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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第一編・編末おまけ短編
57/1397

会長、勇者の導きにより合コンに参加する【2】

 前回、改心する形でフラウと仲良くなったユニクスがいる訳なのだが、今回はみかんVerを経て人を助けたい気持ちと命の尊さを知る事により、勇者としての天啓も受けていたりもする。


 尚、まだ天啓を受けるトコまでみかんVerが進んでないので、詳しくは述べないで置こう!


 そこはさて置いて。


 まぁ、だからしてここでは、前回まで敵だったユニクスが、いきなり勇者になっているとか言う超展開に!

 ......いや、これ大丈夫なんだろうか?


 確かラストの方で少し伏線も張っていたから、ちょっとは分かって貰えるかな。


 取り敢えず、そう言う事にして置こう。


 話を戻そうか。


 藪から棒に私の部屋にやって来たユニクスは、ちょっとだけ苦笑しながら私に言ってみせた。


「唐突ですいませんが、明日の始業式が終わってからお暇ですか?」


「へ? まぁ、特に予定はないかな」


「そうでしたか! よかった!」


 ユニクスはホッと安堵の息を吐いてから朗らかな笑みを作った。

 ......?


 何がしたいんだろう?


 どうにも了見が掴めない私がいた所でユニクスは誘いの言葉を口にする。


「実は、明日......他校の男子と合コンに行く予定になっておりまして」


 予想の斜め上を行く台詞を、しれっと言って来た。

 

「......はい?」


 ポカンとなった。

 いや、待てユニクス。


「お前なぁ......一応、勇者になったんだから、合コンとか行くんじゃないよ......」


 私は呆れ眼でユニクスに言って見せた。


「確かに私は勇者としての天啓を受け、悪魔転生からの勇者と言う新しい一歩を踏んだとは思っておりますし、その自覚もあります」


 そこまで言うと、ユニクスはカッ! と瞳を大きく見開き、そして気合いを込めて言い放った。


「ですが! それでも合コンはやめられませんっ!」


 どんだけ合コンが好きなんだよ、お前わっ!

 気合い全快で、凄い恥ずかしい事を叫んだよ......この腐れ勇者。


「リダ様? 合コンと聞くと、異性を求めて右往左往する男と女のシーソーゲーム的な感じがあるかも知れないと思われガチです」


「シーソーゲームの表現が微妙だが、言いたい事だけはわかった。大体がそれで当たっているんじゃないのか?」


「答えは否です、リダ様。合コンと言うのは視点を変えればうたげです」


「まぁ......みんなで集まるからな」


「そうです。みんなで楽しく、色々と騒いだり美味しい料理を食べたりします」


「まぁ、パーティー的な要素も強いからな」


「それら全てを、男に払わせる事も可能なパーティーなのです!」


「馬鹿なの!」


 てか、それが狙いなのかよっ!

 なんてセコい勇者なんだよ、お前はっっっ!


「まぁ、なんと言いますか、勇者の前は下級悪魔が転生した人間でしたし......私」


 なんか、最後は開き直っていた勇者ユニクス。

 本当、こんなのがどうして勇者の天啓を受けれたのだろうか?


 てか、天の神様はもう少し相手を選んだ方がよかった気もする。


「そんな訳で、リダ様。明日の予定がないのでしたら、是非私達と一緒に街へと繰り出しませんか?」


「......」


 聖者も顔負けの慈愛すら醸し出す笑みを、優美に描き出すユニクス。


 まさに勇者らしい微笑みだった。 


 果たして......その笑顔の内には、合コンにやって来るだろう男子カモに、飲食代の全額を支払わせてやろうと言う腹黒い意思も強く存在していた。


 違う意味で勇者してるユニクスに、私は思わず何も言えなくなっていた。


 でも、一つだけ引っ掛かる事がある。


 何故か、私達と言っていた。


 つまり、ユニクス以外にも合コンの参加者がいると言う事になる。


「所で、参加者の名前を聞いても良いか?」

 

「え? ええ、構いませんよ。まず私とリダ様。これに私のクラスメートのトモヨと、フラウ......それにルミ様ですね」


「馬鹿なのっ!」


 最後はダメだろっ!

 何、しれっと姫様を合コンに呼んでるの? アホ過ぎるだろ!


 だめだ......話がおかしい。

 おかし過ぎて、付いて行けない。


「大丈夫ですよリダ様。何か間違えが発生する前に、私がオイタした相手を半殺しにしますから」


 ニッコリ淑やかに、とんでもない事を言う勇者様。

 本当にやるから怖い。


「それに、心配であるのなら、リダ様も一緒に来られては良いのでは?」


「......」


 私はまたも無言になった。

 そもそも、ルミが合コンに参加する時点で......ニイガ王にバレたら只では済まないと思うし、そこらを加味した上で言っていたのだが......。


「し、仕方ない。私も行こう」


 不承不承ながら、私も頷いてみせた。

 ここらには理由がある。

 あのふざけた姫様に、この話を持ち込んだ時点で......既に終わっているからだ。


 社会勉強だとか抜かして、絶対の絶対に行こうとするからだ。

 あの好奇心と本能で全精神を形成している、じゃじゃ馬姫をなんとかして欲しいと心から思った。

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