上位魔導師になりたくて!・最終試験【6】
以後も、ファイナルタマコの説明が続いて行くのだが……地味に長いので省略。
ここでは、ファイナルタマコから聞いたルールを私が軽くまとめた内容を紹介して置こう。
まず、基本点はさっきの通り。
このサバイバル的な状態に最後まで耐えた事で加点50される。
つまり『ただ二十四時間山の中にいるだけでは50点にしかならない』と言う事になり、これだと合格点に30点足りない。
当然、別の加点が用意されている訳だな?
但し、気を付けなければならないは、加点『だけ』ではない事だ。
つまり、状況次第によっては減点対象に引っ掛かり、減点されてしまう事だってあるのだ。
では、主な加点及び減点対象には、どんな物があるのか?
まとめて箇条書きにすると、こんな感じだ。
1・遭遇したモンスターに勝利する。
2・指定のチェックポイントへと向かい、一定の課題をクリアする。
3・上位魔導師としての誇りを持ち、自覚ある行動を心がける事。
4・魔導を用いた行動。
5・モンスターから逃走する。
6・禁止事項の違反。
一部、あやふやな表現もあるが……1と2はかなり分かり易いだろう。
恐らく、1と2の二つで合格点まで到達する事が可能になっているんじゃないかと、私は考えている。
何故なら、主な『加点対象』が、この1と2であるからだ。
3から以降は、減点対象として適応される可能性もあるし、5以降は完全なる減点対象だ。
まぁ、ここらに付いては後で説明する事にして……まずは『加点対象』となる1と2を見てみよう。
まずは1。
遭遇したモンスターとの戦闘に勝利するなのだが、遭遇した相手にとっては破格の加点が用意されている位だ。
……まぁ、そもそもこんなのとは遭遇する事自体が滅多にない事だし、よしんば遭遇しても『倒せるなら倒してみろ』と言うばかりの相手だったりもする。
モンスターの例を述べると『一国を揺るがす程の凶悪なモンスター』が一番高い加点数になっているのだが……これの加点がなんと100。
簡素に言うのなら、コイツを倒せば途中でリタイアしても100点となる為、満点合格となってしまう。
破格と言うより、バカにしてるんじゃないかと言いたくなる内容だが、そもそも『一国を揺るがす程の凶悪なモンスター』なる存在が、この山にどの程度いるのか? 如何にレベルの高いモンスターがうようよしていると言っても、そこまでの化物はかなり限られて来る為、現実的にはあり得ない。
その他は、現実的な得点となるのだが、モンスターと遭遇し勝利すれば加点1される為……単純計算で30勝すれば合格点圏内になると言う事になる。
……まぁ、一日で三十回もエンカウントする事なんて流石にないから、この考え方は、どの道現実的ではないな。
余談だが、討伐数ではなく戦闘の『勝利回数』でカウントされる為、一回の戦闘で複数を倒しても加点されるのは1止まりだ。
強い相手になると最大加点5まで存在している。
もちろん、これだけで制限時間である二十四時間以内に30加点分の戦闘をこなす事が出来るかと言えば、そんな筈がない。
そこで、加点対象となる2番目の項目がある。
一定のチェックポイントを設け、そのエリアに出題される課題をクリアする事で、追加の加点がされる事になっている訳だな。
これは、簡素に言えばオリエンテーリングの様な物だ。
渡された地図に存在する印へと向かい、到着したチェックポイントに応じて得点が貰える。
加点内容は、主に別途用紙になる模様だが、大体5~10加点程度になる模様だ。
一個だけランダムでボーナス加点エリアもあり、そこに向かうと簡単な課題なのに加点20される場所も存在しているとの事だ。
こう言ったボーナスポイントが存在しているのは、幸運を計る為の試みなのだろう。
魔導師組合と言う組織が如何に幸運を重視しているのかが分かる。
さて、ここまでが主に加点を決める材料と言える。
次から以降は、場合によっては加点されるが、場合によっては減点もある項目だ。
3の上位魔導師としての誇りを持ち、自覚ある行動を取る……と言うのは、これから上位魔導師になる事を前提とした立ち振舞いをしろと言う事なのだろう。
軽く内容を聞く限りだと……これは試験者のみが対象で、上位魔導師に恥じない礼節さを社交的に見せれば問題なく加点対象になる模様だ。
逆に、上位魔導師らしからぬ軽率な態度や言動、行動を行うと減点対象にされてしまい、場合によっては挽回すら不可能な減点を喰らう場合もある。
こう言うのは注意が必要かも知れないな?




