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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
会長、大人気なく学生相手に無双する・本戦【後編】
55/1397

【10】

 なら、通過点ごときにやられている場合ではない。

 むしろ、簡単に倒せるレベルじゃなければ、話にならないんだ。


 それに、だ?

 私の加護を受け、黒髪になったユニクスは私の予想を大幅に越えた能力アップをみせていた。


 これは飽くまでも予測であり、憶測の域を出ないのだが……もしかしたら、ユニクスには勇者としての素質があったのかも知れない。

 眉唾臭い内容で申し訳ないのだが、昔の伝承でも似た様な存在がいるんだ。


 悪魔から人間に転生した勇者が、さ。


 伝承の道化師ピエロは本当に何がしたいのか分からないが、明らかにわざと矛盾した事をして来るのだ。

 あたかもそれは、世の中に絶対の二文字など存在しないぞと、言うばかりに。


 これはお話の中での事だから、本当の事かは知らない。

 けど、そのお話では、こうなっている。

 悪魔から人間へと転生したその人物は、ある事を切っ掛けに心を入れ換え、人を慈しむ心を得た。


 すると、どうだろう?

 今まで心の中に存在しなかった『勇気』と言う名の新しい力が、その人物に備わった。


 こうして『愛』を知り、人を慈しむ事を知った事で、本当の勇気を手にしたその人物は、のちに戦乱を大きく変える程の勇者になって行くのだ。


 これは、単なる英雄伝の一幕だ。


 現実にあったのかどうかも分からない。

 けど、こんなおとぎばなしにも匹敵する様な出来事が実際に起きている。

 それなら、あるいは……本当なのかも知れない。


 悪魔から転生し、人を慈しむ心を得た事で勇者に生まれ変わる。


 それが、現代のユニクスなのかも知れない。

 実質、ユニクスに私の加護が付いたと言っても、そこまで大きな変化があるわけではない。

 強いて言えば、ないよりマシ程度。


 だが、今のユニクスは明らかに加護以上の力を得ていた。

 それが、今は私のお陰と勘違いしてるだけなんだが……まぁ、良い。


 悪魔から産まれた勇者を、今は歓迎するのが先なのだろう。

 とっても心強い仲間がまた一人、私の元に集まった。

 今はそれを素直に喜ぼうと思う。




 何事もなく、一ヶ月が過ぎようとしていた。

 剣聖杯が終わり、う~う~言ってたシズも、その日の内に帰国して、以後はとりとめのない学園生活を謳歌するだけで、時が過ぎていった。


 なんとなく、ここにいる意味はあるんだろうか? と、少し思い始めていた頃に期末試験が来て、気付けば二学期が終わりを向かえようとしていた。


 転入生の私は、二学期が始まって少ししてからこの学園にやって来ていた。

 そして、気付くとその二学期が終わる。

 ……いいのか、これで?

 そうは思うが……まぁ、動きもないし、終わってしまった物は仕方ない。


 何より、学園生活をそれなりに楽しんでる私がいる。

 それなら、ま、いいか。




 終業式が終わり、それぞれの冬休みが始まる。

 亜熱帯に当たるここらの気候だと、冬と言っても然程冬らしくはならない。

 精々、少し肌寒いかな? 位だ。

 

 明日から冬休みが始まる。

 この世界の学園基準だと、各学期終了後の休みは一律一ヶ月だ。


 つまるに、明日から向こう一ヶ月の長期休暇に入る。

 さて、どうしたものかな。


 久し振りに会長としての仕事でもしようかな……とも思ったんだが、フラウとユニクスの二人に地元に来ないかと誘われた。


 冬休み中は自国であるクシマ国に戻るとの事だが、行くアテもなく暇してる様なら、旅行がてら一緒に来ない? って話だった。


 特に断る理由もなかった私は、この誘いに快く返事したのだった。


 余談だが、ルミは母国ニイガに戻るらしく、私を思いきり誘っていたのだが、三秒で『いいえ』と言った!

 ニイガ王になんか会えるか!

 これでも会長だから、流石にバレる!

 それに、ルミ姫様はまだ良いとして、他はみんな王族だぞ? そんな堅苦しいトコはマジで御免だ。


 結果、ルミとはしばらくお別れになりそうな気がした。

 まぁ、達者でな。


 そんなこんなで、私の冬休みが始まる。


 ……と、言った所で、以下次回!

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