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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第七編・おまけ短編
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打倒! リダ・ドーンテン!【18】

 ……この時、私は『ある事』を、試してみたくなったのだ。


 故に、私は……補助スキルのレベルを5に落として見せる。


 結果……私は、チャンピオンの攻撃を一方的に喰らう羽目になってしまった。


 顔面にチャンピオンの剛健を受け……腹部に蹴りを喰らい……よろめいた所を回し蹴りで蹴り飛ばされた。


 マジ強ぇ……。

 ただ、これで分かった事がある。


 チャンピオンは『死の淵を何度も彷徨った』と言う事だ。

 それだけのガッツを……根性を見せて、今の私へと戦いを挑んでいる。


 ……そして。


 名前こそクッソふざけているが、その効果は絶大だと言う事だ!


 思った私は、


「はぁはぁ……」


 肩で息をしつつも、


 バキィッッッ!


 チャンピオンの蹴りを『わざと』喰らった。

 ……まぁ、現状の私なら、わざとやらなくても蹴りの一撃を防ぐ手段はなかったんだけどな?


 しかし、ポイントは『わざと』と言う部分にある。


 蹴りを喰った事で、私は勢い良く吹き飛んだのだが……その吹き飛んだ先にいるのは、アシュアだ。


「フハハハッ! 良い気分だ! あの魔王リダが完膚無きまで叩きのめされておる! 今日は祝杯だ!」


 そして、官軍気取りになっていたアシュアは、上機嫌のまま高笑いを続けていた。

 何処まで調子に乗れば気が済むんだよ、お前はっ⁉︎


 果たして。


「フハハハハッッ!……ハハッ……へ? ん? なんだ? 魔王がこっちに? おい、フェル君! 何をしている? わざわざ私にそんな汚物を飛ばすではないわっっ!……って、え? いやぁぁぁぁぁっっ⁉︎」


 ゴチィィィィンッッ!

 

 アシュアと私は激突した。


 もう、とんでもない勢いだ。

 

「ごぶわぁっっ!」


 結果的に私のボディ・アタックを受けた形になったアシュアは、意味不明な悲鳴を出しながら吹き飛んで行った。

 少しだけ気分が良かった。


「……よし」


 他方の私は、心の中でガッツポーズ。

 ……と、同時に私は口の中に錠剤をヒョイ……っと入れ……ゴックンっと飲み干した。


 その直後、右手に持っていた小瓶を、


 ボンッッッッ!


 一瞬で破裂させて見せる。


 なんでか……って?

 コイツを『チャンピオンがまた服用したら困る』からだな?


 私が即座に小瓶ごと爆破した錠剤……えぇと、なんだっけ? やたら長ったらしい名前だったよな?


 なんか、死にそうになった時に飲むと強くなる……みたいな名前だ!

 正式名称は覚えてないし、覚えられるか、こんなクソ長い名前っっ!


 ……ともかく!


「これで形成逆転だな? チャンピオン?」


 私はうっすらと笑みを浮かべて答えた。


 自分でも分かる。

 ……確かに、瀕死の状態で飲むと、その効果は抜群の様だ。


 ……そう。


 この薬は『死にそうになる』必要があった。


 よって、私は敢えて補助スキルのレベルを5に戻し……その上で、チャンピオンの攻撃を受けたのだ。


 こうする事により、私は致死の一つ手前の状況まで自分を追い込む事が出来……まさに死の淵を彷徨う状況に近付く事が可能であったのだ。


 しかし、本当に致死に至れば、なんの意味も果たさない。

 それでは、単に自殺願望があっただけのレベルになってしまう。


「……つか、この薬も危険だな……一つ間違えたら、本当に死んでしまう人間が出て来る」


 私は苦々しい顔になってぼやいた。


 その直後の事だった。


 ドンッッッッ!


 一気に間合いをゼロにして来たチャンピオンの鉄拳がやって来る。


 その鉄拳を……私は右手一本で止めてやった。


 ニィ……と、笑みが生まれる。


「……っ⁉︎」


 直後、チャンピオンの目が大きく見開かれる。


 当然だ。

 今の私は、自分の能力を限りなく倍加させたのだからな!


 しかも、気力・体力・魔力が一瞬で全快している!

 名前は馬鹿みたいだが、その効能もある意味バカみたいだ!


 意味はちょっと違うけどな!


「さぁ〜て、第2ラウンドだ。今度は、さっきの様には行かないぞ?」


 スーパードラゴン呼吸法ブレイズ レベル6!


 一気に能力が上昇する。


 ……そして、エナジーの消費が圧倒的に少ない!

 まさか? これ……私の中に生まれている加護の能力まで『倍加』するのか?


 厳密に言うのなら、倍加ではないのかも知れない。

 本当の本当に死の淵まで追い込んでは居なかったからだ。


 しかし、限りなく死に近い状態まで追い込んだ事は間違いない。


 何故なら……私の能力は、まるでリガー達と半融合を果たした時と遜色そんしょくのないレベルまで、エナジーが上昇しているのだから。


「思わぬ所で、自分の能力を上げてしまったな……はは! 感謝しようじゃないかっ!」


 この調子なら、もう一段階上げても……行けるなっ!


 スーパードラゴン呼吸法ブレイズ レベル7!


「………っっ!」


 チャンピオンの顔が蒼白になった。


 無理もない。

 もはや、圧倒的に私が全てのステータスを上回って来たのだ。

 そして、その事実を……チャンピオンは感じ取れる能力を身に付けてしまったのだから。 

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