【1】
クラス予選が終わった一週間後。
ここから学年代表を決める、本戦への最終予選が始まる。
クラス予選はグループリーグの総当たり戦だったのだが、この最終予選からトーナメント戦に変わるのだ。
一学年は八組あり、ここから各クラス代表の四人が、学年代表の座を賭けて熱い戦いを繰り広げようとする。
「き、緊張するなぁ………」
我が一学年A組第三代表として学年予選に無事エントリーを果たしたルミは、再びやって来た予選会場で武者震いしていた。
緊張半分、楽しみ半分ってトコか。
なんだか初々しいねぇ。
「ま、普段通りに戦えば、ルミも本戦に行けるんじゃないかな?」
緊張をほぐす為もあったが、私は笑いながらも真面目に言って見せた。
運動能力こそ人並み以下だが、その魔導能力は桁違いで、並の冒険者には真似出来ない。
そんな彼女がクラス代表第三位なんだから……いやはや、本当にレベルが高い予選だった。
この調子だと、学年予選も一筋縄ではいかないのではないかと、本気で思ってしまった。
クラスの予選でこれなんだから、その代表が集まるこの最終予選は、どんな凄いヤツが出て来るのか?
会長としては、大いに楽しみではあった。
………うむ。
前言を撤回せねばなるまい。
まず、学年予選だが。
正直、クラス代表戦が余りにも凄すぎたせいで、子供のお遊戯にしか見えなかった。
まぁ、なんてか……だ。
強いて言うのなら、フラウはスゴかったよ。
けど、これは私の予測内の事だし、炎神の祝福を受けてる十五歳と言う時点であたしの中では反則だ。
しかしながらフラウは、アグニの加護を基本使う事なく順調に勝ちを積み上げて行った。
……逆に言えば、切り札を温存していても尚、勝てる相手だったと言う事だ。
正直拍子抜けだ。
とは言え、この位のレベルであるのがむしろ普通だとは思う。
学生の内から早くもA帯S帯の冒険者レベルの人間ばかりなら、現在プロとして頑張ってる連中が単純に情けない存在になってしまう。
彼らの名誉の為にも言おう、現役の冒険者達は頑張っているし、その努力もあって、学生に負けない強さも保持しているのだ。
だから、A組連中がおかしいだけと言わざるを得ない。
パラスやルミが非凡な才覚を持っているとしか、他に表現する事が出来ないな。
A組ではないが、フラウもそうだ。
………よって。
特に見所のある戦いにはならなかった。
なので、序盤は割愛させて頂こう。
尚、A~Dブロックにある、各4つのブロックにそれぞれ各組の第一代表~第四代表が一人づつ加わる事になる為、同じクラス代表と同じブロックで当たる事がない仕組みになっている。
簡素に言えば、同じ組の代表とは、最短でもベスト4まで勝ち上がらないと対戦する事はない。
そして、このトーナメントの上位四名が学年代表になる関係上、勝ち負けに関係なく本戦出場が確定してからの対決となる。
同じクラスの誰々に負けて本戦出場を逃した!
………って事に、ならないわけだ。
ま、違うクラスの相手に負けて出場を逃すヤツはいるから、あんまり意味のないシステムな気もするんだがな。
そこはさておき。
とりあえず、一回戦と二回戦は全員順調に勝ち進む。
私はまぁ、良いとして……他三人も同じだ。
あのチャラ男もしっかり三回戦に進出を果たしている。
しかし、三回戦の相手が悪かった。
まぁ、学年予選もベストエイトまで来れば、それなりの相手しか残っていないのだが、そこを差し引いても運がない。
相手はあのフラウだ。
途中、善戦はした物の……最後はとうとう炎神の力を出して来たフラウに完敗。
いや、けど頑張ったと思うよ。
格好も、なんかチャラさが無くなったし。
余談だが、宣言通りに格好を普通の一般的な学生の格好に変えていた。
こうやって見れば………まぁ、そこまで悪い男ではない。
ないけど、アレ(チャラい)が元だと思うと……ねぇ。
やっぱり第一印象って大事だよなと、なんとなく思ってしまった。
こうして三回戦が終了し、本戦出場を決めた四人が決定した。
Aブロックは私。
Bブロックはルミ姫様。
Cブロックはパラス。
Dブロックはフラウ。
まぁ、なんだろうね。
見事に知ってるヤツばかり勝ち上がって来た感じだ。
てか、四人の内三人はクラス予選と変わらないメンバーだった。
これはこれでどうなんだろうと、私は少し考えたが、ちゃんと戦った末の結果だし……まぁ、これはこれで良いのかな、と考える様にした。




