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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第四編・最終章
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事件の終わり【7】

 結果的に私の担任になってしまった訳だが……私に対して妙に厳しい態度を取っていたのは、アインが大きく関係していた。

 

 ……なるほど。

 思い返せば、やたら高圧的だった!

 

 どう考えても、私が悪くない様な状況でも、私が悪くなってたりもしたし? 一時間もの壮大な説教を教員室で受けた時は、軽い殺意すら抱いた。

 ユニクスに擬態して、私を殺そうとした時も……ひと思いに一発で殺せば良い所を、わざわざなぶり殺しにしてやる勢いで、私へと攻撃していた。


 それら全ては、アインへの嫉妬と怒りによる物だったのか!


 なるほど、と完全に納得してしまった。

 

 リーナの視点からすれば、私はまさに悪女だ。

 

 色々あって好きになった男子が、実は昔から好きな相手がいて。

 その相手が私であって。

 リーナからすれば嫉妬と羨望の対象になる。


 しかし、それだけではない。

 経緯はさておき、結果だけを見れば……私はアインを殺してしまう。


 挙げ句、邪神降誕に繋がる水晶……つまり、邪神のコアまで私の手元にあるではないかっ!?


 ここには、リーナの勘違いもあったけど……つまり、彼女は思ったのだ。


 リダ・ドーンテンと言う悪女は、アインを殺害して水晶を奪った!……と。


 もう、見事な濡れ衣だ!

 そもそも、この水晶がそんな代物だと分かったのは、つい最近の事で、今の今まで知らなかった位なのだから。


 よって、リーナの視点からするのなら、私は完全な悪女だった。

 

 悪女には、相応の罰が必要だ。

 リーナの中で、私を陥れる画策を考え始めたのは、この頃ら辺だったとの事。


 奇しくも、水晶の在処ありかを突き止めた研究所の人間が、新学期のタイミングで秘密裏に乗り込んで来る事になる。

 このタイミングをリーナは逃さなかった。


 簡素に言うのなら、研究所が送り込んだ暗殺者の存在を知ったリーナは、自分からこの組織と接触を図ったと言う。


 完全な裏切り者でもあった為、かなり邪険に扱われていたらしい。

 それはそれで仕方ないと割り切って、なんとか暗殺者達と溶け込もうとした。


 私を地獄に叩き落とす為に。


 地味に根暗なヤツだな……まぁ、良いけど。


 暗殺者集団の中に荷担したリーナだったが、そこで想像以上の妨害を受ける事になる。


 イリの存在がコレだ。


 ここらに付いては……イリ本編でやる事がメインになるからして……まぁ、何と言うか……ネタバレになるから、敢えて伏せて置こうと思う。


 イリが奮闘してくれたと言う事だけ述べようか。


 この関係もあり、暗殺者集団は一人……また一人と姿を消して行く。


 最終的には……とうとう、リーナともう一人の人物だけになってしまう。


 後で分かった事だったんだが、この最後に残った一人と言うのが……実はリーナと同じ境遇の人物だったとか。

 擬態の能力が、リーナと同じレベルだった時点で、リーナとしても何らかの親近感染みた物はあったらしい。


 流石に、自分と同じ邪神のプロトタイプであった事実には驚かされた模様だが。


 結果、リーナは彼女を『妹』と呼称する様になった。

 心から妹と思って呼んでいた訳ではなかったんだが。


 実質、リーナは妹と呼んでいたヤツを惨殺している。


 どうしてか?

 リーナの目的は、最初からそこにあったからだ。


 擬態の能力が自分と同等と言う事を知った時に、リーナは既に考えていたんだそうだ。

 私に殺人罪を着せる方法を。


 つまり……全てはリーナの計算通りだったのだ。

 

 これで、私が衛兵に捕まり……会長を辞任してただの罪人になったのなら、リーナの復讐は完全な物になる所だった。


 ……だが、そうはならなかった。


 最終的に言い逃れが出来ない所まで追い込まれたリーナは、邪神を誕生させる方法を考える。

 簡素に言うのなら、もう世界が滅んでも良いと思った訳だ。


 ……ったく!

 自殺したいのであれば、せめて他人の迷惑にならない死に方をしろってんだっ!


 この、実に迷惑な思考から、私の手にしている水晶を強奪しようと考えた。


 余談だが、前日の夜にイリを襲ったのは、腹いせもあったらしい。 

 本当に根暗なヤツだな……。


 そこは良しとして……コアである水晶から邪神を降誕させるには、水晶の許可が欲しいらしい。

 

 そんなのがあるんだな。

 私はちょっと驚いた。

 話によると、水晶の状態ながら邪神にはちゃんと意思が存在しており、持ち主を水晶が選ぶんだとか?


 けれど、この話を耳にして、なるほどと納得してしまう部分もある。

 生まれて来たばかりのアリンが、ちゃんと私を『か~たま』と呼んで、しっかりと甘えて来るのは、水晶時代から私を見ていたからと言う事になる。

 そして、心を許していたのだろう。

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