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魂の追憶【17】

 ……いや、だってだな?


 少し前に、アラビカは言っていた筈なんだ。

 私はサービエ君の彼女だ!……って感じの台詞さ?


「もう、彼女じゃなかったのか?」


「そ、それは……その……リダが、サービエ君を狙っているかと思って……ちょっと見栄を張ってしまっただけで……本当は、そう言う関係にはなってないと言うか、これからと言うか……」


 アラビカは顔を真っ赤にしたまま、両手の指を合わせながら、軽く手わすらをする感じで私へと答える。


 ……なんでそんな事で、下らない対抗心を燃やす退かな?

 本当にフラウみたいなヤツだ。


「……いや、まぁ……良いけどさ」


 私は言う。

 正直、フラウと言う友人が身近にいたからだろうか?

 地味に呆れこそしたが、そこまで驚く事もなかった。

 ある意味、私も少し感覚が麻痺しているのかも知れないな。


 序でに言うのであれば、


「それなら、私がアラビカの恋愛を成就させる為の手伝いをすれば、お前なりに魔王ではない事への証明としてくれるのか? それなら、喜んで協力するぞ?」


 私は笑みのまま答えた。

 実を言うと、少しだけ勿体ないかなぁ〜?……って思う部分はある。

 あるんだけど……それじゃあ私がサービエ君と彼氏・彼女の関係になるのか? と言われたのであれば、やはり違うとしか言えないんだよなぁ。


 私好みのショタ系の美少年ではあるんだけど、守護霊オラが……ちょっと無理だ。

 外面は良いかも知れないけど、内面には底なしの闇を抱えているのは……流石に交際対象として考えるのは難しいだろう。


 それに、サービエ君に対して前々から目を付けていたんだろうし。

 アラビカの視点からすれば、私の存在は……差し詰め、ポッと出の泥棒猫って感覚なのだろう。


 ……うむ! 


 私としても、その様な目で見られるのは不本意だ!

 それなら、お互いの親睦を深めると言う意味合いも込めて、しっかりと彼女のフォローへと徹した方が、後々の事を考慮しても良いに決まっている。


 そう思った私は、


「ほ、本当っ⁉︎ マジで協力してくれるのかっ⁉︎」


 瞳を凛々に輝かせて答えるアラビカに対し、


「ああ、もちろんだ! 大船に乗ったつもりでいろ!」


 しっかりと胸を張って答える。

 

 ……まぁ、大船かどうかは分からないんだけどな?

 正直に言うと、私も恋愛関連に関しては疎い部分も結構あるからな。


 ……ぐむぅ。

 冷静に考えると、ちょっと大口を叩き過ぎてしまったな?


 きっと、自信たっぷりに請け負った私の言葉に、額面通りの期待を受けていたとすれば……これは、絶対に失敗の出来ない案件だ。

 しかしながら、私が得意とする分野なのかと言うと、当然ながらその限りではない。


 ……よ、よし。

 ここは、親友の力に頼る事にしようか?


 思った私は、にこやかな笑みをフレンドリーに作りながらも、再び口を開いた。


「なぁ、アラビカ? これから特に用事がなかったのなら、これから一緒に中庭の方に来ないか? 私の友達がそっちの方で昼食を取っている筈なんだ」


「……え? そ、そうなのかい? い、いや……特に用事はないけど、いきなり私の様な他所よその生徒がいきなりお邪魔したりとかして……大丈夫なのか?」


 私の誘いに、アラビカはやや戸惑う感じの態度をして来た。

 

 もしかしたら、人見知りとかするのだろうか?

 冷静に考えたら、これから合わせ様としていた連中……ルミとフラウもコミュ障が酷いと自負していたなぁ?


 まぁ、でもフラウは存外社交性に優れているし。

 子供をあやすのが得意だったりもする。

 イケメンを相手にしている時のフラウは、もはや自分がシャイな人間だと言う設定を意図的に忘却しているとしか思えない態度を取っているし。


 ……ま、フラウは大丈夫だろ。


 他方のルミも、言う程コミュニュケーションが取れない人間には見えないんだよな?

 当人は気付いていないかも知れないが、ナチュラルに見せるロイヤル・スマイルで相手に好印象を与えるのは良くある事だ。


 うむっ!

 ルミも問題なし!


 他に、うちのアリンちゃんやルゥ姫もいるけど、こっちは大丈夫だろう。


 アリンは根本的に人見知りと言う性質から180度の所にいるし、ルゥ姫も最近は結構色々な人と会話をする傾向にある。

 話しによると、学園生活が長くなった事により、多少は他人との会話をする事が可能になったそうだ。

 ……まぁ、それでも私の目には引っ込み思案の美少女に見えて仕方ないんだがな?


 ともかく、ルゥ姫に関しては大丈夫だろう。

 困った時は、アリンと一緒に二人だけの絶対精神フィールドを全開で発動させ、そのまま親友アリンとの人形トークへと逃げ込むに違いないのだから。


 ………。


 これはこれで、やめた方が良いかも知れないけど……こ、今回は気にしない事にしよう。

 アリンちゃんの育成方針等を考えると、どうしても良い顔をする事が出来ない母親わたしがいるけど……なんてか、もはや今更って感じもあるし。


 それに、後もう少し大きくなったら、人形を卒業してくれると思うしな!


 多分! きっと! そうしてくれ!

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