表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第三編・最終章
193/1397

輝いた明日へ。ゴグゴグマの巨人【10】

「さて、次は本陣組……まぁ、ここは言うまでもないですね。残った二人……つまり、みかんとリダの二人が本陣に突っ込む事になるです」


「まぁ、そうなるとは思ったよ」


「ここで、気にしないと行けない事は、今回の戦場が市街地戦になる事です」


「まぁ、相手の本拠地的な場所だからな」


 一応、そこは分かっていたつもりだが?


「市街地と言う事は、非戦闘員も一杯いると言う事になるのです」


「ああ……そうなるな」


「みかん達は侵略しに来たのではないです。敵と言っても、最終的には協和するべき相手なのです。ここで町を蹂躙じゅうりんなどしてしまったのなら、例え勝利しても協和なんかクソ喰らえって勢いの溝が出来てしまう可能性は高く……本当の共存なんか、しばらく出来なくなってしまうのです」


 な、なるほどっ!

 

「お前……頭良いな……」


 気にしないで、気ままに暴れてやろうとしてたぜっ!


「リダがバカなだけかもです。ちょっと考えればスグ分かるかもです」


 みかんは思いきり呆れていた。

  

「そこで作戦なのですっ!」


 みかんはビシッ! と人差し指を立てて来た。

 きっと、このアクションに意味はないのだろう。

 ただ、なんとなく格好良いかな程度の感覚だったに違いない。

 リアルでそれやると、ただただ恥ずかしい人なんだけどな?


 けれど、ここにツッコミを入れたら、きっと本人も悲しむと思うからやめて置こう。


「まず、人畜無害な悪霊レイス君達で町を驚かせます」


「それは、色々な意味で驚くと思う」


 てか、人畜無害な悪霊レイス……って、もうそれは悪霊ではないのでは……?


「そしたら、町の人間は自宅に避難なりするです。あるいは緊急避難を始めて、町の公共施設に集まるかもです……てか、何もなかったら、アフリトのサトー君にもイタズラして貰うです」


「……やってる事は、もうイタズラでは済まないレベルだけどな」


「とりま、一時間程度の騒動を起こして、なるべく一般の非戦闘員が自主避難をしてくれたのを確認してから、敵の中心地にある、本陣の駐屯地を叩くです。ここから戦闘開始ですねぇ」


「なるほど。町の時点で奇襲を掛けると問答無用で民間人を巻き込むから、ここを排除した上で駐屯地を目指して、戦闘はなるべく駐屯地でのみにしたい……と、こうなる訳か」


「ずばり、そです」


 みかんは良く出来ましたと言うばかりの笑顔を見せた。

 私は、どこの子供ですかねぇ……?


「……と、言う訳で、駐屯地までの地図は」


 そこまで言った時、みかんが魔法の絨毯じゅうたんを出して見せる。

 ういういとユニクスの二枚とは別の絨毯で、サイズも一回り大きかった。


 ……てか、お前は絨毯を何枚持ってるんだよ。


「直接、現地に行く途中に見せるです。とにかく、みかん達は敵の本陣に乗り込みましょうか!」


 快活な笑みと共に、みかんは魔法の絨毯に乗り込んだ。

 ワンテンポ置いて、私も乗り込んで見せる。

 こうして、私とみかんの二人は、


「リダ様、ファイト!」


「みかん、リダ。生きて帰って来いよ!」

 

 そうと答えながら手を振るういういとユニクスの二人に手を振り替えしつつ、敵の本陣……ゴグの町へと向かうのだった。




   ▲○◎○▲




 本陣となるマップは、存外シンプルだった。

 また、この地図も普通に購入出来るらしい。


「イーシカ国の首都、カナザのお土産屋で売ってたです。一枚五百マールだったです」


「安っ!」


 思わず叫んでしまった。

 話によると、ゴグの町は大陸に千年も根付いた町だけに、ちょっとした観光スポットになっているそうだ。

 

 ……そうか。

 しかし……そうなると、マジで何の関係もない人間が一杯いると言う事になるんだな。


「みかんらは、一つ間違えるとテロリスト扱いされるのですよ~」


「そうなるなぁ……」

 

 実際は、里の未来を勝ち取る為の戦いなんだが、そう言った事情とか全く関係なく、単なる旅行に来ている人間からするのなら、突発的に始まった内紛に巻き込まれた可哀想な人になってしまう。


 自分達も軽率な行動は取れない。

 他方、敵もそうなのだろうが……本陣でもあるこの駐屯地を落とされてしまったのなら、向こうは敗北が確定してしまう為、必死になって抵抗して来る。


 ……そうなれば、町が地獄絵図になる危険も当然あって。


「まぁ、最悪、テロリストにされるのだけは勘弁だな」


「そうですねぇ。まぁ、そうならない努力はしますよ~」


 やや悩みながら言う私に、みかんは相変わらずの間延びした声を返していた。


 そこら辺で、山林地帯が開けて来る。

 見れば、それなりに大きな集落が見えて来た。


 ……てか、集落と言うより立派に町だった。


 なるほど、こっちは大陸にあるから、里の人間とは違ってちゃんと私達と同じ文明レベルにあるのか。


 当然と言えば当然なのだが、なんだか妙に納得してしまう私がいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ