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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第三編・編末オマケ短編
214/1397

こうして実技試験は鬼門となった【10】




    ○●◎●○




 測定試験と言うか……試験と言う名の測定も一通り終わり、お昼休みになった。


 余談だが、あの中年男には、私が会長である事は秘密にしろと思いきり釘を刺して置いた。

 一応は協会のトップシークレットだからな?


 機密事項を漏らせばどうなるか位……幾ら末端組織のヤツでも分かっている事だとは思う。


 それでも分からない時は……懲戒免職でも良いし、機密事項を他の組織に漏らす様なレベルなら……まぁ、相応の対応を取るしかないな。

 

 小心者と言うか、小物風情の悲しい中間管理職って感じだったし、特に心配する様な事にはならないだろう。


 ……多分。


 それよか、昼食だな。


「リダの姉御! パンを買って来ましたっ!」


 そうと答えては、私に白パンを持って来たのは、さっきの一年坊。

 いや、まだ一年になっていないが……恐らく、普通に入学する事になるから、この表現で間違ってはいないだろう。

 

 ちょっと前にあった、ドキュン染みた威勢の良さは何処へやら?……今では、従順なパシりをしてる。


 でも、ユニクスになつけよ。


「うむ、ご苦労」


 けど、白パンは貰う。

 うむ、やっぱりパンは白いのに限るなっ!


 私はディゴが買って来た白いパンをパクリと口にした所で、


「リダ……本当にすごいね。早くも特待生を自分の部下にしてるの?」


「そ、そうですね……空気を吸う様に家臣を増やしてる様に見えます」


 私の隣にいたルミとルゥが、軽く引いてた。


 ……いや、待てよ。


「別に、部下とか家臣とか、そう言うのにするつもりはないぞ?」


 強いて言えば、パシりに使えれば便利だなとは思っていたけどなっ!

 地味に最低な事を考えていた私がいた所で、ディゴも否定する感じの台詞を口にしていた。


「違いますよ! 俺は、リダの姉御の舎弟になっただけです! 舎弟頭のユニクス姉さんにも敬意を持っておりますが、リダの姉御にも俺は最大級の尊敬を持っているんです!」


 そうか、爆発したいんだな?

 ディゴは、これでもかと言うばかりに叫んでいた。

 感情で口を動かすのはやめて置いた方が良いぞ?


「……うぁ、やっぱりリダはやる事が違う」


 見ろっ! ルミが完全にドン引きしてるじゃないかっっっ!


「リダさんって……野蛮な方だったんですね」


 いやいやっ! ルゥちゃん? ち、違うから! リダさんはもっと穏やかで優しい、気立ての良い美少女ですからっ!


「行こう、ルゥ……こんな汚れた場所にいたら、あなたまで汚れてしまうから」

  

「え? いや、ルミさん?」


「そう……ですね……マムの教育にも良くありませんし……」


「それは、むしろ逆でしょ! あんた、娘でしょっ!?」


 私が見せた渾身のツッコミも虚しく……ルミとルゥの二人はどこかに行ってしまった。

 余談だが、今いる所は私にとって昼食の定番とも言える学園の中庭。

 そのベンチでルミと一緒に昼食を食べる事が、私にとっての定番であったんだが……。


「あの、リダの姉御?」


「……破門だ」


 不思議そうな顔になってたディゴの野郎に、私はポツリと口にする。


「は、破門ですか? そ、それはいきなり過ぎませんか?」


「いきなりも何もあるかっ! よりによって、ルミに軽蔑されたんだぞ! 私にとっては唯一無二の大親友にっ!」


 私はおもむろに叫ぶと、半べそになったままディゴに手を向けた。

 そして、額に怒りマークを付けてから言う。


「さっさと消えろ? さもないと……爆破するぞ?」


「ひぃぃぇっっっ!」


 脅しではない事を即座に悟ったのだろうディゴが、物凄い勢いで走り去ってしまった。

 

 ……ふん!


 お前がおかしな事を言うからだっ!


 不貞腐れた顔になり、全力で逃げて行く一年坊を横目で見ながらも、白パンを口に入れていた。


「あら? リダ様一人ですか? 珍しい事もある物ですね?」


 そこから、ディゴと入れ替わる形でユニクスがやって来る。

 見れば、隣にはフラウの姿もあった。


 何だかんだで幼馴染みと言う事もあり、仲が良いよな……この二人。


 実際に血が繋がっていると言う訳ではないんだが……二人の関係は、仲の良い姉妹って感じだった。

 それはそれで……何だか羨ましくはある。

 私は、ずっと一人っ子だったからな?

 ……今の人生も、その前の人生も。


「まぁな?……ディゴの馬鹿が、ルミやルゥをドン引きさせちゃってさ……ったく。参ったよ」


 後で、ルミやルゥに、どう言い訳しようか?

 そんな事を考える私がいた所で、フラウが私の隣に腰を降ろしてから、声を掛けて来た。


「所でさ? リダの出番って、午後の後半にやる、最後の実技試験だったよね? 何人の特待生を相手にするの?」


「うん? さぁな? 多分、全員じゃないのか?」


「全員っ!? 百人はいるって言うのに?」


 特に考えもなく答えてた私に、フラウは呆れと驚きをミックスする感じで声を返した。

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