会長、学生になる【2】
今度はSランクの精鋭パーティ。
流石にやられはしないだろうと、私も高を括っていたよ。
だが一週間後、謎の爆破事件が起きて、パーティが全滅したと言う知らせが来た。
一応、Sランクメンバーだけあって、全員がなんとかギリギリ生きて帰って来たけど、私は愕然となったね。
これはもう、私の虎の子パーティを出すしかないな。
冒険者協会が定める最上位ランクSS+のみで結成された、世界でも類を見ない最強のパーティに招集を掛け、本気で謎の魔族を討伐しようと試みる。
そして………。
私は、悪夢の様な報告を耳にするんだ。
一ヶ月後だった。
五人で結成された最強パーティが……私が一番の信頼を寄せていたメンバー全員が物言わぬ姿で無言の帰還を果たしてしまう。
………久しぶりに声を大きく出して泣いた。
虎の子と呼ばれる精鋭パーティは、元を正すと私の旧パーティメンバーだ。
固定パーティで、会長になる前までは毎日の様に一緒に様々なクエストを消化した。
……本当に本当に、良いやつらだったんだ。
絶対に許せなかった。
冒険者である以上、死ぬ覚悟は出来ていないと、そもそも仕事は出来ない。それはわかっている。
でも、だからと言って……悲しくないわけではないんだ! 辛くないわけじゃないんだ!
こうなったら……私がお前らの仇を取ってやる!
果たして、私は周囲の反対を押しきり、自分の手で冒アカに潜む謎の魔族を探し出す事に決めた。
SS+のあいつらが束になっても敵わないと言う、桁違いの凶悪な魔族を打倒する為に。
てか、勝てるのか? 私?
色々と不安もあったけど、こうして私の冒アカ生活が始まるのだった。
………始まるんだけど? だ!
最後に一つだけ言いたい。
なんで私は学生になってるんだよぉぉぉぉぉっ!




