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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
会長、大人気なく学生相手に無双する・本戦【前編】
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【6】

 開幕動いたのは、やっぱり剣士だった黒髪の少年。

 そう言えば名前なんて言うんだろ?

 うぅむ。

 聞きそびれてしまった。

 仕方ない、ここではショタ君とでも呼ぼう。


 ショタ君は模擬刀を素早くルミ姫様に振り抜こうとして見せる。

 瞬間。


「……え?」


 ルミの周囲に炎の壁が出来た。


「うわわわっ!」


 思わず飛び退く。

 パラスの時にも見せたルミの防御壁、炎壁魔法ファイアーウォールだ。


 前にも言っているが、単なる防御壁と言うだけではなく、近接攻撃主体の相手であるのなら攻撃手段としても使える。


「こ、こんな事も出来るのか」


 唖然としてしまうショタ君。

 学生の大会で、こんな魔法を展開して来る相手はそんなにはいないだろうからね。


「参ったな……」


 苦笑いもそこそこに。

 近寄る手段を模索してたショタ君。

 だが、ルミ姫様の方は完全なる攻撃圏内だ。


「行きますよ」


 炎の壁に護られる中、悠々と魔導式を頭の中で描き、右手に魔力を集中させる。

 すぐに魔法を完成させて右手から光の刃の様な物を産み出した。


 パラスとの対戦で敗北したルミは凄く悔しかったらしく、自室のニイガ魔導書全集を読み漁り、努力した末に新しく産み出した攻撃魔法。

 正確に言うと、魔法の武器だ。


 魔導大国・ニイガの魔導歩兵なんかが比較的良く使う魔法の武器でもあり、ポピュラーな攻撃手段でもあるのだが、ルミ姫様は更に改良を加え、光の刃を振るうと刃の一部が敵に飛んで行く特別仕様になっている。


 名前を、


「オーラブレイド!」


 と、ルミが叫んだ通り。


 実は学年予選の三位決定戦でフラウと戦った時に使用し、フラウに勝利する切っ掛けを作った魔法の武器でもある。


 炎の壁からオーラブレイドを一振り。

 その瞬間、振るった光の刃から一部が刃を離れ、閃光にも似た刃がショタ君目掛けて物凄い勢いで飛んで行く。

 速度にすると……そうだな。

 大体の目測ではあるが、音速マッハ程度だろうか?


 多分、改良すれば最終的には光速程度にはなるのかも知れないが、現時点ではこれが限界だったのかも知れない。

 だが、音速でも十分早い。


「うわぁぁっ!」


 スパッと、音もなく簡単に右肩を斬られたショタ君は……うぁ、もう降参しなよ。

 折角、可愛い顔してるのにぃ。


 更にもう一撃。

 今度はギリギリ避ける……へぇ。

 あれを避けるか、ショタ君。

 どうやら、本戦でシードを貰っているだけの事はある様子だ。


「くそ………」


 とは言え、ショタ君に打つ手がある様には見えない。

 このまま一方的にルミの放つオーラブレイドを避けるのが精一杯だ。


「こうなったら………」


 顔に一切の余裕を見せなくなったショタ君は、そのままルミへと特攻を掛ける形で突進して行く。


 ……うーん。

 パラスレベルなら、それもアリかも知れないけど、普通の人がそれをやったら、ただの玉砕行為だと思うなぁ……。


「甘いです!」


 ボフゥゥゥゥゥッ!


 ええぇぇ………。


 えげつないぞ、ルミ姫。


 突進して来たショタ君が、ルミの炎の壁に差し掛かった瞬間、壁が形を変えた。

 これまで、ただの防御壁だった壁はいきなり竜巻の様になる。

 ちょっとした炎のタワーになっていたそれは、一瞬にしてショタ君を大きく撥ね飛ばした。


 まぁ、炎壁魔法ファイアーウォールを剣圧で貫通して来たパラスに一回負けていたから、次は負けない様に試行錯誤した結果が、これなんだろうけど……。


 相変わらず、アンタは手加減って言葉を知らないのかと言いたくなってしまう。


 この一撃でショタ君は敢えなく戦闘不能。

 それでも気絶する事なく、最後まで戦い抜いた、そのファイトは買う。


 ……うん。

 きっと、君は将来、もっと強くなれる。

 そんな目をしているよ。


「勝者・ルミ!」


 勝者コールと共に、闘技場が大きく沸いた。

 さっきの中途半端な試合があった後だっただけに、この試合はとっても見ごたえのある戦いに映った。


 この試合が終わった後、ルミファンクラブが密かに生まれたらしいけど、余談として置こう。




 ●○◎○●




 トーナメントの関係上、これで二回戦が終わる。

 人数が十四名なので、トーナメント表がいびつなのだ。


 二つのトーナメントブロックにも特徴があった。


 Aブロックは第一シードのユニクスと何処かで当たる可能性がある代わりに、最短二回で決勝戦に進める。

 逆にBブロックは、第一シードと決勝まで当たらない反面、最長五回戦まである。


 強敵と当たるのが良いか、試合の数をこなすのが良いかの違いだな。


 何にせよ、ここから先は実質三回戦と言う事になる。


 一回戦と同様に、シズが解説しつつも、休憩時間が過ぎて行った。


 そして向かえた三回戦。

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