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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第三編・最終章
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輝いた明日へ。ゴグゴグマの巨人【13】

 単なる理想論なのかも知れないけど……思った。

 いつか、魔神アフリト悪霊レイスも、みんなで仲良く生活する世界が出来たら良いな、と。


「もうすぐ、ヤツがいる建物の入り口に入るです。そこからは徒歩になるので、降りる準備はして置いて下さい!」


 声高なみかんの声が、私の耳に転がって来た。

 いよいよ……か。


 思い、私の顔も引き締まる。

 ほぼ同時に、魔法の絨毯じゅうたんが止まり、


 ポンッ!


 白い煙と軽い爆発音を出してから消えた。

 

 結果的に私とみかんは地面に足をつける。

 こうして地面に足をつけた私達の前にあった物は、大きな建物。

 駐屯地と言うよりは城だ。


 おとぎ話にでも出て来そうな感じの城が、私達の前にそびえ立つ感じで建っていた。


 程なくして、城の中から兵士がわらわらとやって来る。

 ざっと二百人はいそうだ。


 ……やれやれ。

 なるべくなら、余計な怪我人を出さないで進みたい所だったんだけどなぁ。


「こっからは、どう考えても話の通じる相手とは思えないですし、向こうからすれば、みかんらは重罪人かもです」


「……だろうな」


 そして、私も。


 案の定、兵士達は問答無用で私達へと攻撃を仕掛けて来た。

 長槍を持つ兵士達が一斉に私とみかんを突き刺そうと突っ込んで来る。


 ……だが、長槍は私達の前でピタリと止まった。

 見えない透明な壁が、アッサリと長槍の攻撃を止めた感じだ。


 愕然となる周囲の兵士達。

 そこにアフリトのサトー君の旋風が吹き荒れる。


「っ! うぉわぁっ!」


 今までより強い……竜巻にも匹敵する風力があった旋風により、みかんと私に長槍を向けた兵士の全てが吹き飛んで行った。

 その隙に、城の中へと侵入して行く。


 当然、私達の前には、まだまだ百人単位の兵士達が迎撃体勢を取る形で待ち構えていたのだが、


 火炎球魔法ファイヤーボール


 ボンッッッ!


 みかんが放った強烈な炎の球によって吹き飛ぶだけに終わった。

 ……まぁ、魔力の違いなのかも知れないが、ただのファイヤーボールとは思えない威力があった。


 見た目だけなら、同じ様なのを私も出す事が出来そうだが……百人はいただろう兵士を全員吹っ飛ばす様なファイヤーボールとなると…………うーむ。


 少し悩んでしまいそうな私がいた。

 だが、当然ながら悠長に悩んでいる様な暇はない。


「こっちです! 急ぎましょうっ!」


 みかんは素早く右手で次の目的地を指差し、同時に走り出す。

 私も素早くみかんの後を追った。


「この城のマップは……ちょっと高かったのですが、カナザの街にある闇市で売ってたのです」


 なるほど……そうなると、この城の構図とかも分かってる訳か。


 この大陸と言うか……まぁ、世界にある何処の街でもそうなのだが、おおむね大都市と呼べるレベルの街には決まって闇市と言う裏の商店が存在する。

 やや値が張る物の……合法・非合法問わずに、様々な物が入手可能な店だ。

 昨今は闇市の取り締まりがかなり厳しくなっているらしいが、それでも法の合間を抜ける様にして暗躍を続けている。

 

「その地図から行くと、この通路を突っ切って、三階まで行くみたいです」


「OK! 突っ切るぞっ!」


 城内に入った私とみかんの二人は、かなり広い通路をひた走る。

 前後から兵士達が突入して来るが、そこはみかんの魔法とアフリトのサトー君の旋風……そして、私が直接殴る形で進んで行く。


 しばらく進むと階段が。

 飛ぶ様な勢いで階段を駆け抜けて行き、一気に三階へ。

 

 更に開けた通路に出た。

 当然の様に突入状態でひたすら進むと……扉の前にごつい鎧を着た数人の兵士が、私達に攻撃して来る。


 やはりこれも槍での攻撃だったが……今度は私も避けてみせる。

 透明な壁が、一瞬にして破壊されていたからだ。


「……ほぅ」


 やるねぇ……。

 ここに来て、ようやく一方的な戦闘ではなくなりそうだ。

  

 槍の攻撃をかわした私は、間を取る形で後方へと飛んで見せた。

 刹那、


 超紫電爆雷魔法ブラストオブライトニング


 カッ!


 紫色の光が出現し、稲光の様な光線が鎧の兵士目掛けて突き進む。

 一瞬だった。

 

 ドォォォォォンッ!


 肉眼では早すぎて分かりにくいと思うが、突然出現した稲妻が対象となっている相手へと一直線に突き進み、次の瞬間には大爆発していた。


 抽象的に言うのなら、通常は上から降って来る感じの雷が正面に出現して、そのまま雷が横から突っ込んで来た感じだった。


 威力もすさまじく……常人なら、間違いなく即死レベルだ。

 ゴツい甲冑を着込んだ中の人が、どの程度の生命力を持っているか分からないけど……死んでない事を祈ろう。


 なんにせよ。


「リダ……遊んでる暇はないですよ? 少し強い相手がいたからって、素直に相手している余裕なんかないのです」


 みかんはちょっとばかり叱咤する形で私に言う。

 ……まぁ、実は少し遊ぶつもりだった。


 今までの兵士と比べると、格段に強い相手だったし、少しは楽しめるかなと思った訳で……。

 ……って、この考えがいけないんだろうなぁ。 

 私は考えを改める事にした。

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