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上位魔導師になりたくて!・一次試験【20】 

 本当は『パッドを入れれば現実的』とか言うタマコ九号のワードに少しだけカチンと来た私がいたけど、末期貧乳のフラウを見て、その姿がいかに終わっている姿なのかをまざまざと見せられた為、私は思い止まるに至った。


 良い反面教師がいた事を、心から良かったと思う!


『えぇと……それじゃ、試験を開始しても大丈夫ですか?』 


「そうだな? やろうか?」


「うん! 本当の私は、動けば揺れるって言う確認が出来ただけで満足!」


 何が揺れるって? 

 真のお前は、揺れないだろ? そもそも制止画像と変わらんだろう?

 もっと現実を見た方が良いと、私が思う中……タマコ九号の号令が発せられる。


『一次試験・レベル9! 開始して下さい!』


 タマコ九号の声を皮切りに、私は自分と同じ顔をした魔導人形へと突進して行く。

 

 恐らく、この試験……相手の姿を単純に真似た訳ではなく……完全に相手の能力までコピーした魔導人形ゴーレムであるに違いない。


 私的な気持ちで言うのなら、私の能力の全てを完全に複製コピーする事なんか出来るとは思っていない。


 これでも最強の冒険者でもある会長様ラスボスだからな!


 しかし、このおごりが、大きな油断に繋がってしまう危険性は十二分にある。

 ここは、私の完全複製と言う事を前提に置いた戦い方をするべきだろう。


 他方のフラウは、フラウっぽい何かの方へと向かっている。

 胸の大きさでは完敗だが、能力的な物はほぼ同等だろう。


 そうであるのなら、今回の試験は文字通り『自分との戦い』と言える。

 通常であるのなら、こんな物は比喩的な表現を用いる時に使う言葉ではあるんだが、今回に限っては比喩でも何でもない。


 服装こそ違うが、完全に私と同じ存在が私の眼前にいるんだからな!


 もちろん、フラウと違って胸元のサイズも詐称していない!

 ああ、そうだとも!

 ちょっとパッドを入れれば、この程度になるとかほざくヤツがいたけど、そんな物なんぞ入れなくてもリアルの私と寸分違すんぶんたがわない! 


 そんな、何もかも一緒だった私へと突き進み、


 スーパー攻撃力上昇魔法オフェンスアップレベル99!


 スーパー防御力上昇魔法ディフェンスアップレベル99!


 スーパー身体速度上昇魔法スピードアップレベル99!


 ……っ!?


 攻撃しようとした所で、向こうの私が自分自身とフラウっぽい巨乳に超補助魔法を発動させた。


 こ、こんな所まで一緒なのかよっ!?


 焦った私は、一旦引いてから同じ補助魔法を自分とフラウに発動させる。


 引いて魔法を発動させようとした瞬間、私擬きが補助魔法の発動を妨害しに来たが、咄嗟に避けて切り抜ける。


 発動させたら、有利な条件が消えるから、即行で妨害して来るだろう事は簡単に予測出来たからな。

 

 こっちに私擬きの攻撃が来るのは予測出来たし、予測出来るのなら避ける事はそこまで難しくはない。

 ……だが、予想以上に私の能力を複製コピーしているらしく……正直言って、紙一重でなんとかギリギリ避けれたと言うのが正しい。


 もう一回同じ事をやれと言われたら、正直に言うと出来ないかも知れないなぁ……。


 戦闘が始まって早々にピンチが訪れたが……ある意味、ギリギリながらも避ける事が出来たのは僥倖ぎょうこうだった。


 思わぬ幸運によって危機を脱した私は、同じレベルの超補助魔法を受けた状態で再び戦闘を開始する。


「……リダの補助魔法ってヤバイね……」


 フラウが微妙に毒吐き染みた台詞を口にしつつも、フラウっぽい巨乳へと攻撃魔法を発動させて行く。


 フラウと共闘するのは、ある意味でこれが初めてだっからか? 私に補助魔法を掛けられて目を白黒させている感じだ。

 言われて見ると、フラウは色々な部分で私と一緒に戦う事が少なかった。


 厳密に言うと、補助魔法が必要なレベルの戦闘でフラウと共闘する事がなかったと言うべきか?

 そう考えると、今回が初めてと言われると、妙に納得してしまう私なんぞがいた。


 まぁ、何にしても……だ?

 

 この調子なら、補助魔法だけではなく補助スキルまで同じ物を使って来るんじゃないだろうか?


 そうと判断した私は、先手を打つ形で補助魔法を先に発動させる。


 超龍の呼吸法・レベル1!


 ドンッッッッ!


 発動の瞬間、私の中で急激に増幅したエネルギーが周囲に漏れ……余剰エネルギーが旋風として激しい渦を作り出す。

 

 ちょっとした衝撃波の様な物が発生した直後、


 ゴゴゴゴゴゴッッッ!


 大地のエナジーが、私のエナジーと共鳴する形で地鳴りを起こし始めた。


 ……と、そんな私を見て、私擬きが唖然とした状態でポカンと佇む姿があった。

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