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キータ国とドーンテン一族と勇者様【26】

 ともかく、ポイントはこの部分にあるのだ。


 キータは、中央大陸でも屈指の米所でな? 米を使った郷土料理が普通にあったりするまでに有名な米の産地なのだ。


 その美味しい米を熟成させ、手間暇かけた上に色々と創意工夫された末に生まれた、幻の純米酒がある。


 その名こそが、ロクゴーなのだ!


 地元キータであるのなら、それなりに格安で購入する事が出来るのかも知れないが……トウキ人の手に届く頃には、色々と……まぁ、お金が上積みされて行く。


 キータ国は外国なので、関税が掛かる為、この時点で割高になるだろ? 更に輸送費が結構高く付くだろ?

 これだけでもトウキでロクゴーを飲むには、結構な代金が発生してしまうのだが……先も言った通り、この純米酒の枕詞には『幻の』と言う言葉が存在している。


 ここに捻りなどない。

 マジでレアなのだ!

 もう、超が付くまでに希少な酒なのだ!


 そもそも、トウキ帝国の場合……純米酒の時点で地味にレアなのだが、そこから更に希少価値の高い……と言うか希少価値が極まったロクゴークラスになってしまうと、文字通り幻の酒となってしまう。


 それだけに、名前だけは聞いていたのだが、


「ココナッツ様……私はあなた様と出会えて良かったと、心から思います!」


 私は瞳を凛々に輝かせて叫んだ!


 今日は至福の日を迎える事が出来そうだ……ああ、神様! ココナッツ様! ありがとうっ!


「ふふ、そこまで喜んで頂けたのなら嬉しいですね? ロクゴーは、ここ地元キータでも有名なお酒で、庶民から貴族まで好んで飲むお酒です……まぁ、小市民が毎日飲めるだけの値段ではないので、もっぱら特別な記念日の様な日に出て来る様なお酒ではあるのですが」


「そうでしょうね! はい! わかります!」


 ココナッツ様の説明を軽く耳にしながらも、私は力強く頷いていた。

 

 他方、その頃。


「か〜たまの酒癖は治らないお?……アリンが社会人になったら、お給料がか〜たまの酒代に消える事が日常茶飯事になるのは勘弁して欲しいお……プラムちゃん人形を買うお金も欲しいし」


 人形買う金があるのなら、酒の方がより有意義だと思うのだが?……と言いたくなる様な台詞をぼやきながら肩を落とすアリンと、


「安心しろアリン。未来は私が全身全霊を込めてリダ様を公正させる……よしんば、公正する事が出来なかったとしても、全力で私が一家の大黒柱として切磋琢磨する事を約束してやる。社会人になったお前の給料は、自分の為に使ってくれ。プラムちゃんでもハーピーちゃんでも、好きなのを買うと良い」


 的外れなアリンの物言いへと、更に拍車を掛ける形でアンポンタンな台詞を胸まで張って答えるユニクスの姿があった。


 ……どうでも良いが、お前が大黒柱になる事はないぞ?

 私はお前と結婚するつもりもないし、トウキ帝国では同性の結婚は不可だし、よしんば法律的に合法となったとしても、私は異性と結婚する以外に選択肢はないぞ!


 ……ま、そこはともかく、だ。


 こうして、私はココナッツ様の試験とやらに合格し……その後、沢山の料理と一緒に幻の吟醸酒・ロクゴーを頂く事になって行くのだった。


 ……と言う所で、今回はここまで!


 次回に続く!


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