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二人の女神と母と勇者様【24】

 本人その気があるのかどうか分からないが、私としては完全に見せ付けられてしまった感がある。


 こんなのを見ると……人恋しくなってしまうなぁ……。

 つか、私って男運がないと言うか、絶望的だからなぁ……。


 つ〜ても、もう子供だっているし、コブ付き未亡人って立ち位置だし……でも、高校生だし。

 思えば、私の恋愛模様を例えるのなら、何色だろう? ドドメ色だろうか?


 ………。


 私の事はどうでも良いのだ!


 そ、それより本題に戻ろうか!


「あら? ほんの少しの間に、随分と仲良くなったのね? ふふ、良かったわね? パイン?」


 二人のリア充っぷりを見たりんごさんは、冗談半分にパインとミナトの二人へと声を向けた。


 この言葉に、ミナトは少し誤魔化し半分の口調で反論して来た。


「これの、何処が『随分と仲良くなった図』なんですかねぇ……」


 十分にリア充しているのですが?

 爆発して欲しい程度には見せ付けられているのですが?


 何なら、私がお前らを爆破してやっても良いのですがっ!


「………」


 他方のパインは、無言になっていた。


 こっちの方は、見事に自覚があった模様だ。

 いや、ミナトだって一応の自覚と言うか、地味に二人の世界へと埋没していたと言う程度の自覚はあったに違いない。


 しかしながら、それでも気恥ずかしさの方が上回ったのだろう。

 それだけに、必死で誤魔化そうとしていた節がある。


 反面のパインの場合は、りんごさんの言葉によって恥ずかしさが超アップしてしまい、思考がまともに働かなくなっている……そんな態度だった。


 恋愛感情ってのはある意味で、その当人に大きな心の負荷を与えてしまうからなぁ……。

 今のパインがまさに良い一例と言えるだろう。

 ミナトと同様に、苦し紛れでも良いから反論したい気持ちとかはあっても、頭が真っ白になってしっかりと動いてくれない心情が、その態度からもアリアリと見受けられる。


 故に、りんごさんもしたり顔。

 可愛いぐらい真っ赤な顔になって、口を動かす事も出来なくなっていた娘の姿を見て、少しばかり母親としての喜びを抱いていた模様だ。


 抽象的に言うのなら、良い年をした自分の娘が、ようやく色気付いて交際相手を見付けてくれた時に見せる母親の顔……と言った所だろうか?


 場合によっては、私も同じ様な顔をする時が来るのかも知れない。

 ……つーても、私の娘はまだ三歳。

 どちらにせよ、今のりんごさんが見せる心情へと至るには、まだまだ先の話しと言えるだろう。


「この調子だと、パインがアダム……ああ、今はミナト君だったかな? ともかく、ミナト君のハートを射止めるのはパインになる可能性が高そうね? ふふ、それならそれで、私は構わないわよ?」

 

 りんごさんは、満面の笑みでパインとミナトの二人へと答えていた。

 ちょっと気の早い話しかも知れないが……この調子だと、二人が結婚する姿まで、既にりんごさんの思考ビジョンには浮かんでいそうだ。


 ……と、その時だ。


 ドォォォンッッッ!


 ミナトとパインの二人がいる、ちょうど真後ろぐらいの所に、超音速ロケットでも墜落して来たんじゃないのか? って勢いで地面に突っ込んで行くユニクスの姿があった。


 ……オイオイ。


 幾ら、二人の姿が地味に腹立たしいレベルでリア充していたからと言って、超高速で体当たりしなくても良いだろうに……?


 ま、私も地味にやってみたかったけどな!


 ………。


 いや、これはもちろん冗談だ。


「ユニクス! 大丈夫かっ!」


 地面へと激突する形で突っ込んで行ったユニクスの姿を確認した私は、素早くユニクスの元へと向かった。

 

 ユニクスとココナッツ様の攻防がどの様になっていたのかは分からない。

 途中から、ミナトとパインのリア充劇場を見る羽目になってしまったからな!


 しかしながら、かなりの下手を打った事だけは分かった。

 今の落ち方は、フリでもわざとでもない!

 本当にココナッツ様の攻撃を受けた事によって吹き飛んでしまったものだ。


 その証拠に、落ちた場所は私達から大きく離れていた。

 わざとやっていたのなら、あたかも計算されたかの様に、ピタッッッ! っと、本当にビックリするまでの正確さで、私の足元辺りに落ちて来る。


 本当、そう言う器用なやられ方している暇があるのなら、マジで本気出してくれよ! 疲れるんだよ! こっちもっ!


 他にも色々と言ってやりたい気持ちがデラックス・パックで豊富に存在している私ではあったが、今は本当に倒されてしまったユニクスを助けに行く事の方が先決だ。

 流石の私だって鬼ではない為? しっかりとユニクスを助けるつもりはあったのだ。

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