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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第八編・編末オマケ短編
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上位魔導師のお仕事【7】

 実際問題、建物その物に関しては、結構見慣れている。

 なんだかんだで徒歩十数分の所にあるし、周囲にはここまで大きなビルも、まだ建ってないしな?


 だから、建物のみを語るのであれば前々から知ってはいた。

 ただ、その無駄にデカイ建物が、魔導師協会の物だと言う事は、今ここで知った……って、感じだな?


「お〜! デッカいね〜? 私の地元にある、一番大きなビルより大きいかも?」


 私の隣にいたルミは、軽くビルと見上げる形で見ながらも、感嘆の声を出していた。

 魔導大国ニイガにも、このクラスのビルはないのか。


「なんか意外だな? あっちはトウキよりも発達した魔導技術とか、ありそうなのに」


「あはは! 仮にそうであったとしても、こんなに大きな建物とか要らないんじゃない? あっちはトウキと比べて田舎だしさ? 土地も余ってるんじゃないのかな?」


「いや、ニイガも十分都会だと思うんだが……ま、良い。取り敢えず中に入ってみようか」


 答え、私はフラウやルミの二人と一緒に、ビルの中へと入って行った。


「……おお、凄いな」


 中は筒抜けの大広間の様な状態になっていた。

 天井も三階程度の高さがある。

 受付となっている入り口フロアにも、十分過ぎるぐらいのスペースが用意されおり、地価の高いトウキの都内に建てられているとは思えないばかりに贅沢な空間が存在していた。


 一応、私の所属している、世界冒険者協会の建物も、それなりに広い空間があったりもするんだけど……何気に色々な部分が魔導師教会に負けているかも知れないなぁ……。


 まぁ、私達の協会は質実剛健がモットーだし、余計な所に無駄金を掛けない事は基本中の基本でもあるから、そこらは仕方ない部分もあるんだけどな?


「どう? 我が魔導師協会のロビーは? とっても素敵でしょう?」


 フラウは私達へと踏ん反り返る勢いで威張りながらも言って来る。

 別のお前の自宅と言う訳でもあるまい。

 単に所属している組織の建物だと言うのに、どうしてそこまで威張る事が出来るんだ? お前は?


「んじゃ、早速仕事を受けましょう? まずは受付の人に聞いて、仕事クエストを受注する場所を教えて貰いましょ? 私は、何処にあるのか分からないし」


 仕事の受注する場所すら知らない癖に、そこまで大手を振って威張り散らしていたのか? お前は?

  

 ……と、地味に呆れる私がいた時であった。


「おや? 君は、もしやフラウ・フーリさんではないのかな?」


 聞き慣れない声が、私達の耳へと転がって来た。

 見ると、そこには驚く程の美男子と形容出来るだろう、爽やか系美青年が立っていた。


 うぉ……マジでイケメンだ。

 なんて言うか、オーラからしてイケメンのオーラを身に纏っているんだが?


 そして、そんなイケメンがフラウの名前を知っているとか……これは、どんな間違いが発生しているのだろう?


 私が、解けそうにない謎に頭を悩ませていると、


「あ、あの! すいません! あなたは……?」


 フラウは口をぱくぱくさせた状態で、イケメンへと尋ねていた。

 

「うん? 僕かい?……前に、君のSランク昇格の時に、昇格証書を渡した事がなかったかな?」


「……っ! えっ⁉︎ あの時のっ⁉︎」


 にこやかな笑みのまま答えた美青年の言葉を耳にした時、フラウは二度ビックリしていた。


 ……?

 どうにも話しが見えないのだが?


 良くは分からないのだが、どうやらフラウは前にも一度ばかり、眼前にいるイケメンと会った事がある模様だ。


 しかし解せない。

 フラウ程の面食いが、ここまでのイケメンの顔を忘れるとは思えないからだ。


 まして、自分のランクアップ時に証書を手渡した相手であるのなら、尚の事、記憶に残っていても良いレベルだと思うんだが……?


「すいません! あの時は、仮面を付けていたので分かりませんでした!」


 フラウは咄嗟に頭を下げて謝って見せる。


 ……仮面?

 そんなのを被って、証書を授与するのか?


 魔導師協会の式典とかにはあんまり顔を出した事がなかったから分からないけど、カルト教団の様な真似をするんだな……?


「ああ! そうか! そうだったね! 僕は、普段から重要な式典に参加する時は、正装の一環として暗黒のマスクを被る事にしているんだよ? ほら、魔導師としての格式とかを考慮してさ?」


 暗黒マスクに、どんな格式があると言うのだろう?

 取り敢えず、このイケメンの観点が、常人の持つ常識から一万光年は離れていると言う事だけは理解出来た。


「なるほど、あの服装は格調高い正装でしたか……すいません! 私ってまだ新参者だったので、その風格の高さに気付く事が出来ませんでした!」


 フラウは再び頭を下げた。

 

 大丈夫だ、フラウ。

 きっと、私にも分からない!

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