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上位魔導師になりたくて!・二次試験【23】 

「……こ、こここ……これ……え? えぇと……リダさん……い、いや、あの……会長でございますでしょうかっ!?」


 ルインはあわわわっ!……って感じで私に声を出していた。

 

 ……ま、まぁ……そうな?


 私も、自分の地位と言うか、そう言うのをバラしたい気持ちとかはなかったんだ。

 だけど、今のルインに手っ取り早く自分の居場所と言うか……所在地を知らせる為には、ちょうど良いアイテムでもあったから、結果的に自分の冒険者カードの複製コピーを渡す事にしたんだ。


 そうなると、当然……私が冒険者協会の会長である事が分かってしまう訳で。


「そんなにかしこまるな。今の私は友人の相棒役として、この試験会場に来ているだけなんだからな」


「そ、そそそ……そうでしたか! あ、あはは……」


 ルインは額から変な汗をドバドバ流しながらも愛想笑いなんぞを私に浮かべていた。

 ……地位が分かっただけで、そこまで態度を変えるんじゃないよ。

 私はそう言うのがあるから、自分のカードを見知らぬ相手に渡すのを嫌うんだ。


「会長としてお前の試験を免除するとか……補助する様な事はもちろん出来ない。上位魔導師の資格と言うのは、公正かつ公平であるからこそ価値のある物だからな?……が、だ?」


 そこまで答えた私はニッ! っと笑みを作ってから答えた。


「ルイン……お前なら、立派に試験をクリアする事が出来ると思うぞ?……何せ、冒険者最強と呼ばれる、リダ・ドーンテンさんを、ここまで苦しめてくれたんだからな? しかも一騎討ちで、だ?」


「そ、そんな……最終的には、手も足も出ませんでした」


 答えたルインはしょぼんとした顔になって目線を下に落とした。


 ……おいおい、待てよ。


「お前は今、幾つだ?」


「……え?」


「だから幾つだって言うんだ?」


 再び尋ねた私の言葉に、ルインは少し戸惑いながらも口を開く。


「二十二歳ですが……何か?」


「二十二か……なるほど、その爆乳も納得の年齢だな」


「え? いえ、この胸と言うか……その……これは、十五ぐらいにはこんな感じで……」


 なん……だとっ!?


 私は衝撃の事実を耳にしてしまった。

 幸運だったのは、私の耳にしか入らなかったと言う事だろうか?


 こんな事実をフラウのヤツが知ったら大変な事に……。

 

「パトラッシー……私はもう、疲れたよ……」


 あああああっ!

 実は近くにいて、聞いてたぁぁぁぁっ!


 私は直後に、またもや心の愛犬・パトラッシーと一緒に昇天してしまいそうだったフラウの前へとしゅばっ! っと向かって行き……性懲しょうこりもなく 身体から解き放っていたアストラル・フラウちゃんの首根っこを捕まえて、力付くでフラウ本体へと捻り込んでいた。


 本当に本当に! お前は、この程度の事で毎回ショック死しようとするんじゃないよっ!


「……はっ! わ、私は一体……何を?」


 知らないよ!

 こっちが知りたいよ!


 ともかく無事だって事が分かったので、直ぐにルインの元へと戻ろうとするのだが、


「ごめんね、メイス。負けちゃったよ……」


「いや……お前は十分良くやった。むしろ相手を誉め称えようぜ? 全力のお前を破るなんて……正直、俺……初めて見たしなぁ……」


「あはは……格好の悪いトコ、見せちゃったね」


「そんな事ない。今のルインは……他の誰より立派だ。他の誰がなんて言おうと、俺だけは言う。今のお前は十分立派だ。負けはしたかも知れないけど、しっかりと胸を張って、次も頑張ろうぜ!」


「うん……うん! ありがとう、メイス!」


 えぇと……もしもし?


 フラウのアホがふざけた臨死体験をしている内にやって来たメイスが、ルインと良い雰囲気を作って、勝手にリア充状態になっていた。

 

 これはどう言う事だろう?

 もしや? 私にネタを供給していると言う事だろうか?


 やっぱり、オチとして『リア充爆発しろ!』って感じで、超炎熱爆破魔法フレインダムドを放てと言う事なんだろうか?


 そう言えば、私達がいるって言うのに、至極当然の様に抱き合っていたりもしたよな?……くぅぅっ! これだからバカップルわっ!


 …………。


 ……い、いや! 違うぞ?

 これはひがみとかではないぞっ!?


 いつもいつも……私の回りには同性ばかりしか集まらなくて……挙げ句、同性の変態までオマケでいたりして……どうして私には、格好良くて性格が良くて、何より! 変態ではない男が寄り付かないんだと嘆く事はあっても、リア充相手に僻みをいれる様な真似なんかない!


 例え、


「ねぇ? リダ? あの二人ってさ? どう考えてもリダに爆破されたいって感じの伏線を張ってるよね?……ぷぷっ! バカだよね? 男日照りの我儘女王わがままじょおうでもあるリダを前に、あんな挑発紛いな事するなんてね! ここは一発、やっちゃいなよっ!」


 真の僻み女王ことフラウが、根暗な目で私に悪魔の言葉を耳元で囁いて来たとしても……だ!


 ……と、言うか?


「アホかっ! お前と私を一緒にするんじゃないよ! 私は男なんざ居なくても、可愛い可愛い愛娘がいるから、もう寂しくないんだよっ!」


 私は猛剣幕でフラウにがなり立てた!

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