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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第四編・編末オマケ短編
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リダさん親子の平凡な一日【20】

「はぁ!? 何、デタラメ言ってんのっ!? 俺が、こんなガキ相手に実践だったら負ける筈ないだろ?」


 巨漢野郎は、やっぱり大きな勘違いをしていた。

 ……やれやれ。


 本当はな?

 アリンはやっぱり子供だし……こんな三歳児を相手にしてコテンパンにされたら、相手だって本気で気落ちするだろうし、自信を大きく無くしてしまうと思うから、敢えて気を遣っていた所があったんだけど、


「なら、試合ではなく……実践でアリンと戦ってみろよ? 良いか? 実践だぞ? 死んでも文句言うなよ?」


 答え、私はアリンに向かって声を掛けた。


「アリン? 手加減はしなくても良いぞ~? か~たまが許す!」


「お? おおおおっ! 本当に? この人、死ぬかもよ~?」


 ……ぐうぅむ。


「えぇと、本気出しても良いけど、殺さない程度にしてくれ」


 本当に死なれるのは、流石に困るからなぁ……。


「お? お~。難しいお~」


 アリンは悩んでしまった。

 確かに難しい注文だったのかも知れない。


 けれど、アリンなりに理解したのだろう。


 要は殺さなければ良い、と。


「いくおっ!」


 三歳児の顔が変わった。


 ギンッッ! っと、途方もない気迫が……そのちっちゃな身体から、とてつもない勢いで放出されて行く。


 ……挙げ句。


「おおおおおっ!」


 スーパードラゴン呼吸法ブレイズレベル2!


 私の必殺補助スキルを……って! えぇぇぇっ!?


 ア、アリンちゃん……っ!

 あ、あんたその技を……いつの間に習得してるのっ!?


 つか、それ、やり過ぎっっっ!


 その瞬間、


 ドンッッッッ!


 突発的に急上昇したエネルギーの一部が、アリンの身体から漏れる様に放出され、衝撃波が周囲に巻き起こった。

 

 ……と、同時に、


 ゴゴゴゴゴゴゴゴォォッッ!


 大地がアリンのエネルギーと共鳴する形で揺れ始める。

 ……ああ。

 人為的に発生したアリン震源の地震が強すぎて、軽い近所迷惑にっ!?


「……あばばばば……」


 他方、巨漢は腰を抜かしていた。

 最初は、アリンの身体から自然と噴射されていた衝撃波で、再び白線のラインより向こうに飛んで行ってしまったのだが……もちろん、今回はリングアウト負けはない。

 何故なら、自分で言った事でもあるからだ。


 実践なら負けていないと。


「敗けで良いです!」


 直後……巨漢は、その無駄にデカイ身体を小さく丸め、地面におでこを擦り付ける形で土下座していた。

  

 本当にバカな野郎だ。

 最初から素直に負けを認めていれば、ここまで恥ずかしい思いも、恐怖だって植え付けられる羽目にもならなかったろうに。


「お? アリンの勝ちで良いお?」


 アリンは、ハテナを頭の上に飛ばしていた。

 何て事はない。

 まだ、何もしていないのだから。


 アリンがやった事は『本気になった』だけだ。

 それ以上の事は何もしていないし……強いて言うのなら、これからやろうとしていた。


 ま、ここで勝敗が決まっていた方が無難ではある。

 だから、これはこれでよしとすべきだろう。


「ああ、アリンの勝ちだ。完全勝利だ! 御褒美にアリンの好きなの一つ買ってやろう」


「ほ、本当だおっ!? わ~いっ! か~たま? 商店街の雑貨屋さんにある黄色いボンボンありゅ~! あれ、ほし~!」


 ああ、あれか。

 ボンボンってのは、髪を縛るゴム紐にアクセサリーとして真ん丸い玉の様な物が付いている。

 何気に私は好んで付けてて……娘にも秘蔵のボンボンを譲っていた。

 この関係もあってか? アリンはボンボンを好んで付けている。

 余談だが、私も最近はアリンとペアのボンボンを付ける傾向にあった。


「良いね! 放課後にでも買いに行くか!」


「やったぁ~!」


 アリンは花丸笑顔で喜んでいた。

 アグレッシブな三歳児の笑顔と言える。


 それ故に……特別学科チームの驚きっぷりは凄まじい。


 否、ウチの連中も驚いていた。

 

「リダの遺伝子ってどうなってるの? もしかして、それだけでチートな遺伝子が存在しているとか……?」


 フラウは割りと本気でぼやきを入れていた。


「そうだね……やっぱりリダは格が違った」


 他方、フラウの言葉に肯定する形でルミが頷きを返していた。

  

「ドーンテン一族とは争いをしては行けないと、私の自伝に書いて置く事にして起きます」


 何処まで本気で言ってるのか分からないが、ルゥが額に汗を流しながらも口を動かしていた。


 後日談になるが……後にニイガ王国の王立図書館にて『ルゥ女王の自伝』と言う書物が置かれるのだが、その自伝で語られる。


 天才的な戦闘集団であるドーンテン一族と争いを起こしてはならない。

 それは、自滅及び破滅への序曲に繋がるからだ。


 ……何処の大魔王ですか?

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