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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
会長、大人気なく学生相手に無双する・本戦【後編】
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【4】

 その後、全然泣き止まないルミが、とうとう審判に泣きついてしまい、審判さんが私に聞いて来る事になる。


「リダ君……キミの勝ちで良いだろう? ほら、この子もそれで良いと言ってるんだから」


「あはは……」


 あたしゃ、苦笑しか出来なかったね!

 しかも、回りからもこっぴどくなじられるし!


 こうして、私はスタジアムの大きなブーイングを一身に受けると言う、とっても斬新な勝ち名乗りを受けるはめになるのだった。


 く、くそぉ……私が何したって言うんだよぉ………。




 ●○◎○●




 三十分程度のクールタイムを挟み、剣聖杯もクライマックスを迎える。

 決勝戦の始まりだ。


 闘技場に入って直ぐ、ユニクスは周囲の拍手喝采を浴びた。

 まぁ、相手は去年のチャンピオンで、知ってるヤツもそれなりにいるのだろう。

 何より、2年連続で決勝戦に進出してるのだから、それ相応の知名度と人気も誇っているわけだ。


 他方の私は、入場していきなりヤジが飛んだ。


 帰れ! とか、くたばれ! とか、私のルミちゃんに何してんの! とかだ。


 もう、これ完全にさっきのやつら何じゃないのか?


「とっても人気があるのね、アナタも」


 それは嫌味ですかね!

 てか、完全に嫌味だったろうユニクスは凄まじく頭に来る笑みを私に向けていた。


「お陰さまで大人気だよ!」


 私は半べそで叫んでやった。

 もう、なんか開き直ってた。


 それに、だ?

 私としては、周囲のヤジより何より、ユニクス……お前に色々と用事がある。

 そっちの方がとても重要だった。


「私は私で、アンタに色々と聞きたい事がある。ついでに泣かす」


 私は闘志を込めて答えた。

 ユニクスは甲高い声で笑う。


「アナタが私を? あはははっ! それは新しいジョークなの? そうだとしても可笑しくて笑っちゃうわ」


 なんてか、人を怒らせる才能があるな、こいつ。


「今は好きに笑え。どうせその内、笑えなくなる」


 私が泣かすからな。


「面白い人……つくづく、人を苛立たせる」


 笑みから一転、瞬時に憎悪をみなぎらせて来るユニクスがいた。


「けれど『彼』は言ったわ? アナタはここで私に殺される……とね」


「なんだと?」


 それが、予見なのか?

 ……それとも……?


「まぁ、いいさ」


 仮にその『彼』とやらに、私の運命をねじまげるだけのスキルが存在していたとしても、だ?

 私がこの程度の相手に負けるとは、どうしても思えない。


「やってやろうじゃないか」


 『彼』と言う存在が、どんな存在なのか知らない。

 そもそも会った事すらない。

 一応、小耳に挟んだ情報だと、転生者である見たいなのだが……それすら曖昧だ。

 本当なのかどうかも分かっていない。


 ……なら、答えは簡単だ。

 コイツをぶん殴って、情報を仕入れるだけだ。


「御託は良い。さっさとやろうぜ」


「そうね。私も井戸端会議に飽きて来た所よ」


 互いに好戦的な視線を飛ばし合う。


「始め!」


 始めの掛け声と同時に、ユニクスは自分に対して有効のスキルを開幕から使って来た。


 ドラゴン呼吸法ブレイズ


 ……ほう。

 格闘スキルの一つだ。

 補助系ではあるのだが、対象は自分のみで、第三者に使う事はできない。


 その代わり、スキルの性能は素晴らしく、使いこなせれば抜群の能力を得られる。

 まず、補助魔法と同じ攻撃・防御・素早さが超上昇。

 約十倍程度の上昇が見込まれる。


 しかし、このドラゴン呼吸法ブレイズの真骨頂は、治癒能力の超上昇にある。

 ダメージを受けても見る間に完治してしまう。

 持久戦に持ち込まれると、凄まじく厄介なスキルなのだ。


「さぁ、来なさい? 美味しく料理してあげるわ」


 私に向って右手で軽くチョイチョイとやって見せた。

 本当に余裕を見せまくってくれるなぁ……もう。


 まぁ、いいや。

 油断してくれてた方が楽だし。


「料理されるのは、お前の方だと思うが? まぁ、良い。口だけではない所を見せてやろう」


 私は地を蹴る。

 その瞬間、ユニクスの眼前まで詰め寄った。

 同時にそのままの勢いで、右の鉄拳をユニクスの顔面に向ける。


 余裕でかわして来た。


 次の瞬間、ユニクスが体を反らし、カウンターに近い形で左の足を私の顔面にむけて来る。

 ……あぶっ! 

 ちょっと際どい所でよけた。


「……へぇ」


 意外そうな顔のユニクスがいた。


「今のを避けて来るなんてねぇ……アナタ、やるじゃないの」


 答えた直後に右足の蹴りが私の右肩に迫る。

 後ろに飛んで回避。

 そこから素早く着地して再び飛んだ私は、右拳と左拳を交互に打ち放ってみせた。


 一瞬で、数発程度叩き込む……予定だった。

 しかし、それらは全て空振りに終わり、

  

 バキィ!


 逆に私がカウンターを受けた。

 最後の私の一撃を避けた瞬間、くるっと回転して鮮やかな裏拳を喰らった。

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