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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
会長、ぼっちが怖くて友達を必死で作ろうとする
3/1397

【1】

「今日からこのクラスに転入する事になった、リダ・ドーンテンさんだ、みんな仲良くする様に」


 担任と思われる二十代中頃程度の教師に紹介された私は、教壇の上に立ってペコリと頭を下げた。

 下げたんだけど、だ?


 二度言う様で気が引けるが……しかし、言いたくて仕方ない。

 だから! なんで私が生徒になってるんだよっ!


 いや、おかしいだろこれ? 一応これでも結構それなりの歳だぞ? 外見は時間魔法で十五歳程度になってるから、そりゃまぁ美少女してるが、やっぱりおかしいだろ?


 え? 自分で美少女とか言うなって?


 仕方ないだろ。他に誰も言ってくれないんだからな!


「今日からお世話になります、リダ・ドーンテンです。よろしくお願いします」


 どうしてか学生になってしまった私は、場の流れから仕方なくクラスメートになるだろうメンバーに挨拶をして見せる。


 それにしても、他にあっただろ? 用務員のおば……お姉さんとか、保険医さんとか、別に先生でもよかったんだぞ!

 後で、ここの学園への侵入方法を考えた犯人を探して左遷してやると、心の中で仄かな憎しみを抱きつつ、私は席に座る。


「よろしく」


 社交辞令もそこそこの声が、私の横からやって来た。

 声がした方向を見ると、クラスメートになるのだろう男子が座っていた。


 おお、なんか可愛い子じゃないか。

 ……とか言ったら、本人が怒るかも知れないな。


 比較的引き締まっていそうな身体。肉体訓練を怠らずに頑張ってるのか少年! 偉いぞ!


「よろしくです」


 将来は有望な冒険者に育ってくれるのだろうと、私なりの期待を抱きつつ、あいさつを返した。


 だが、それ以上の会話には発展しなかった。


 無口なのか? 寡黙を気取るのか? それが最近の流行りなのか?


 いや、だめだぞ少年。そんなでは女子にはモテない! ここは転入して来たばかりの不安な女子をこうぅ、優しくしてやらないと行けないシーンだ。


 しかし、隣の席に座る少年は、自己紹介する事もなく黙々としている。

 なんてヤツだ! 私程の美少女を相手にしても尚、見向きもしないとはっ! 

 

 結局、普通に授業が始まり終わってしまうまでの間、全く喋ると言う事がなかった。


 そして休憩時間。


 ……よし。


 流石にこの時間はいけるだろう。


 普通、転入生が来たら興味半分に声を掛けて来るヤツが一人はいる。

 そうじゃなくても、クラス委員みたいなのがいて、自己紹介がてら声を掛けて来るに違いない。


 ところが、次の時間は移動教室だったらしく、みんなスグに教室を出て行ってしまった。

 え? なにこれ? リダさんは空気ですか?


 仕方なく、私もみんなと一緒に外に出てみる。

 行き着いた先は更衣室。ああ体操着に着替えるのね。

 そう言えば私も秘書から体操着を渡されていたな……これを着るのか。


 取り合えず着替えて見た。

 その間にあった会話は次の授業が校庭だと言う事だけ。

 なに、この業務内容チックな会話は! これはなんだ? 泣けと言う事なのか? ちょっと雑だろ、扱いが!


 校庭にクラスメートが全員集まる。

 見る限り四十人程度だろうか? まぁ、一組四十人は私が設定した案件だから、特に不思議には思わない。


 不思議なのは、それだけの人数がいると言うのに、私の回りだけポツンとドーナツ状態になって、誰も人がいないと言う事だ!

 おかし過ぎるだろ? 私が何をしたって言うんだ!


 いよいよおかしい。

 これは間違いなく、私を意図的に避けているとしか思えない。

 一体、何が起きてると言うんだろうか?


 だが、このままだと孤独な学園生活は必死になってしまう。


 目的の魔族を倒したら学園生活も終了ではあるんだが、逆にいえば魔族を倒さない限りは学生してる事になる。

 事実上の無期限学園生活をしてるわけだ。

 その間、こんなドドメ色の生活なんかしてたら頭が剥げるわ!


 仕方ない。


 不本意だが、こっちからアピールをするか。


「あ、あのぅ………」


「え? はい! どうしました?」


 特に言う台詞を決めていたわけではなかった為、なんだかおかしな言葉になってしまったが、それでも一応声を掛けてみると、ビクゥ! と、驚いた猫みたいな反応をされる。

 だから、私が何をしたって言うんだ。


「みんな、話しかけてくれないのですが、私がなにかしましたか?」


「え? いいえ。何も悪い事なんかしてないと思いますよ」


 だよねぇ。

 んじゃ、なんで話し掛けて来ないんだよ?

 意味もなく空気にされてたら、もう集団イジメだと思うぞ!

 

「………そう、ですね。多分、今までが今まででしたから」


 ………?


 よく分からない。


「それって、どう言う………?」


 ちゃんと理由を聞こうとした私だが、そこで授業が始まってしまった。 

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