二人の女神と母と勇者様【28】
「……ミナトさん」
パインは、大きく目を見開く。
瞳からはじんわりと涙が浮かんでいた。
嬉しかったんだろう。
心から……自分を命懸けで守ってくれるミナトと言う男の姿に、底なしの喜びを抱いたに違いない。
私もちょっとミナトには興味を持ったよ。
ちょっと馬鹿で無謀ではあるけど……でも、コイツは化ける男だと思えた。
いやぁ……もう、トウキに引っ越して来ないかねぇ?
そうしたら、私が直々に色々と教えてやると言うのに。
「本当に……変な所で格好付けるんだから……」
か細く呟いたパイン。
身体の震えは……もう、止まっていた。
今は停止中である為、あたかも静止画像でも見ているかの様に止まったままであった大津波を前にして……だ。
多分……きっと、恐怖より勝ったのだろう。
何が勝ったか……って?
そんなの決まっている。
パインとミナトの中に存在する絆の強さだ。
もう、二人は迷わない。
このまま、超絶魔法に飲み込まれてしまっても尚、りんごさんの攻撃を受ける覚悟が出来たのだから。
…………………いや、ちょっと?
自分で言うのもアレだけど、それで良いのか?
ふつーに、りんごさんの魔法って、死ねるレベルだぞ?
地味に綺麗と言うか……ハートフルにまとまってしまったから、つい私も感化されてしまったが……それ、紛れもない死亡フラグだぞ?
果たして。
りんごさんの極大魔法を前に、二人はどうなってしまうのか?
……と言う所で、今回はここまで!
次回のリダさんは、キータ編・ファイナル!
破滅の女神として忌み嫌われた過去を持つパイン。
始まりの女神として周囲から愛され続けたココナッツ様。
この二人が、遂に⁉︎………っと、まぁ、こんな話になるぞ!
それじゃあ、次回もよろしくだ!




