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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第八編・編末オマケ短編
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上位魔導師のお仕事【4】

 それじゃあ、どうすればランク降格の危機を免れるのか?……と言えば?

 もう、ここまで述べれば分かるだろう。


 ノルマを達成すれば良いのだ。


 それぞれのノルマは、協会や組合によって色々と異なるが、年間に一回ないし半年に一回程度の仕事をしっかりとこなしてさえいれば、基本的に降格通知を受ける事はない。


 また、自分のランクよりも高い功績を上げている場合などは、長期に渡って免除される場合もある。

 私のランクが未だL+であるのは、かつての功績が貯蓄として残っているからだな?


 それと、協会側は私が人工邪神からトウキの街を救っていたり……あと、黄金島の百年迷宮で行ったハロー彗星の消滅などの部分まで逐一知っていたりもする。

 一体、誰が報告しているのだろうか?……バアル辺りかな?


 ……ま、そこは知らん。

 

 報告者に関しては知らないけど、ここらも功績の一つとして記録に残っている為、私のランク降格は軽く数年はないだろう。

 

 ……ま、私の話しはヨシとして置こうか。

 どの道、私はそこまでランクに変なこだわりなんぞない。

 結果としてランクが上がった……それだけの話しなんだ。


 強さとランクは決してイコールではないと言うのは、私なりに重々良く知っている。

 一番良い例がみかん達だよな。

 世界最強クラスの実力を持っていると言うのに、みかんとういういさんのランクは最下級だ。


 余談だか、いよかんさんとりんごさんも同じらしい。


 最下級ランク同士で集まった、史上最強のパーティと言う……草しか生えない連中とも言える。

 こいつらが良い例と言えるな?

 つまるに、ランクが低くても実力の高いヤツは普通にいるし、高いからと言って必ずしも格下ランクのヤツよりも有能であるとは限らない。

 つまり、そう言う事だ。


 ……と、話しが脱線してしまったな?

 

 じゃあ、本題に戻ろうか?


「なるほど? つまり、Sランクの仕事を熟さないと降格してしまうから、手伝ってくれ?……って事か?」


「そう! ズバリそう言う事!」


 私なりに納得する形で口を開くと、フラウは秒で頷いて私へと声高に肯定の言葉を言い放って来た。

 そこまで気合を入れて語る様な代物なのか?

 ……いや、別に構わないんだけどさ?


「私は上位魔導師だから? 仮にS相当の仕事を頼まれても? 一人でチャチャ〜っと終わらせる自信はもちろんあるんだけどさ? S帯の仕事なんて初めてだしさ? やっぱり最初は緊張しちゃって……失敗するかも知れないじゃない?」


「そうだなぁ……私もS帯に上がったばかりの時は、何かと緊張もしたよ……やっぱり、ランク・ダウンがあると思うと、どうしてもプレッシャーって言うかさ?」


「でしょうっ! 実は私もかなりのプレッシャーで、夜も眠れないのっ!」


 苦笑混じりに答えた私に、フラウは何度も何度も頷いて、自分の心情を熱く語っていた。

 どうやら、ご自慢の上位魔導師様も、降格の重圧感には敵わないらしい。

 そして、普段から強気の台詞を事もなげにポンポン口から飛び出すクセに、しっかりと『私はプレッシャーを感じてます!』って言う部分はアピールしていた。


 本当、調子の良いヤツと言うか、変に素直と言うか……。


「でも、さ? フラウ? トウキには同じS帯の魔導師とか結構いるだろ? それなら、パーティーを募集すれば良いんじゃないのか?」


「そんなの出来る訳ないじゃない! だって私! コミュ障だもんっ!」


 自分で言い切ったよ! この断崖絶壁胸むねなしおんな


「分かる! 実は私もそうだから!」


 そして、ここにもコミュ障がもう一人っ⁉︎


 フラウの言葉に、すかさずルミが力強く頷いて来た。


 思えば、確かにコイツら……って、他のクラスメイトとあまり会話をする事がないな?

 特にルミ辺りは周囲の男子からも憧れの的になっていたり、クラスのカースト上位的な女子からも地味にチヤホヤされる傾向にあると言うのに、全く会話に乗ろうとしないな?


 尚、私は会話に混ざろうとしても無視される模様。


 ………。


 そこはさておきっ!


 ともかく、これはフラウも同じ傾向にある。

 やっぱり学生の身でありながら上位魔導師の資格を持った天才少女と言う部分は、クラスでも話題性のある有能な存在でもあるのだ。


 抽象的に言うのなら、全国大会に出場している部活でレギュラーだったり、スタメン出場している様な扱いを受けている訳だ。


 尚、私はフラウと一緒にいても、他の生徒から無視される模様。


 ………。


 私とフラウやルミとの違いは何だと言うのだっ⁉︎


「……まぁ、そうな? 言われてみれば、お前らって確かに余り他の生徒と口をきいてる所を見た事がなかったよ」


 私は少し思い返す形で、フラウとルミの二人へと声を吐き出した。 

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