そんな事も分からないのか?


「お前だお前」

 

 仕方ないから、私が答えを言ってやった。


「ちょっ……リダ様までっ!? わ、私が何をしたと言うんですかっ!?」


 刹那、ユニクスは不本意極まりないと言う顔をアリアリと作りながら、私達へと声高に叫んで来た。


 ……コイツ、本気で言っているのか?

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