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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第三編・最終章
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輝いた明日へ。ゴグゴグマの巨人【14】

 仕方ないな。

 少しは楽しめると思ったんだけど……。


 心の中でちょっとだけぼやきつつ、私は補助魔法を発動させる。


 スーパー攻撃力上昇魔法オフェンスアップレベル99!


 スーパー防御力上昇魔法ディフェンスアップレベル99!


 スーパー身体能力上昇魔法スピードアップレベル99!


 例によって、自分の能力を急上昇させた事で発生するエネルギーの余波が周囲に撒き散らされた。

 

 更に、スキルまで発動させる事によって、私が完全な本気モードになって行く。


 ドラゴン呼吸法ブレイズ【極】


 ドンッッッ!


 輪を掛けて膨れ上がったエネルギーにより、再び周囲に衝撃波を撒き散らした。


「……最初からそれでやって欲しかった所です」


「まぁ、そう言うなよ。これでも、敢えて敵に強さを合わせる事で自分への鍛練にもなるんだからさ」


 ちょっとだけつまらない顔になっていたみかんに、私は言い訳半分の台詞を口にした。

 だけど、敢えてハンデを付けて戦う事で、自分へのトレーニングをしていると言うのは本当だぞ。

 やっぱり、なんだかんだでレベルアップへの近道は実践なんだ。

  

 まぁ、ここの講釈は長くなりそうだからヨシとして。


 私は、まだ残っていたゴツい鎧の連中達をにらむ。


「あ……あぁぁぅ……」


 だが、兵士達は腰を抜かしたのか? 尻餅を付いた状態で後ずさりをしていた。

 

 ……どうやら、私の実力差に恐怖を抱いてしまった模様だ。


 強くなれば強くなる程……相手の強さが分かる。

 相手の本筋が見えて来る。

 この気持ちは良く分かる。


 例えば、みかんが良い例だ。


 最初に会った頃のみかんは確かに強かった。

 けど、当時の私はまだ、みかんの強さの片鱗程度しか気付けなかった。

 そこから幾年かの月日が経過し……私もそれなりの強さに到達した。

 そして、知るのだ。


 みかんが持つ実力を。

 

 なんと言うか、複雑だ。

 強くなれば強くなるだけ……本質を知れば知るだけ、分かってしまう。

 ……遠くの存在である事を知って行く。


 お陰様で、みかんに近付いている筈なのに、逆に遠くなった気持ちにさせられるんだ。

 本当に複雑な気持ちだよ……全く。


 話しを戻そう。

 眼前にいる鎧達は、それなりのレベルを持つ高い実力者であるが故に、私の実力と言う物を瞬時に悟ってしまった。

 結果……無尽蔵の恐怖が精神を襲い、完全に戦意を喪失してしまった。


 情けないと思うなかれ。

 人間は誰だって、恐怖と言う気持ちを持っている。

 むしろ、この怖いと言う感情が欠落しているとしたら、それはもう人間とは呼べないのだから。


「どうやら、戦わなくても大丈夫みたいだな」


「その様です」


 軽く一瞥してから、私とみかんの二人は先に進もうとする。


 ……しかし。


「うぉぉぉっ!」


 鎧の一人が、半狂乱状態で私へと強襲を掛けて来た。

 自分の持つプライドか? それとも、兵士としての忠誠心か?


 理由は分からないが、せめて一矢報いてやろうと、長槍を怒濤の勢いで突き刺そうと振り抜いて来た。


 ガシッ!


 私は槍を紙一重でかわすと、右手だけで槍の刃を掴んだ。

 間もなく、


 ペキッ!


 刃を一瞬でへし折る。


「悪いが、もうお遊びはおしまいなんだ」


 呟く様に答えた私は、


 ドンッッッ!


 襲って来た鎧の土手っ腹に強烈な蹴りを入れた。


 蹴られた鎧は悲鳴をあげる事すら出来ないまま昏倒し、


 ドカッッ!


 そのまま、十メートルはあるだろう壁に激突して倒れた。


 そこから、周囲にまだ数人は残っている鎧達を牽制する形で睨んでみる。

 ……今度は完全に戦意喪失しているらしく、完全に顔を下に伏せていた。


「よし、行こうか」


「OKです、次に行くですっ!」


 気合いを入れてみかんは先にあるドアを勢い良く開けた。


 バンッ!


 ……と、開けた先にあったのは、大広間の様な所だった。


 中には百人近い兵士。

 その中央には、明らかに他とは違うオーラを纏う存在が、好戦的な笑みを見せながら私達を見据えていた。


「ようやく目的地に到達って感じだな」


「ですねぇ」


 私の言葉に、みかんも軽く相づちを打って見せる。

 さぁ……て。


「話しが通じる相手だと良いんだがなぁ……」


「無理かな……多分」


 ですよねぇ……。

 私自身もそう思っていたんだけど、みかんがソッコーで否定して来て……まぁ、そうだよなと珍妙な納得の仕方をしていた。

 その時だ。


「随分と乱暴な方法でやって来るものだね……里の原住民は」


 中央にいた男が、不適な笑みを絶やす事なく口だけを動かしてみせる。

 私は里の原住民ではないんだが……そう言う事にして置こうか。

 そこらの説明をするのも面倒だし。 

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