犯人探しの始まり【20】
けれど……思う。
私は、こんなにも懐疑にまみれた思考を保持していて良いのだろうか?
いつか、何もかもを懐疑的に見る様になってしまい……本来ある筈の真実を逃してしまう結果にならないだろうか?
ふと、私の思考に不安が過る。
ともすれば、こんな考え方も……バアルからすれば甘い考えなのかも知れないが……でも、やっぱりそう思えてしまうんだ。
だから、本当なら懐疑的な思考を持ちたいとは思わない。
思わないけど……しかし、バアルの意見を優先するのなら、嫌でも懐疑的にならざる得ない。
故に、思うのだ。
もし、ユニクスも疑う必要があるのであれば、同時にバアルもその対象に加えなければならない……と。
水晶の映像から見える視点を考慮するのなら、ユニクスも可能性は十分ある。
そして、それは……バアルも同じと言う事を意味する。
体格的な意味でも、髪の毛の色等を見ても可能性は否めない。
映像から考えられる身長はおよそ百七十センチ。
当然ながら、目寸法の予測に過ぎないので、誤差はそれなりにあるだろう。
プラスマイナス五センチ程度はあるだろうか?
そうなると、予測出来る対象は百七十五センチから百六十五センチの間辺りが対象となる。
この対象で考えると……やっぱりユニクスもバアルも対象となってしまうのだ。
…………。
ああ、もうやめだっ!
こんな事を考えていたらキリがない!
選別対象を味方まで含めていたら、もはや疑心暗鬼の巣窟だ!
ともかく、可能性があると言うだけに留めて置こう!
私は考えを改める形で、そうと自分に言い聞かせ、テーブルの上にある資料へと目を通して行くのだった。
……と言う所で、次回に続く!




