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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第三編・最終章
203/1397

輝いた明日へ。ゴグゴグマの巨人【20】

 ともかく、ルミの話を聞こうか。


「……で? 結局は何が起きたんだ?」


「時空を越えて来た、未来の人間がニイガにとんでもない者を召喚して来たの! ちょっと詳しい事は……まぁ、ほら、こっちは話が進み過ぎてるから言えないのっ!」


「凄く分かりにくいけど、ある意味分かりやすい理由をありがとうっ!」


 私はどうにも微妙な顔になってルミに叫んでみせた。

 良くは分からないが、今回の相手はタイムトラベラーとか、そこらが相手なんだろうか?


 ただ、時空を越える事は可能性としてあり得る。

 ゴグマゴグは、千年前の過去から転生した時にこの時代へと来ている。


 つまり、この時点で時空を越える事は可能な筈なのだ。


 だけど、これは反則行為を当然の様に使う伝承の道化師ピエロの力で時空を越えたんじゃないかと予測出来る。

 しかし、今回の場合は、道化師が関係していたとしても、それとは別に自力で時空を越える力が備わっているんじゃないだろうか?


 もしそうであるのなら、かなり厄介な相手だ。


 まして、今回は過去ではなく未来の人間と来ている。

 簡素に言うのなら、今よりも色々と発展した魔導力を駆使して戦闘を有利に展開して来るのだろう。


 ……本当、何から何まで、面倒な事になってる。

 ニイガは呪われてるんじゃないんだろうか?


 まぁ、そこらの詳細は追々聞くとして。

 私の中にはもう一つの疑問が生まれている。


「所で、ルミの隣にいる女の子って誰だ?」


「……ああ、この子は私の娘のルウ。ドジな未来の女神がちょっとバカな事しちゃったせいで、この時代にやって来ちゃったみたいなんだよねぇ……?」


「……は?」


 ニイガで何が起こった?

 うぅむぅ……なんかつくづくおかしな事件が次から出て来るなぁ……。


 ともかく……もしかしたら、この未来の女神が事件の素因を作り出しているのかも知れない。

 まぁ、分からないけどな!


「ともかく! 今は一刻を争う緊急事態なんだよ! ニイガが……特大のピンチなのっ!」


 ルミは切実な表情と声音で、私へとお願いする形で答えて行く。

 ……はぁ。


 まぁ、どうしようもない状況だと言う事だけは分かった。


「えぇと……アウロス族長。いきなりになるが、急用が出来た……ドタバタになって申し訳ないんだが」


 私は、近くにいたアウロス族長に向かって苦笑して見せる。

 他方の、アウロス族長もまた苦笑していたのだが、


「どうやらその様ですね……名残惜しい所ではありますが、リダ様の力は我が巨人族のみにとどまらないと言う事は、私自身も存じております……どうか、お身体に気を付けて下さい」


 礼儀正しく、私に頭を下げて来た。

 なんてか、毎回思うが……物分かりが良いと言うか、良すぎると言うか……。


「本当、アウロス族長はいい人だな」


「お褒めに預かり光栄です」


 ニッと笑って言う私に、アウロス族長もニッコリ笑って答えた。

 冗談なのか本意なのか、今一つ良く分からないニュアンスだったが……まぁ、どっちでも良いや。

 とにかく、今は時間がないみたいだしな。

  

「ほむぅ……何か、妙な騒動が起きてると思ったら、まぁ~たニイガで何かあったみたいですねぇ」


 そこで、みかんとういういの二人がやって来る。

 まぁ、あからさまにおかしな事が上空で起きてるからな。

 気になって、こっちに来たのかも知れない。


 どっちにせよ、私としては手間が省けたと言った所か。


「ナイスタイミングだみかん。ちょうどお前のトコに行こうとしてたんだ」


「……およ?」


 私の言葉に、みかんはキョトンした顔になる。

 ああ、そうか。

 みかんは事情を良く知らないんだったな。


 まぁ、私も全然知らないんだけどなっ!


「イマイチ良く分かってないんだけど、みかんの予想通り……ニイガでなんか事件が起こってるらしい」


「ほむぅ……なるほど。それでみかん達の力を貸して欲しくて、わざわざこんな所まで飛行船に乗ってやって来た訳ですか……」


「そんな感じっぽいな」


 まぁ、説明になってはいないレベルではあるんだが……私は自分の知ってる限りの事を言うと、みかんは両腕を軽く組んでから頷いてみせた。 


「えぇと……どうしてみかんさんまで、ここに?」


 そこら辺で、ルミが意外過ぎると言うばかりの顔になって尋ねて来た。

 

「およ? そ~ですねぇ……偶然?」


「実は、本当に偶然だ」


「へぇ~。そんな偶然なんて珍しいと言うか……なんかスゴいね。けど、私としては助かったかも知れないや」


 ルミは満面の笑みを作って見せた。

 程なくして、ルミは真剣な顔になってからみかんへと頭を下げる。


「不躾を承知で言います! どうか、もう一度! ニイガの為に一肌脱いでは貰えないでしょうかっ!」


「もちろん行きますよ~」


 切実なルミの言葉に、間延びした緊張感の欠片もない返事が転がって来た。

 悪気はないんだろうけど……緊迫感を持っていたルミの気持ちは、簡単にゴミ箱行きだった。 

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