表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1165/1397

学園祭と剣聖杯と勇者様【17】

「……挨拶代わりの冗談はさて置いて……ですね? 実はまたもやおかしな夢を見たのですよ?」


 程なくして、ユニクスは表情を引き締めてから私に答える。


 なるべくであれば、その冗談とやらをなくして話をしてくれたら、私としてはかなり楽になるんだけどなっ!


 しかしながら、ユニクスの答えた事は、地味に興味深い。


 だからと言うのも変な話ではあるのだが、


「……ほう、それで? どんな夢を見たんだ?」


「はい! 実は、リダ様と私が……って! まだ、私は最初のくだりしか申してませんよっ! その時点で右手は酷くないですかっ⁉︎ もはやそれは横暴と言う物です!」


「ほう? 横暴と吐かすか? そもそも夢の内容を聞いているのに、何故か最初から私が登場している時点で、おかしな話になると思うんだが? どうだろう?」


「……分かりました! もちろん冗談です! 実は、その夢も見てはいたのですが、確かに『おかしな夢』ではございませんでした。甘美かつ素晴らしい夢でしたからね!……聞きます?」


「爆破されるか?」


 いい加減、真面目に話を進めろと言いたい。


「……聞きませんか、そうですか……少し残念ではありますが、仕方ありませんね! 私も今回はマジです。うっかり爆発ばかりして、本題を話す事が出来なくなってしまう訳にも行きませんからね」


 うっかり爆発される時点でおかしいと思って欲しいのだが?


 まぁ、良い。

 そもそも、ユニクスに常識を問う方が無理だと、最近は諦めているからな。


「実は……です? 今日もまた、おかしな夢を見ました。やはりスカした女がビミョーに上から目線で、私へと訴え掛けて来ます……本当に迷惑なんですけど? この女?」


 だから、それ……女神様だぞ?

 いつも思うが、やはり元・悪魔のユニクスからすれば女神なんぞスカした女にしか見えないのだろうか?


「その女が言うには、自分の予想を遥かに上回る速さで、破滅の女神が降誕してしまったそうです……いや、だから何? って話しですよね〜?」


 言ってから、ユニクスは『ははははっ!』っと笑っていた。

 ……いや、それ……笑い話になってないだろっっ⁉︎


「それは本当か……?」


 私は、かなり真剣な顔になってユニクスへと答える。


 破滅の女神……だと?


 そんな女神が居た事など、もちろん私は知らない。

 そもそも……そんな女神が居たとして……何処に、どんな形で降誕したと言うのだ?


「スカした女が言うには、破滅の女神と言うのは、別名『真実と偽りの女神』とも言うらしく、真実の愛と言う物を得る事が出来れば、破滅の女神へと変化する事はなかったそうです……が、どう言う訳か? 強い憎悪と悲しみを心の中に生み出してしまった結果、破滅の女神としてこの世界に降誕してしまった……とか? 何とか?」


 ……オイオイ!

 それ、笑えなさ過ぎるだろ!


 まるで他人事の様に口を動かして行くユニクスがいる中、私の顔から血の気がさぁぁ……っと引いて行くのが、自分でも良く分かった。


 もし、ユニクスが言う『破滅の女神』とやらが、この世界に降誕していたとして……その女神をどうにかしないと行けないのは……勇者ユニクスの仕事だと、夢の中に出て来ている女神は言いたいのだろう。


 ハッキリ言おう!

 今のユニクスに、そんな大それた事が出来るのかっ⁉︎


 一応、私なりにユニクスのポテンシャルは、極めて高い事を知っている。


 前回のN65パラレルが、ユニクスの身体を使って私へと攻撃を仕掛けて来た時……なるほど、やはりユニクスは勇者になれるだけの素質を持っているんだな? と、本気で思えてしまった程だ。


 ……が、それはあくまでもユニクスの潜在能力的な部分であり、現状のユニクスが持っている実力ではないのだ!


 ……む、むぅ。


 今からユニクスを鍛えるにしても……時間が……ん?


「いや、待てよ?」


 ここで私は、一つ思い付いた事がある。


 前回のチャンピオンが行った、アシュアのトレーニングだ。


 あれなら、時間の概念が根本的に存在しない夢の世界で行う為、根本的に時間を気にする必要がない。

 

「なぁ、ユニクス。一つ提案があるのだが?」


「……? なんですか、リダ様? 改まって?」


「お前、強くなる気はないか?」


「……えぇと? それはどう言う意味ですか? 確かに、リダ様の右腕として、私も自分の実力を上げなければと、日々思ってはおりますが……このスカした女の為に強くなるとか、私は嫌ですよ?」


 ユニクスは本気で嫌そうな顔になっていた。

 

 ……やれやれ。

 本当は、勇者ユニクスとして精進して欲しいんだがなぁ……。


「別に目的はなんでも構わない。私はお前が強くなる方法を知っている。それをお前はやるか? やらないか? その答えを知りたいだけだ」


 私は努めて真剣に答えた。

 ここは、私も真面目にならざる得ない所だ。


 なんと言っても、勇者ユニクスの責務を全う出来るかどうかが懸かっているんだからな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ