表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第三編・最終章
198/1397

輝いた明日へ。ゴグゴグマの巨人【15】

「そう言う貴方も、中々の乱暴者ですよねぇ……ゴグマゴグさん」


 そこでみかんが、いつになく高圧的な態度で中央にいた人物……見た感じはいかにも気の強そうな金髪の男に口を開いて見せる。


 ゴグマゴグ?

 ゴグゴグマじゃないのか?


 なんだか紛らわしいと言うか、何と言うか。


「まぁ、あれです。千年と言う月日は長いと言う事です。長い歴史の中で、色々な逸話や神話が生まれては消えての繰り返しをしている内に、本当の名前が少し変化して行く時もあるのですよ~」


 ……うーむ。

 良くは分からないが、長い時間が経過した事で、ちょっとだけ違う名前になって行った感じなのか?


「元々、ゴグと言う巨人が、マゴグと呼ばれる場所で誕生してるのです……よって、ヤツの本当の名前はゴグマゴグ。巨人の中でもかなり凶悪な存在です」


 答え、みかんは青年……ゴグマゴグを指した。

 すると、彼はやや驚いた顔になった。


「ほぅ……どうやら、ただの乱暴者と言う訳ではない模様だ」


「それにしても、良くもまぁ……あの道化師はこんなのを転生させた物です。よっぽど暇だったみたいですねぇ……同じ野心家を転生させるにしても、もっと他に一杯いたでしょうに」


「……何が言いたい?」


 嘆息混じりに腕組して言うみかんがいた時、ゴグマゴグの顔色が変わった。

 明らかに怒りの色合いの見える顔になっていた。

 しかし、それでもみかんは飄々とした態度のまま、再び口を開いた。


「お前ごときに構っていられる程、みかんは甘くないと言う事ですよ」


「ほざくだけなら、雑兵だって言えるのだが?」


「……へぇ。本当にそう思っているのです?……なら、試して見ると良いです」


 完全な喧嘩腰だったみかんがいた時、ゴグマゴグの右手が上がる。

 その瞬間、彼の周囲にいた兵士が一斉に私達へと攻撃を開始した。


 直後。


 フォトン波動ウェーヴ


 みかんを中心にして光の波動が……って、私も近くにいるんだぞっ!

 私は慌てて魔導壁を発動する。


 ……あ、危なかったっ!

 せめて、範囲魔法をやると宣言してからにしてくれないかなっ!

 思わず、そんなぼやきを口にしたくなる。


 その理由は……まぁ、結果として既に周囲に出ていると述べても過言ではないだろう。


 カッッッ!


 ……直視したら目が失明してしまうだろう、驚異的な目映さを放った瞬間、光の波動が周囲にいた全ての兵士を全て吹き飛ばしてしまった。


 この一撃だけで、半分以上の兵士が壁に激突し、そのまま意識を失う。


「もう一度言うです? 貴様ごときにみかんがいつまでも構っている程、甘くはないのですよ?」


「……くっくっくっ! どうやら、口だけではない模様だ」

 

 再びシリアスな顔になって言うみかんがいた所で、ゴグマゴグは立ち上がった。

 そこから、辛うじて戦闘不能を免れた兵士が意気込んで攻撃を加えようとするが、ゴグマゴグによって制止される。


「……良い。あれはお前達レベルでは倒せん」


 答えて、ゴグマゴグが制止すると、兵士は渋々ながらも振り上げていた槍の刃を降ろした。

 そこから素直に待機する形を取って見せる。


 へぇ……。


「統制の取れてる部隊なんだな」


「当然だろう? ここにいるのは、俺の側近部隊だ。常識の通じる相手であるのなら、ここにいる兵士の一人であっても相当な力量がないと倒す事は出来ない」


 やや誉める感じで言った私に、ゴグマゴグは誇らし気に答える。

 

「だが、常識が通じない相手となれば……話しは別だ」


 言うなり、ゴグマゴグはゆっくりとした歩調で私達の眼前までやって来る。


「お前は、俺の事を良く知ってるみたいだが……誰から聞いた?」


 そして、みかんへと視線を向けると、それとなく尋ねてみせる。


「誰からも聞いてないです。強いて言えば、経験談なのですよ」

 

「……経験談? それは、どんな冗談だ?」


 恐らく真実を口にしているのだろうみかんの言葉に、ゴグマゴグは少し吹き出しそうな顔になっていた。

 どうして吹き出しそうな顔になっていたのか?


 理由は本人から出て来た。


「もう分かっているとは思うが……俺は転生者だ。そして、転生前の名前こそが貴様の言う名前……ゴグマゴグになる。だが、それはいつの話しだと思う?」


「答えて良いのです?」


「ああ……言ってみろ」


「千年です」

  

 みかんはしれっと答えた。

 

 ……ああ、そうなるのね。


 私はコイツがどんな理由で転生して、どんな結果でこの時世に生きているのかは知らない。

 けれど、分かった事が一つだけある。


 コイツは、転生したと同時に時空も越えていたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ