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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
会長、謎の美少年からラブレターを貰いウキウキするも肩透かしを喰らう
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【1】

 テストは学生にとって大切なステータスだ。

 今後の自分を知る上での様々な目安になる。

 だから、現役の学生にとってはこの上なく大事なのは分かるし、そこも納得はする。

 だが……私にとっては、ただの紙切れに過ぎない。

 今更、好成績取ってもなぁ……。


「リダ会長………これは少し大人気ないのでは?」


「私はいつでも全力でやる主義だ。それと会長言うな。ペッタン子と呼び直すぞ、フラウ」


 私とフラウの二人は、校内掲示板がある廊下の広場に来ていた。

 つい数日前、中間考査があった。

 その結果が発表されていたわけだ。

 発表されているのは、トップ五十までで、それ以下は発表されていないのだが、この五十人の中に私とフラウ、ついでにルミ姫様も載っていた。

  

 パラスは入ってないな。

 今度、勉強教えてやるか。


 さて、げんなりと言うか地味に腹立たしいと顔で思いきり訴えていた魔法少女が私の前にいる。

 常勝無敗のペッタン子こと、フラウ・フーリだ。


 常勝無敗とわざわざ付けたのは、フラウが根本的に天才肌で、何をやっても負けた事がなかったからだ。

 私が来る前まではな!


「成績がぶっちぎりの一位なのはまだ良いのですが、全教科満点はやり過ぎだと思いますよ……」


「問題が稚拙ちせつなんだ。私は悪くない」


 余談だが、フラウは二番手だった。

 点差は二十点近い差があったが、私を抜かせば三位以下に一五点程度の差を付けている。

 十分、誇れ!

 無い胸を張れ!


「ごめーん! リダ、フラウ! おまたせー」


 ルミ姫様が私達の前にやって来た。

 ちなみに、トイレだった。


「別に待ってないぞ」


「あはは、ありがとう」


 ルミ姫様は無駄に可愛い笑みを作っていた。

 これがロイヤルスマイルと言うヤツか!


「私は満点の成績より、満点の笑顔を作りたいぞ」


「………?」


 ルミはキョトンとした顔だ。

 私の気持ちは届かないみたいだ。

 ……いや、無理なのは知ってるから良いんだけどね。


「お~! 流石リダ! 一番だ!」


「そう言うルミも十番手には入ってるし、ちゃんと好成績が取れて良かったよ」


 テストの成績結果を見て、ルミはロイヤルな笑顔で言う。

 無意識なんだろうけど、あたしゃテストの成績よりアンタの笑顔の方が羨ましいよ! 

 くぅ……神様ってヤツはなんて意地悪なんだろうか!


「フラウも二位か~。あはは。私一番バカだ」


 そこで、少しとほ~って顔になっていたルミ姫様。

 いや、バカでもいいじゃん!

 私からすれば、その笑顔を私に寄越せと叫びたいよ!


「いや、十分だと思うよルミ。リダは規格外の反則の本気出したら周りからむしろ失笑されちゃう人だから、実質九位だしね」


 言いたい事は分かるけど、それは言いすぎだぞフラウ!


「うん、わかってる」


 ルミさん、あんたもか!


「ふ……首位を取っても友達に見下される運命の私って何なのだろう」


 遠い目をしてぼやいた。

 そんな時だった。


「あの……リダ・ドーンテンさんですよね?」


 やたら美形な男子が私に声を掛けて来た。

 う、うぉう………。

 なんだ、このイケメンは。


「そ、そうですけど……あなたは?」


「これは失敬。私の名前はエール・ケニッヒ。同学年のC組に所属しております」


 C組か。

 二つ隣だな。

 

 ちなみに、私とルミがA組でフラウがB組だ。

 二学年からは学力によってクラスが違うのだが、一学年の場合はそれぞれランダムでクラス配置がされる。


 つまり、Aだからと言って学力が高いわけではなく、Cだからと言って低いわけでもない。

 実際問題、そこのイケメンことエール君の成績は三番手。


 私とフラウの真下に名前が載っていた。


「所で、私にどんな用件でしたか?」


 私はちょっとだけ可愛い子ぶってイケメンに答えていた。

 見れば、フラウが呆れた視線を送っていた。

 ルミも少しポカンとしていた。

 ま、まて二人とも!

 ……私だってだな? 初対面の相手にはそれなりの態度を見せるわけだ。

 てか、イケメン相手にいきなり普段の顔なんか見せられないだろ!


「そうですね、本当は貴女一人だけの時にと、思ったのですが………」


 エール君は少し考えるような仕草を見せた後、ポケットから一通の手紙を手に取ると、それを私に渡した。


 ………え?

 こ、これは、もしや?


「私の用件はこれだけです。本当は直接口で言おうとも考えていたのですが、どうやら保険で書いて置いた手紙が役に立ったみたいだ」


 少しはにかみながら、若干キザかなと思いつつも、やっぱり美男子は正義だったらしく、思わずぽーっとなる私の前から、爽やかに立ち去った。


 な、なんだ、この展開は!

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