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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第四編・編末オマケ短編
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リダさん親子の平凡な一日【14】

 こんな事も出来るのか……アリンは。


 思わず唸り声を上げつつ、アリンの手から立体的に浮かび上がって来る光の文字を読んで見る。


 …………。


 うむ、なんだこれ?


「アリンちゃん、それ……古代文字じゃない?」


 私が思わず額から冷や汗を流しつつ、浮かび上がっていた文字を見据えていた時、近くにいたフラウが眉を捩って答えた。

 

「何でフラウが古代文字を読む事が出来るんだよ……?」


 何らかの確信を持って言ってるのだろうフラウに、私は不思議そうな顔になって尋ねると、


「私の地方では、未だに失われた魔法……ロストマジックの一部が遺跡にあって……その遺跡から発掘された石板とかに同じ様な文字が書かれてたからねぇ……」


 フラウは苦笑して答えた。

 そこから再び口を開く。


「……まぁ、意味はサッパリ分からないんだけどさ」


「そうだろうな……」


 フラウの言葉に、私は素早く相づちを打った。

 理由は簡素な物だ。

 アリンが私に見せてくれた光の立体文字は、全く意味が分からない文字しかなかった。

 

 正確に言うと、一部分かる文字もある。

 だが……それは、いつぞやコーリヤマでみかんの設計した超巨大魔法陣を作成する時に、似た様なおかしな文面で描かれていた為、その名残と言うか……その時に少しだけ記憶した文字とかがある。

 その文字と全く同じ様な物が、アリンの魔導式にも登場していた訳だ。


「何て言うか……リダの娘だけあって末恐ろしいね……」


 フラウは苦笑混じりに答えた。

 もう、この時点で顔では言ってた。

 この子には勝てないな……と。


 最初からライバル視していた訳ではないのだろうが……早くもフラウが白旗を上げてしまった。

 実際……私も白旗モノだ。

 

 仮に、アリンが使った魔導式が、数千年前に失われた古代魔法エンシェントマジックの魔導式であるのなら、この時点で生きる古代人だ。

 時代の生き証人と表現しても申し分ない。


 同時にそれは……かつて存在したであろう、超高次元のロストマジックを再現する事が可能だと言う意味にも繋がる。

 

 それは素晴らしい魔法ではあるだろう。

 人を幸せにする事が可能な魔法であるのかも知れない。


 ……だが。


 同時に脅威的な魔法でもある。

 人を不幸にする所か、世界を滅亡させてしまう……そんな絶望的な破壊力を持つ魔法であるのかも知れない。


 この時、私は思った。

 アリンは、絶対に……真っ当な人間に育てなければならない……と!


「アリン? お前は大天才になり兼ねない逸材だ! スゴいぞ~。流石はか~たまの娘だ!」


 だから、愛情をたっぷりと注いでやらねばっ!

 思った私は、満面の笑みを作ってから、アリンの頭を撫でてやった。


  


     ○◎●◎○




 これまでの私は、昼食の時間が戦場だった。

 学食で販売される、数少ない白パンを奪取する為……必死の形相で学食のオバチャンへとアタックするのが、私にとっての日常茶飯事でもあった。


 しかし、今は過去の話だ。


 現在の私は弁当持参である。

 もちろん、私のお手製だ。


「もぐもぐ……か~たま、今日のも美味しいお~♪」


 顔に、満面の笑みを作り、超が付くまでの御機嫌さで愛狂わしく私へと答えるアリン。

 この笑顔の為なら……例え毎日一時間早起きしないと行けなくなったとしても、お釣りが来るまでの充実感を得る事が出来るっ!


 ……そして。


「良いなぁ……私にも一口ちょ~だい!」


 そぉ……っと、アリンの弁当に手を向けるフラウの手を、


 ぱしぃっ!


 即座に弾く私がいた。

 お前に食わせる弁当はない。


「なぁ~によぅ~! 一口くらい良いじゃないのよぅ~!」


 私に手を叩かれたフラウは、口を尖らせてブーブー言って来る。


「これは、アリンの成長を色々考えた弁当だ。お前が食べても大きくはならんぞ? 特に胸な?」


「そっちは、もう大きく成長してるからっ!」


 嘘こけ。


「くぅ……アリンめぇ……私のリダ様から、こんな素晴らしい食事を提供して貰っているとは……」


 他方、ユニクスが本気で瞳から涙を流して悔しがっていた。

 ちなみに、昨日も泣いて悔しがってた。

 この調子なら、明日もきっと泣くのだろう。

 いい加減、泣くのだけはやめてくれないかな?


「アリンちゃん? こっちのウインナーと交換しない?」


 こんな事を言って来たのはルミだ。

 最近のルミは、ルゥと一緒に弁当を作って来ている。

 通常、お姫様は料理なんかしないのだが……ルゥは、どう言う訳か無駄に料理が上手い。


 結果、ルゥを先生とする形で、ルミが料理を勉強する形となっていたのだ。

 最初はかなり賛嘆だった模様だが、それから幾日か過ぎ……今では、かなりマシな物を作る様になっていた。

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