表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
548/1397

水の精霊達の逆襲【27】

 かなりスペクタクルな光景であったが、威力も凄まじい物があった。

 咄嗟に魔導壁を張ったが、これでは不十分で……最初に起きた衝撃波に吹き飛ばされそうになる私であったのだが、素早い立ち回りで私の背後に回ったバアルが防御結界の様な物を作り出し、瞬時に私を守った。


 補助魔法は、まだ有効であったかも知れないが、補助スキルは体力温存も予て一度無効にしている。


 その分……補助スキルなしの私では、完全に防ぐ事が出来なかったのだが、


「腕を上げたな……バアル」


 私は手放しでバアルを称えた。

 人間と悪魔……この時点で、身体の構造と言うか、そう言った基本的な部分が異なっているとは言え、ヤツは基礎能力だけで、今の一撃を防いでみせたのだ。


 そもそも、即席で結界を作り出すと言う時点で凄まじい。

 私なら、なんらかの魔導アイテムか魔法陣辺りを予め用意してないと出来ない芸当だ。

 それを、何もない状態から即興で作り出したのだから……舌を巻く。


「リダ様には、まだまだ及びませんよ……」


 故に、心からの誉め言葉だったのだが、バアルは何処か寂しそうに微笑み、シニカルな雰囲気を作り出しながらも声を返して来た。


 更にバアルは言う。


「現状……悪魔王すら、今のリダ様には敵わないでしょう……本当、この様な人間が世界に居る……だ、なんて」


 答えたバアルは、やっぱり何処か自虐的だった。

 お前程の実力を持っていても尚、劣等感に苛まれる……か。


 私の持つ能力なんて、所詮は補助スキルによって強化された『だけ』の、言わば偽りの実力に過ぎないんだがなぁ……?

 基礎的な能力で言うのなら、バアルの足元にだって及ばない。


 それだけに、私としても複雑な心境に陥ってしまった。


 ……が、直後に思う。

 今は、感慨深く思考を動かしている悠長さなど無い!……と。


 キッ!……と、私は水の精霊王を睨み付けた。


 ヤツが本意でやっていない事は、もう私だって理解出来た。

 自分の意思で……好き勝手な振る舞いをしている訳ではない事も納得する。


 ……だけど。


「今のお前を、このままのさばらせて置く訳にも……行かないっ!」


 叫んだ私は、


 スーパードラゴン呼吸法ブレイズレベル2!


 自分に補助スキルを発動させた。


 普段の私なら、レベル1から発動させるが……現状を加味するのであれば、レベル1でチマチマと戦闘をしている猶予などありはしないだろう。

 下手をすれば、今の鉄砲水と、巨大な水の槍によって生じた強烈な一撃により、山神様が瀕死の重傷を負ったかも知れない。


 結局の所……山神様の現在地を聞く事が出来なかったからだ。

 

 よって、さっきの群れに山神様が居たとすれば……それは、かなり絶望的な顛末を迎えている可能性がある。


 当然、一刻の猶予も無ければ、予断も許される状況ではない!

 今は、一秒でも早く、眼前にいる水の精霊王をどうにかしなければ!


 ……思った私は、超龍の呼吸法のレベルを最初から2で発動させていた。


 相変わらず、とんでもない勢いで人の精神を吸い上げてくれるが……反面で思う。

 普段よりも、吸われるエナジーが少ない気がする。


 もしかしたら、気のせいかも知れないが……。

 けれど、私が初めてレベル2を発動させた時から比較すれば、かなり余裕を持つ事が出来る。

 

「……ふむ」


 右手を軽く動かしつつ、私はほんの少し実感した。

  

「どうやら、毎日の地道な睡眠学スキルが、幸を奏したみたいだな」


 余りにも地道過ぎて……一日、一日だけを見れば、全くの差異すら見られないレベルだが、これが二日、三日と続ける事で、少しずつ形となり……一週間、二週間続けて少しは変化を実感し……そうこうしている内に一ヶ月。


 目に見える変化……は、言い過ぎにせよ、ちゃんとレベルアップをしているんだなと言う実感を、私は自分の身に感じ取る事が出来た。


 その証拠……と述べると若干の語弊があるのだが、


 シュバッッッッ!


 私が無傷だと言う事を悟った水の精霊王が、水のレーザーの様な物を私目掛けて飛ばして来た……刹那、


 バチィンッッッッ!


 私は右手で軽々と、水のレーザーを弾き返して見せる。


『……っ!?』 


 これに、水の精霊王が唖然とした顔になっていた。

 かなり地味な攻撃ではあったが、威力的に言うのなら、さっきの巨大槍と同じ程度の魔力が込められていたからだ。


 下手をすれば、大きさからすると……魔力の濃密度はむしろ上だった。

 高範囲に魔力を拡散させて使う魔法とは違い、一点に凝縮する形で放たれた一撃は、対象者の数こそ単体に絞られてしまうが、威力は格段に上昇させる事が出来る。


 これらを考えるのなら、今の一撃は……水の精霊王にとって必殺の魔法だったのではないかと予測出来る。


 それを、私は軽々と弾いてしまったのだから……彼女からすればかなりの驚きであったに違いない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ