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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第五編・最終章
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助け合える明日へ【6】

『ふぼぁっ!』


 鮮やかに決まった右拳の一撃で、クリーチャーは瞬時に吹き飛んで行く。


 軽く百メートルは吹き飛び、最終的に山の斜面に身体をめり込ませた事で止まったクリーチャーは、


 ボンッッッ!


 めり込んだ斜面から爆発させる様な勢いで飛び上がると、間もなく私の前へと戻って来る。


『……お前は……何者なんだ?』


 愕然とした面持ちで私に尋ねて来た。

 お前は何者……って、見れば分かる事じゃないのか?


『見ての通り、ただの人間だが? それ以外に何があるって言うんだ?』


『ふざけるなっ!? お前の様な人間がいてたまるかっ!』


『それが居るんだよ? 人間ってのはな? お前らが考えている以上に強くなる事も出来る……そう言う不思議な生き物なんだよ』


 強く感情的にがなり立てたクリーチャーに、私は逆に平静な声音で返答していた。


 そして、にこやかな笑みを作ってアリンを撫でつつ、アリンを自分の胸元から下ろした。


「か~たま……あれ、凄く怖いんだお……」


 程なくして、アリンが珍しく怯えた表情をみせていた。

 ……無理もない。

 まだまだ小さい子供なんだ。

 本当なら、守って上げないと行けない立場の子供なのだ。


 そして、自分の子供を守るのは親の義務でもある。

 もちろん、私は我が子を守るぞ!


「大丈夫、大丈夫! さっきも言ったろう? 怖いお化けは、か~たまが懲らしめてやるから。お前はみんなの所に行って、ちょっと待っててくれ」


 やんわりと微笑んで答えた私の言葉に、アリンはコクンと頷きだけ見せた後、素早く飛んで行った。


 ……よし。


 これで、アリンも無事に退避する事が出来たな。


 飛んで行くアリンの姿を見送って間もなく、私は近くにいたクリーチャーへと視線を向けた。

  

『……さて? お喋りはここまでだ。お前は一つ大きな間違いを起こした……それだけは償って貰う。他の誰が何と言おうと……これだけは許せない』


 そして、厳めしい表情を作ったまま、クリーチャーへと答えた。


『償う……だと? くくく……ふふふ、はははははっ!』


 私の言葉を耳にした直後、クリーチャーは何かのツボにでも入ったかの様に笑い始める。

 

 てか、本当……コイツのオツムは大丈夫だろうか?

 

 正直に言うと、コイツの余裕は何処からやって来ているのか?

 私にはサッパリ分からない。


 ただ、余裕をかましてくれたお陰で、アリンはしっかり逃げる事が出来たし、追い討ちを掛ける様な真似もして来なかったので、私としては大助かりだった。


 ……まぁ、飛んで行くアリンに攻撃を加える……なんて野暮な事をした日には、それがクリーチャーの最期になっていたろうが。


 その事実を知ってか知らずか?

 はたまた、別の理由でもあるのか?

 どの道、ヤツは全く動じる事なく私の前で高笑いをみせていた。


『人間と言うのは、本当に愚かだ……まさか、今の俺様が持つ力が、これだけで終わると本気で思っているのか?』


 侮蔑にも近い声音と態度で、そうと答えるクリーチャーがいた時……ヤツのエナジーが……身体が革命を起こしたかの様に変化を起こした。


 これは……なんか……エグいな。


 別に変化に伴うエナジーの強さがエグいと言ってる訳ではない。

 身体その物を変革させた、その姿がエグい代物と言えた。


 なんてか……おぇっ!……ってなる。


 やたらグロテスクな化物に変化したと述べるべきか。

 ドロドロの溶液みたいなのを口から吐き出し、腕が六本に増えている。

 大きさも更に増幅し……五階建ての建物程度の大きさにはなっていた。


 身体のあちこちも、何故か腐食しており……ボロボロの肉塊を落としている。

 一言で言うと、キメラのゾンビバージョンみたいな状態になっていた。


『ふははははっ! みよ! この力を! この、圧倒的なパワーをっ!?』 


 完全に変化が終わったのか?

 ヤツは、有頂天になる感じで叫んでいた。


 ……はぁ。


『やれやれ……だ』


 私は胸中で嘆息し……顔で呆れてみせる。

 

 私は言った筈だ。


『何度も言わせるんじゃない……お前は、私に勝てない』


『自惚れるなぁっ! 人間ごときが! 人間ごときが、この邪神様に勝てると思うな! その傲り昂った性根を、今すぐに叩き潰してくれるわっ!』 


 己の最終形態を見ても、全く動じる事がなかったのが気に食わないのか?

 ヤツは激昂し、口からレーザーの様な物を吐き出して来た。


 ……刹那、私は補助スキルを発動させる。


 厳密に言うと、そのレベルを上昇させた。


 スーパードラゴン呼吸法ブレイズレベル4!


 そして、同時に私の右手が動き、


 超炎熱爆破魔法フレインダムド


 私の必殺魔法が発動した。

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