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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第四編・最終章
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事件の終わり【11】

 こうして、みかんとシズの二人は自分達が居た場所へと戻って行った。

 空間転移を使う関係もあり、アシュアが送る役として一緒に瞬間移動で消えて行く。


「みかん、シズ……ありがとうな? また、近い内に色々な所に行けたら良いな?」


 アシュアの空間転移によって消える直前の所で、私は軽く手を振りながらもみかんとシズの二人に答えた。

 

 これに、みかんとシズの二人もニッと愛想の良い笑みを浮かべ……そして消えて行く。

 本当……空間転移って、便利だよな。


 その内、どうにかして私達人間も禁忌タブーを解除して、この魔法を使える様にする事が出来ないのだろうか?


 ふと、この様な素朴な疑問を抱く私がいたのだが、この問題は密かにそう単純な物ではないらしく、易々と禁忌を解禁する訳には行かない模様だ。

 仕方ないので、取り敢えずは諦めて置く。


 それよりも、メシだな?


 みかんとシズ……そしてアシュアもいなくなり、少し人数が減ってしまったが、それでもまだユニクスやフラウ、ルミやルゥもいる。

 もちろん、忘れてはならないアリンもいるのだ!


「ああ、俺もそろそろ行くな?」


 ……って、ちょっ!?


 みかんとシズの二人が瞬間移動によって戻ったのを見届けたイリは、言うなり軽く手を振ってから教室の外へと出ようとする。

 てか、何でお前らは、そこまで付き合いの悪い連中ばかりなの?


「メシくらい良いだろう? 難なら、私が奢るぞ?」


「コッチも暇じゃないんだよ……リーナの件に付いても、少し思う所があるしな」


 つまらない顔になって言う私に、イリが物凄い真剣な目を見せて返答して来た。


 ……ふむ。

 

「そう言う事か……」


 私は何となく納得してしまった。

 

 イリの真意までは知らないが……恐らく、イリなりに何らかの考えがある事だけは分かった。

 そして、私の願望も若干混じってはいるけど……それが、リーナにとって何らかの救済に繋がるんじゃないのかと思えたんだ。


 だから、私はニッと快活に笑ってからイリへと答えた。


「頼んだよ、イリ」


「……ああ、任せておけ」


 イリは親指を立てて来た。

 

 その後、どう言う方法を使ったのかは知らないが、リーナは不起訴処分で終わり……一ヶ月後には再び私達の担任として復職して来たりもするのだが……余談だ。


 


    ○◎●◎○



 結局、その日はいつものメンバーで食事会と言う形になってしまった。

 色々と忙しいのは分かるんだけど……本当に付き合いの悪い連中だと、胸中でぼやきを入れてやりたい所だ。


 しかし……まぁ、それでも楽しい食事にはなった。


 フラウとユニクスの二人は、濡れ衣が晴れた事を心から喜んでくれたし、ルミやルゥの二人も祝福する形で私に優しい笑顔を振り撒いてくれた。


 一人だけ、事情を知らない……と言うか、理解出来ていない愛娘のアリンだけ、妙な祝賀ムードにハテナ顔状態ではあったんだけど、ここに関しては仕方がない事だろう。

 まだ三~四歳って感じだし、理解しろと言われても難しい内容でもある。


 ……ん? でも、産まれて来たばっかなのか?

 

 そうなると、少しだけ素朴な疑問が生まれるな。


「なぁ、アリン?」

 

「……? なぁーに? か~たま?」


 その時、私は抱っこしてた愛娘に、自分なりの素朴な疑問をぶつけて見た。


「アリンは産まれて来たばかりの赤ん坊だよな? どうして言葉を話す事が出来るんだ?」


 まぁ……何てか、本当に素朴な疑問だ。

 こんな疑問を持たなくても良い様な気もするんだけどな?

 それでも、疑問を持ってしまうと……やっぱり気にはなる訳で。


「言葉? それって、か~たまとお話してる事かな? うぅ……んと、うぅ……んと」


 アリンは、自分なりに頑張って考えてみる。

 何気に、その顔を見ているだけでほっこりしてしまう私がいた。

 

 うむっ!

 本気で可愛いぞっ!


「多分ねぇ? アリンが水晶の中にいた時、覚えたと思う~」


「……ああ、そうなるのね」


 凄い学習能力だな……。

 

 これは後日談になるのだが、アリンは本気で天才だった。

 面白半分に辞書を渡した所、物の数日で完全に記憶してしまった。

 これにより、アリンの読解力が飛躍的に上がっていた。

 ……と言うか、読み書きがメチャクチャ出来る子になっていた。

 流石、私の娘!


 ……余談はさて置き。


「そかそか~。凄いな、アリンは~っ!」


 私は素直にアリンを誉めた。

 

「アリン凄い? わーいっ!」


 すると、アリンはお日様笑顔になって喜んで見せる。

 いやぁ……もう、可愛過ぎて鼻血が出て来そうだよ、あたしゃ……。


 そんな……子煩悩な親の気持ちを痛烈に理解する私がいた所で、


「リダ様……そう言えば、その子は結局……誰なのです?」


 怪訝な顔をして言うユニクスがいた。

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