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交換留学生からの洗礼【4】

「じゃあ、私とアラビカ、んでリダも来る……って事で、良いのかな?」


「ああ、私は構わないぞ? 特に用事と言う用事もないからな?」


 素直に言うと、私も遠慮したい所ではあるのだが、ここは仕方ない。

 アラビカと最初に会ったのは私でもあるし、ルミが断りを入れた空気で私まで誘いを断ってしまったのであれば、余計におかしな空気が出来上がってしまうに違いないのだから。


 それに、アラビカには私に対しての誤解を早急に解かないと行けないと言う側面もある!

 全く! どうしてこんな根も葉もない噂が蔓延していると言うのか?


 ……そこはともかく!

 

 その後、私達は近所にある喫茶店へと向かって行くのだった。 




          ◯◯◯◯●




 私達が日々の生活を営む学園了から徒歩十分。

 厳密に言うのであれば、学園の敷地から徒歩五分程度に所にある、ちょっとシックな喫茶店。

 昔ながらの佇まいが良い味を出している喫茶店は、コーヒーと軽食を取るのに最適な場所だ。


 序でに言うのであれば、軽い雑談の場でもある。


 ここらの関係もあるのか? 放課後ともなれば、結構な数の生徒がこの店へと入り浸る傾向にあった。

 多少であれば寄り道しても、学園側から文句を言われる事がない関係もあるのだろうが……放課後は、普通に制服姿のまま店の中でアレコレ雑談している風景が一般的だったりもするのだから……地味に風紀が乱れている気もしなくはないな?

 私はこれで構わないと思っているが!


「へぇ、流石はトウキだねぇ……こんな洒落た店が普通にあるなんて」


 店のドアを開けて間も無くの所で、アラビカが言う。

 結構気に入ってくれたみたいだな? うむ、良かった!


 この店の良さを分かってくれるのは、私としても嬉しい限りだ。

 特段綺麗と言う程でもなく……まして、新しい建物と言う訳でもない為、お世辞にも整っている店とは言えない場所ではあったのだが、そこかしこにムーディーな調度品などが散りばめられている店内は、私としてもさり気ないお洒落がひっそりと佇んでいる店であると思っている。


 こう言う、さり気ないお洒落こそが、やはり粋だと思うんだよねぇ……あたしゃ。


 露骨に煌びやかな物を並べ立てるんじゃなく、言われないと気付かない程の静かなお洒落をナチュラルに醸し出せる部分こそが、この店の真骨頂なのだ。

 正直、万民受けするとは思えないし、思わないレベルの代物ではあるのだが、こう言うのは分かる人間が分かれば良い物だと思う。

 だから、この持ち味は今後も長く続けて行って欲しい所だ。


親友ともよ! アリンは……今、世紀の大発見をしてしまったのだおぉぉぉっ!」


 ……ん?


 店の中に入って間もなく、聞き馴染みのある声……と言うか、まんま私の娘なのだろう声が、かなり興奮気味転がって来た。


 てか、アリンがなんでこんな所にいるんだよ……?


 最近は地味にお小遣いをねだって来る様になったので、少しばかりのお金を上げてはいたんだけど、


「こんな所で遊ぶ為に小遣いをやった訳ではないんだけどなぁ……」


 私は少しばかり苦い顔になってしまう。

 

 すると、間もなく近くにいたフラウが私へと声を返す形で口を開いて来た。


「まぁまぁ、良いじゃないの? アリンちゃんだって付き合いとかあるんだしさ?」


「むぅ……」


 フラウの言葉に、私は口をへの字にする。

 事実、フラウの言っている事の方が当たっているのだろう。


 見れば、テーブル席の一角を陣取っていたアリンの向かい側には、ルゥ姫が座っていた。


 つまるに、ルゥ姫との付き合いでここにいる可能性があったのだ。

 ここで、小遣いも与えていなかったのであれば、ルゥ姫にばかり代金を支払わせてしまう。

 

 幾ら相手がニイガ王国の姫様であって、無駄に金を持っていたとしても、毎回ルゥ姫にばかり奢らせてしまうのは忍びない。

 プライドがどうのと言うより、モラル的な観念から気分が悪くなるだろう。


 これで、毎回姫がお金を払うのが当然……と、アリンが考えてしまう様になってしまったのなら、私は娘に一時間は説教してやるね!


 ……と、ここまで考えた所で思った。


 つまるに、アリンはちゃんとお小遣いを有効的に使っている……と。

 うむぅ……今回の所は大目に見てやろうか。


 取り敢えず、三歳にして早くも喫茶店へと遊びに来ると言う、実年齢の壁を大きく飛び越えていたアリンに関しては何も言うまい。


 しかしながら、今のアリンが見せている態度には、私も少しばかり閉口せ去る得ない部分が会った。


 なんでか?


 アリンとルゥ姫の会話が、とっても特殊であったからだ!

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