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水の精霊達の逆襲【15】

 やれやれ……やっと話が進むな。

 こんな小芝居染みた茶番に何頁なんページ使ってるんだと言いたい。


 水の精霊が山神に不条理な逆襲を企てた話だと言うのに……全くもう。


「お前の醜態は見せて貰った。後で色々と話がある。それとリダレンジャーは偏平胸じゃない、膨らみ掛けだ。そこだけは譲れない」


『え? いや……そこはですね? ちょっと、私も色々と考える部分がございませして……そ、そんな事よりもです! いきなりどうなされたのですか? 見る限りだと、私の知らない場所で偏平胸……じゃない、リダ様と御一緒なされている模様ですが?』


 まて? 今、さりげなぁ~く爆弾発言しなかったか?

 ナチュラルにディスって来たアシュアの言葉を耳にして、私の額に怒りマークが浮上していた。


 つか、こっちの姿が見えると言う事は……アシュアにも画面の様な物があるのかも知れないな。


「今のは失言だアシュア。そして二度も言わせるな……膨らみ掛けなのだ。完全に平らな幼児体型と同類にするんじゃない! ちっぱいはな、ちっぱいはだなぁぁぁぁっっっ!」


 ドォォォォォォォンッッ!


 ああ、メンドイ。

 どうやら、マイクがあればアシュアと意思疏通が出来るみたいなので、コイツには少し黙っていて貰おう。


 そう判断した私は、今にも鼻血が出そうな勢いで興奮しまくったあげく、自分が貫こうとする信念を熱く語ろうとしたので爆破して置いた。


 これ以上の茶番は要らないんだよ! 尺的にっ!


「はわぎゃっ!」


 私の爆破を喰らってまっ黒焦げになったバアルがバッタリ倒れたと同時に、マイクを奪うと……そのままマイクを使ってアシュアへと語りかける。


「えぇと、聞こえるかアシュア?」


『……はい、聞こえません』 


 聞こえてるじゃないか。

 私の声を耳にしたアシュアは、頷いて間もなく両耳を手で覆いながら否定していた。

 言葉としてもおかしいが、行動としてもおかしい事をしれっとやっていた。


「よし、ちゃんと聞こえているな? それじゃあ、色々と聞きたい事がある」


『偏平胸の事ですか?』


「それは別に話し合う必要はない。ただ爆破すれば良いだけだ」


『いや、ダメじゃないですかっ!? むしろ話し合いましょうっ!? 全力で謝りますんで! せめて、少しは対話の場を設けましょうっ!?』


「何を言ってるんだ? ちゃんと爆破で物を語っているじゃないか」


『そう言うのは語り合いじゃないですからっ! 一方的な蹂躙ですからっ!』 


 アシュアは、今にも号泣しそうな勢いで叫んでいた。

 

「ともかく、その話はお前が爆破されると言う事で話を区切って置こう。それで構わないな?」


『構います! メチャクチャ構います! 爆破を取り下げない限り、私は話をしませんからっ!』 


 ああ、もう……面倒なヤツだな。

 

「分かった、爆破は保留にしてやるから……普通に私の質問に答えてくれないか? その返答次第では正式に取り下げてやるから」


 嘆息混じりに妥協案を出す私。


 すると、アシュアは瞳をキラキラと輝かせてから、


『本当ですね! 神に誓えますよねっ!? 天地神明の神に誓えますよねっ!?』


 お前は悪魔だったんじゃないのか?

 何ともツッコミ甲斐のある台詞をほざいていたアシュアであったが……まぁ、さっきから話が脱線しまくって、全然進まない状態が常態化しつつあるから、この場はサッと聞き流して置こうかと思う。


「神様でも仏様でも何にでも誓ってやるから、私の問いに答えてくれ。お前の所でベルゼブブ印の商品を売っていないか?」


『ベルゼブブ?……ああ、はい。我がハエ軍団の働き口を埋め合わせる為に作った商社で、その様な商品を販売しておりますが? 何か?』


「やっぱりお前達の仕業か……うむ。爆破は確定したな?」


『えぇぇっ!? 待って下さい! さっき、リダ様は誓ったじゃないですかっ!? 神様に誓ったじゃないですかぁっ! そんな背徳な真似を簡単にやったら天罰が下りますよっ!?』


 だからお前は悪魔だろうが……。

 目尻に涙を思いきり溜め込みながらもアシュアは叫んでみせる。


「私は言ったろう?『お前の返答次第では爆破を取り下げる』と?……つまり、逆に言うのであれば? 返答次第によっては『爆破するぞ』と言う意味でもある訳だ」


『はうっ! 酷い! 騙したのですかっ!? 卑怯ですよっ!? 鬼! 悪魔っ!』


 だから、悪魔はお前だろうに。

 もしかしたら、私からのツッコミを待っているのかも知れないけど、かなり真剣な顔になって叫んでいる所を見ると、かなり真剣なボケをかましているだけなのかも知れない。

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