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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第三編・編末オマケ短編
225/1397

こうして実技試験は鬼門となった【22】

 その後、メイは潔く降参をする形で技能試験が終了し……全てのカリキュラムを終えて行くのだった。




    ○◎●◎○




 技能試験と言う名の能力測定も終わり、役割を終えた私は現在の自宅でもある学園寮へと戻ろうとする。


 今日は何だかんだあったが、それなりに楽しかった。


「たまには、こんな日があっても良いかも知れないな」


 比較的上機嫌で言った私に、そこで近くにいたユニクスが相づちを打って来た。


「そうですね。近日中に我が校へと通う生徒の能力等も知れましたし、割りと有意義な時間を過ごす事が出来ました」


「そうだな」


 頷いた後、穏和に語ったユニクスに私もすかさず頷きを返していた。

 そんな中、近くにいたフラウが口を動かして来る。


 余談だが、私の近くには、ユニクスやフラウの二人とルミとルゥなどのニイガ王家親子もいる。

 簡素に言うのなら、いつもの四人にルゥが新しく加わった形となっていた。


「ねぇねぇ? まだ夕方だし? 寮の食堂でご飯食べたら、みんなでリダの部屋にでも集まってゲームでもやろうよ」


 フラウは笑みで提案していた。

 ここ最近では良くある光景だ。


 特にフラウは、最近カードゲームにハマってしまい……暇を見ては相手をさせられている感じだ。

 あ、ちなみにカードゲームってのは、トランプみたいな物だと思ってくれれば良いぞ?


 こっちの世界にもババ抜きや大富豪みたいなのはあって、みんなでやると結構な盛り上がりを見せる。

 ……そして、フラウのマイブームが大富豪だった。

 

「……まぁ、別に構わないけどさ? どうしていつも私の部屋なんだ?」


 フラウの言葉に、私は素朴ながらも疑問を抱いて見せると、


「え? リダの部屋ってみんなの所から近いって言うか、集まりやすいじゃない?」


 フラウは軽い口調で言って来た。

 密かにこれは間違っていない。


 私の部屋は、みんなの部屋から見て寮の全体からすると中央に位置している。

 偶然なのかどうかは知らないが、これの関係もあり、私の部屋に集まる傾向にある。


 一例を出すと、フラウの部屋が東寄りにあるのに対して、ユニクスの部屋は逆に西寄りなのだ。

 そして、私の部屋はその真ん中にある。

 よって、フラウの部屋ともユニクスの部屋とも同じ位の距離であり、フラウやユニクスにとっても、真ん中にある私の部屋に集まった方が楽……と、こうなる。


 ちなみに、その理屈だと……。


「別にルミの部屋でも良いんじゃないのか? 私の隣だぞ?」


「ルミはさぁ……ほら、お姫様だし? 少しは気を使うじゃない?」


 姫には気を遣うのに、会長には気を遣わないんだな……。

 ……いや、別に良いんだけどさ。


「あ、お姉ちゃん! ここにいたんだ!」


 藪から棒に、快活な声がみんなの耳に転がって来た。

 声からして、誰の声なのかはすぐに分かった。

 少なくとも、私にはすぐ分かる声だ。


「なんだ、メイちゃんじゃないか」


 私は笑みを作ってから声を返した。

 自分でも良く分からない内にバレてた……と言うか、後からメイから聞いたんだが、隠している様には見えなかったと言うまでにバレバレだったと言う。

 ……くそぅ……私の正直さが自然とオーラとして出てしまっていたのか!


 仕方がないので、メイには元来の私と言う物を説明しておいた。

 よって、学生と言う事にしておいて欲しいと言う事も伝えており、そこらについても承諾してくれている。


 ……最初からそうして置けばよかったんだがな?

 けど、やっぱり……現状の私は危険な存在である事に代わりないからな。

 この学園に転入し……かつまた、この学園に在籍を続けている事情から加味しても、やっぱりメイを巻き込んでしまうリスクを最低限に留めて起きたかったと言うのもあったんだ。


 ……とは言え、もう隠す事は出来そうにないし……それなら、素直に話しておいた方が良いと判断した。


 結果、私は『リダお姉ちゃん』として、接する事に決めたのだった。


「どうしたんだ? 忘れ物でもしたのか?」

 

 特待生の試験も終わり、簡単な閉会式とかも終了していたので、特待生の大多数は帰路に向かっていた。

 もちろん、メイも特待生の一人であった為……これから自宅へと帰る事にするのだろうが、どう言う訳かまだ学園の敷地内にとどまっていた模様だ。


「ううん、最後にお姉ちゃんの顔が見たくて」


 快活な笑みで言うメイ。

 なんだよ、可愛い事を言うなぁ……。


「あははっ! い奴め!」


 嬉しくなって、私はじゃれる様にメイを自分の胸元に引き込むと、そのまま頭を軽く撫でてみせた。

 なんだか、自分に可愛い妹が出来た気分だった。

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